亡念のザムド第12話「暗闇で咲く花」

相変わらず神懸ってた作画と脚本。続々と楽しみなアニメが終了していくなかで、今期最後の防波堤です。


丸々戦闘に費やした前回。その戦闘の最中、伊舟をはじめ何人かのキャラが各自の思いをぶちまけていたので、今回はそれに引き続いてケンカ回をやるのだろうと予測していたのだが、ナキアミが次に自らが向かうべき道を悟ってしまったことで、すんなりと仲直りしてしまった。まぁ精神的に重々しい展開は見るのもしんどいので、アテが外れて半分助かった感はある。


今回は、ナキアミとアキユキの旅立ちを主眼に描きながら、父リュウゾウの行動、フルイチとハルの会話などで、今後の展開に備えて伏線を敷いていった回だった。



この作品、アクションやファンタジーとしてのビジュアル的な魅力もさることながら、脚本の質の高さ、難解さも大きな魅力であるというのを、リュウゾウ先生と垣巣中佐(あれ、中佐だっけ?)の会話から改めて実感した。

ここでは政治と人道とを天秤にかける大変デリケートな話題を扱っているのだが、二人ともかなり高度な視点から議論しているので、あまり政治やら戦争やらに関心のない人にはさっぱりついていけない会話だったと思う。

この場合、高いとはどういうことか?それは、政治はなぜ時に道徳を無視することがあるのかという議論を、今回のセリフのやりとりではまったく描いていないという点である。つまり、視聴者がとっくにその議論を経験済みで、単純な善悪の問題では片付かないということをよく理解できているのを前提に描いているのだ。この時点で、人体実験は悪いことだからダメだとか単純に考えているような視聴者は完全に切り捨てられている。このアニメがどの視聴者層をターゲットにしているのかというのが、この場面からある程度想像ができるだろう。

おなじようなことは、今回の冒頭、北政府の国営放送「敵について」(勝手に命名w)を、伊舟が「退屈だから戦争おっぱじめよう、だってさ」と、ものの見事に要約してみせたセリフにも表れていた。こうした視聴者を突き放すようなセリフ回しは、考えようによっては不親切だが、しかし今作のストーリーを投げかける対象を、ある程度以上の思索を行ってきた人々に選別したいのだと思う。ろくに考えることもできない子供には見る資格はない、ということである。エンターテイメントとしてはこの態度は失格だが、高い芸術性を指向している表れでもある。

それに、こうして一生懸命見てるのだから、こんな挑戦を叩きつけられたら、よし受けて立とうじゃないか、とこっちも思ってしまうwww


難しいセリフがある一方で、ナキアミの旅立ちまでを描く一連の展開は、雰囲気作りからひとつひとつのセリフ、そして画面の美しさも相まって、じつに魅力的に描けていた。こういう表層部分の描き方もじつにうまいので、多少セリフや伏線の難解さにとまどっても、ぐいぐいっと見入ってしまうだけの力を持った作品だ。




ところで1話を見たときから感じたのだが、やはりこの作品の世界観や雰囲気は、宮崎駿の初期の作品、具体的にいえば「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」等の影響をもろに受けているのだろうと思う。とくにナウシカかな。いままでは飛行機械の描き方などで感じていたのだが、今回出てきてナキアミを襲った(?)黒い影なんか、そのまんま漫画版ナウシカに出てきたものだったし。


私の夢のひとつに、漫画版ナウシカの完全アニメーション化、というのがあるのだが、ぜひボンズにやってほしいなぁ。やってくれないかなぁw



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