CANAAN 第9話「過去花」

過去の話。花の話。花の名に託した被験体と、その種をまいた業深き造園者たちの話。
だんだん物語が佳境に入ってきた。なんか批判の多い脚本だけど、いまのところ自分は高く買っている。



ユンユンが本格的に再登場ということで、彼女のファンは大歓喜の回だったろう。冒頭からおかしな声真似を聞かせてくれたりして、笑わせてくれる。ハッコーが何を怒っていたのかがイマイチよく分からないのだけど、しかしこの娘一人加入したってだけで、こうまで雰囲気が変わってしまうというのはすごい。しかし、ユンユンの笑顔を見るとどうしても涙腺が緩くなってしまうね。この、笑いと悲しみの両極端の要素を違和感なく抱え込んでいるところが、ユンユンの人気の秘訣だろう。もちろん自分も大好きだ。





命を諦めるということに対してカナンが反応していたが、ぎこちないながらもマリアの影響を受けた考え方をするようになってきた。前回の記事では、殺人等に関する思想面の話がうんたらと書いたのだが、カナンもマリアも頭で考えるより感情で動くタイプなので、彼女らの思想を表現するというのは非常に困難な作業だと思う。


よそのブログを見させていただいても、今作のストーリー展開や脚本に関して、ピンとこないというか、いまいち評価が得られていない場合が多く見受けられるのは、まず主人公たちのキャラクター自体が、今作のテーマを扱うのに向いていないタイプだというのが大きいと思う。とくに脚本において、カナンたちをどう動かせば作品の根底にあるテーマを伝えられるのか、大変苦心しているような感じだ。しかも作風からして、抽象的で小難しいセリフを並べているというのも、余計に視聴者を置いてけぼりにする結果になっている。


自分は、視聴者に、ただ漫然とアニメを見ることを許さず、あえて難しい言葉を並べて「考えさせながら見せる」というやり方は、たしかに人を選ぶものの、決して間違ったやり方だとは思わない。今期視聴している「亡念のザムド」もそうなのだが、劇中の会話を高度なものにしたり難解なものにすることで、考えようとしない、あるいは考える力のない視聴者を切り捨て、対象を絞るという狙いがある。エンターテイメントとしては是非が問われる態度だが、作品に少なからぬ芸術性を追求しようというときには、どうしてもそうせざるを得ないだろうし、効果的な手法だ。


もちろん、その手法が成功するかどうかはまったく別の問題であることは言うまでもない。その点、今作は、まだ物語そのものの全体像も、またそこに込められたメッセージ性もあまり見えてきていないので、ちょっと評価がしづらいというのは事実である。第9話にしてまだその段階にとどまっているのは確かにもどかしいが、それが失敗に終わるか、それとも作品が完結した暁にはちゃんと意義のある構成になっているか、注目すべき点だ。



今回はまだはっきりとは見えていないが、アルファルドが何を考えていて、それをカナンやマリアたちがどう受け止めるのかというのは、テーマ性を見極めるための重要なポイントだ。前回も蛇という組織、なかんずくアルファルド自身の目的が何かということで、ちょっと普通のテロリストとは違うぞということが(大変分かりづらいながらも)ちゃんと語られていた。今回はそれに加えて、リャン・チーを殺そうとしたり、ファクトリーを破壊するとか言ったり、あるいはシャムと同じ色をしていたりと、やはり「ただの敵役とは違う」風の描写だった。もちろん伏線ばっかで訳ワカンネェっていうのが正直なところなのだが、それでも、今作のテーマ性をしっかり描ききってくれるかもしれないという期待を抱かせる展開ではあった。




今回のコンテは西村純二。いい仕事でしたね。たしかコンテとかでこの人が参加したのは今作では初めて?スタッフロールはあまり細かく見れてないので、他の部分で名前があったかどうかは覚えていないけれど。


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