化物語 第8話「するがモンキー其の三」

神原駿河編完結。なんというかもう、圧倒されっぱなしだ。


アバンから神原の過去が明かされる展開。いつもなら阿良々木の独白シーンなのだが、羽川の声(だよね?)がかぶさっていたのは何だったのか。出番のない彼女にセリフを、というのと、最初から視聴者をドキドキさせようという演出上の意図は分かるのだけど、他に何か意図があったのか、現時点では不明。原作の読者ならなにか気づくところがあったのだろうか。それともアニメオリジナルな演出上の仕掛けだったのか。



今回の話はとにかく、要所要所で胸にグサりとくるセリフや演出があって、その衝撃に畳み掛けられるような展開。スタイリッシュで爽やかなOP映像の最後に衝撃的な映像を挿入してきたりするのがいい例だ。また猿の手に願った内容の表と裏の話もそう。神原の心を次々とえぐっていくような忍野の推理と、それによってどんどんと状況が悪化していく展開は、セリフ回し、テンポ、映像表現すべてにおいて、見る者の心を高ぶらせ、化け物と阿良々木の戦闘シーンへとつないでゆく絶妙な演出。 


そしてグロ描写の極まるアクションシーン。ここでの文字を使った映像表現は、賛否両論あるだろうと思うのだが、絵そのものを映す時間を極力削りながら、なおかつインパクトを持たせるための上手い工夫だったのではないかと思った。内臓を掴んで振り回したりする描写などで気合いの入った作画を見せてくれていたが、あのクオリティの映像を、字とか使わずにちゃんと描いて見せるのは労力的にも大変だろうし、グロの苦手な視聴者への配慮もあったのかもしれない(いやそんなことは無いと思うのだけど、一応w)。作風はまるで違うが、「ぱにぽにだっしゅ」でシーンやカットの合間にイラスト絵を挿入していたのと、技法としては通じると思う。

それと部屋の空間の描写などはやはりデザイン性を重視した描写。無意味に机が山積みになっていたり、血や内臓も含めてシンプルな色使いをしてみたりと、赤色と黒色でグロテスクに描写されるのとはまたちょっと違う意味でインパクトがある。また、扉が開いているときは部屋が真っ暗に、扉が閉じているときは真っ白に描いてあったのも面白い解釈の描写だと思った。

もちろんここの場面は沢城みゆきの演技が光る。上手い声優は、劇に魂を吹き込むなぁというのを、改めて実感した。




今回の怪異の対処方は2種類あるという話で、阿良々木が殺されるか、腕を斬り落とすかの2択を迫られるわけだが、阿良々木自身が怪異を撃退するという第3の選択肢を選んだように見えて、じつは阿良々木が自分の死を覚悟して第1の選択肢を選ぼうとしていた。けれども忍野は結局うまいこと第3の選択肢を実現させてしまったということで、視聴者の視線をあっちこっちへ振り回していた。しかもOP映像で戦場ヶ原が神原を斬り裂いていたような絵があったので、じつはひたぎは神原の腕を斬り落としに来たのではないかとも思わせていた構成。見ていて最後まで、彼女が神原の腕をスパっとやっちゃうのではないかと思ってドキドキしていた。

これは、もちろん最終的に悪魔退治は見事成功して一件落着するわけだが、そのドラマ展開が、「アニメ(小説)だから、当然、主人公に都合のいい終わり方になった」と思わせないようにするための工夫だろう。




ところで、願いの分だけ魂を吸収して成長するという悪魔の手の設定だが、もしここでめでたく(?)阿良々木を殺していたら、神原は全身毛むくじゃらになって、人としての存在がこの世からなくなってしまうのだろうか。悪魔は去ったが左手は獣のままというのは、彼女の罪業の証だ。怪力で便利だと気丈に振舞っていたが、その心に与えた傷の大きさを、元通りにならなかった猿の腕が、よく象徴していると思う。



また、戦場ヶ原が阿良々木に語ったセリフは、しっかり「其の一」で敷いた伏線を回収したカタチとなっていて、相変わらず今作の構成の上手さには感心する。しかし、「上は洪水、下は大火事、なーんだ」「答えは神原駿河の家」という謎かけの意図が、まだちょっとよく分かっていない。もう一度駿河編を見直してみて、よく考えようと思う。それとも、もっと後になって回収される伏線なのだろうか?あるいはただの言葉遊びだったとも取れるけれども。。。こういうところでも、本当にこの作品は迷宮のようだと実感させられる。



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※追記(2回目視聴時)

冒頭の回想シーンだが、改めて聞いてみるとなんか羽川だけじゃなくみんなでしゃべってるように聞こえてきたw ていうか羽川いなくて、戦場ヶ原と神原の声がかぶさってるのかな。あぁもう全然分からん。あぅー。
プロの声優ファン(どんなだw)なら、このシーン誰がしゃべってるのか、聞き分けられるのだろうか。

それと、サブタイ直前の文章を頑張って読んだ。書いてあることは忍野のセリフとあまり変わらないが、やはり願いがかなうと(毛むくじゃらになるかどうかは別として)やはり体を乗っ取られてしまうという話だった。ただ勘違いしてたのだけど、今回阿良々木を殺したいという願いは2つめの願いで、かなえられる願いは全部で3つということでしたね。

さすがにテレビ放送を一回見ただけで記事を書くと、いろいろ気づいていない部分があるなぁ。

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この記事へのコメント

2009年08月30日 17:22
おパゲーヌスさん、はじめまして。
独り言の日記の管理人をやっていますアキと申します。

この度は、相互リンクのお誘いありがとうございます。
もちろん大歓迎ですので、さっそくリンクに追加させていただきました。

これからもお世話になる事もございますが、よろしくです。

さっきは、掲示板の方でどうもです。
私も、そういえばついさっき、こちらのブログにTB送ったばかりだな~と、少々びっくりしておりましたwww

お互い長く続けられるように、頑張りましょうね。

では^^
おパゲーヌス
2009年08月30日 17:40
>アキさん
どうもありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。

記事へのコメントだとどうしても1対1の受け答えになってしまいますが、掲示板という形でブロガー同士を結び付けてくださった大日本技研さんには大感謝です。また掲示板やTB、コメントでもお世話になるかと思いますが、よろしくお願いしますね。

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