ティアーズ・トゥ・ティアラ 第15話「カンディド」

物語は急転直下!まったく方向性が見えなくなってきました。


前回わりとのんきな探検回だったところに、ちらほらと物語の核心部分に関する伏線があったのですが、その翌週にもうそれを回収しにかかるという急ぎっぷり。かなり強引な気がしますね。あまり面白くなかった序盤の頃から、アルサルの親が誰に殺されたのかとか、もう少し伏線を張っておいて欲しかったな。そもそもアルサル父が殺されたとかいう話、前回初めて知ったしw いや前に言及があったのかもしれませんが、覚えてないってことは、それだけ印象が薄かったということです。ストーリー構成の段階でもう少しこれに関しては丁寧に工夫して欲しかった。


とはいえ、戦闘メインのどシリアス回。今作にしては特殊な演出もあって、見どころは十分。


まずは戦略面の考証から入りましょうか。

前回で、ガイウスがアヴァロン攻略に本腰を上げる決意をしましたが、しかし手持ちの戦力が不足していることをよく分かっている彼は、包囲を縮めながら綿密な準備を進めていました。

敵の都市を攻略するのに、都市の周りにぐるりと壁を築いて包囲するというのは古代ギリシア以来の戦術で、紀元前4、5世紀にまでさかのぼるもの。これはもちろん、敵の動きを封じる意味もありますが、攻撃側が自分たちを守るための城壁にするという意味合いもあります。攻城兵器がまだ未発達だった時代はもちろん、大型兵器が発達していたローマ時代でもよく用いられた包囲戦術でした。かのユリウス・カエサルが、抵抗を続けるガリア人の大軍をアレシアという街に包囲したとき、街の周囲に大規模な攻囲壁を築いたのは有名です。

さて、古代ローマをモデルにしていると思われる今作の帝国軍も、恐らく同じような包囲戦術を準備していたというのが、アルサルの立案した作戦から読み取れます。完成する前に壁に火を放ちに行こうという作戦は、すなわちアヴァロン城が、敵の築く壁に包囲されつつあるという状況を表していると思われます。

前回あれだけ元老院に煽られていながら、このような、ある種気長で手堅い戦術を取ったということは、ガイウスの認識では手持ちの兵力がアロウンを倒すには不十分であるということで、少数の部隊でいきなり乗り込んだリディアと違って、かなりアロウンとゲール族の戦力を高く買っているということですね。画面で見る限りあれだけの兵数を揃えていながら、15話になってもまだ攻め込もうとしないのは、そういう将軍の慎重さがあったわけですね。

ゲール族なんて見た感じ200人も兵力ないと思うんだけどなぁ?w それとも、作画の都合でかなり端折ってるだけで、ほんとはかなりの大軍なのでしょうか。まぁゲール族はもともと辺境の半ば独立勢力であったはずで、そのような部族が兵力200ってことはさすがにないとは思います。少なくとも500、多くて五千近い兵力があってもおかしくない。描かれてないけどwww

攻撃側は、守備側より多くの兵力が必要になるというのはよく言われること。古代中国では、攻城の際には少なくとも守備側の10倍の兵を揃えろと言われます。もちろんそれはお互いが同じような武具や戦術の場合であって、これが古代地中海世界だと、ギリシア人にしろアレクサンドロスにしろローマにしろ、優秀な戦術をとる軍隊の場合、敵より少ない兵力で蛮族に包囲攻撃をかけてる場合もよくあるので、一概には言えないわけですが。

今作に関しては、明らかにゲール族より帝国軍のほうが装備も訓練も戦術も上なのだろうし、あれだけの兵力を持っていながらなかなか動こうとしなかったガイウスに元老院が疑いといら立ちの目を向けるのは、しごく当然のように思えます。ガイウスが恐れているのは何なのだろうね。魔王か、それとも秘密を知ったら云々って話なのか。まぁなんにせよ、前回の叱責を受けてすぐに強引な作戦を発動せずに、慎重かつ確実にゲール族を追い詰めようという戦術をとるガイウスは、やはりなかなかやり手の将軍なのかもしれないという印象は受けます。



さて寄り道が長くなったw こういう話って大好きなのでw

帝国軍の戦術なんてストーリー上はホントどうでもよくて、今回はアロウンたちがアンデッドの前に大苦戦するという場面が描かれればいいという話なんですね。そしてあの死人たち、動きは緩慢だがいくら攻撃してもいっこうに倒せない。あらかじめ妖精のチカラが奪われてあったり、引き上げようとする瞬間に道がふさがれたりと、いい感じでじわじわ追い込まれていく様子が描けていました。スィールたちのいう、前の大戦で戦ったというセリフも、いつも元気な彼女らの「そんなの勝てるわけない」という絶望的な発言につながる、いい説明挿入。ただ、オガムが、こいつらには剣や弓が効かないって話をするタイミングがあまりにも遅いよねw

これまで意外とのんきな印象の強かった作品だけに、いきなりアロウンが死んでしまうかもしれないという設定を持ち出されても、いまいち緊迫感に欠けるなぁ。それにオガムのなんとかっていう魔法も見たかったし、「しばらく使えない」ってのがどれくらいの期間なのか謎ですが、アロウンが死ぬよりはよほどマシなんじゃなかろうかって思ってしまう。こういうところの描写が、脚本段階でもうひとつって感じだった。

しかしながら「カンディド」の魔法は、これはこれでインパクトがありました。見た目の派手さは前回のファイヤーボール(?)のほうが上だったと思うのだけど、オガムの説明を聞いているうちに「なんで魔王なのに神聖魔法が使えるの?」という疑問が生じるように持って行ったのはうまい。前回の壁画のときの伏線が、まだよく明らかにされてはいないんだけど、ここでひとつうまく機能させることができていた。


さてこの魔法がきっかけになってアルサルの記憶が呼び起こされるわけですが、前述しましたがここは逆に伏線が足りなくて、見ていて置いて行かれた場面。彼が、憎悪とトラウマと誓約の義務感とでがんじがらめになってく描写は見事でしたが、展開が急すぎていまいち感情移入しきれなかったのが大変残念。演出もよかったし、声優の演技もすごくよかったので、かなりもったいない展開でしたね。うーん。

帝国兵の話では、主人公のアロウンは当然死んでなかったわけだが、アルサルが逃亡っていうのは気になります。罪の意識で自分を抑えられなかったんだろうなぁ。次回タイトル見る限り、次回でアルサルが自身の気持ちに決着をつける展開になりそうなので、今回が消化不良だったぶん、次回でしっかり挽回してくれることを願います。


また、次回はどうやらいよいよ決戦のときを迎えるようで。これが見たかったんじゃ!w 投石機キターー!

次回の感想も、戦術に関してかなり暴走した記事になると思いますww






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この記事へのコメント

2009年07月14日 02:22
こんばんは、いつもTB等でお世話になっております。
「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」の管理人のピッコロでございます。
記事とは関係のないコメントで大変失礼いたします。


今回、「今期終了アニメの評価をしてみないかい?5」という企画を立ち上げましたので少し宣伝させてください。


この企画は、前期終了アニメ(6月終了)をブロガーの皆様に点数で評価して頂き、その平均点を算出するという企画でございます。
最終回まで視聴された作品のうち幾つでも構いません、もしこの企画に賛同して頂けるのであれば是非参加してくださいませ。

詳しい投票方法等については以下の記事に書いておりますのでご覧ください↓

http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51269734.html


宣伝大変失礼いたしました。今後も色々とお世話になると思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
おパゲーヌス
2009年07月14日 20:00
>ピッコロさん
このような弱小ブログにまで声をかけてくださって、大変光栄です。ぜひ参加させていただきますね。

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