ティアーズ・トゥ・ティアラ 第18話「帰還」

ひとつの戦いの終わり。ひとりの英雄の死。そして、ひとりの王と、その王道のはじまり。近頃は神回つづきの今作ですが、今回はまた傑作エピソードでした。



冒頭はオクタヴィアとモーのしんみりとした友情シーン。なんだこの百合は!カッコよすぎるwww
しかし彼女らの表情は堅い。敗色濃厚の戦況の中、他人には聞かせられないような弱気発言まで飛び出し、いよいよ絶体絶命の最終決戦がはじまるという予感をうまく伝えられていた名シーンでした。


終始、戦闘ばかりの回ということで、作画はじつに気合い入っていた。オクタヴィアとモルガンのコンビも相変わらずだけど、スィールもようやくまともな見せ場があったし、ガイウスとアルサルの一騎打ちもすさまじい迫力だった。また、そうやって各キャラクターの見せ場をきちんと描きつつも、大軍同士のぶつかり合いのようなシーンは、カメラワーク等をうまく使って、不自然に見えない程度に労力を省いてあったように見えた。たとえば帝国軍が整列するシーンで、、兵士の列を横ではなく奥に伸びているように映していたのは、描写しなければならない人間の数を減らしながら、それでいて多くの人間がそこにいるという実感をもたせる、上手い描写だった。またブリガンテス族の援軍が到着したあとも、彼らにはもっぱら城壁から弓矢での攻撃に専念させ、あまり一般兵同士の白兵戦を描いていなかった。代わりにメインキャラクターがすごくいい動きをしていたので、全体の印象としては手抜き感がまったくなかったと思う。TVアニメという媒体で、このような大規模な戦闘を描くうえでの、いいお手本になるのではないだろうか。




さて本編。最初の城壁を突破し、第二城壁へと攻撃をかけるガイウス。破城槌の威力は絶大で、ゲール族はさらに後退を余儀なくされてしまう。いよいよ宮殿(?)に立てこもり、後がなくなったところで、ブリガンテス族を率い、オガムとも合流したアルサルが登場!このあたりの流れは分かっていても熱くなるいい展開だった。


タリエシンが、ブリガンテス族は短期戦に向いているという発言。これは古代世界では蛮族の特徴でもある。ポリュビオスなんかを読んでも、全身を覆える大きな盾をもったローマ兵と、時には裸にさえなるガリア兵との装備の差が指摘されていて、体格も戦闘意欲も高いガリア人がローマに次々と敗北していった理由として挙げられています。今作でも、全身を鎧かぶとで覆っている帝国兵に対して、ゲールやブリガンテスの装備は軽装で、せめて帽子くらいかぶったらいいのにと思うけれど、史実と照らし合わせたら、胸当てをつけてちゃんと服を着ているだけでも、蛮族の装備としたらずいぶんとまともなんですよねw


ところでひとつ気になったのは、ガイウスは後方に無頓着すぎますね。前に「ブリガンテス」の回で、ゲールとブリガンテスが接触していたことは分かっていたはずで、一応斥候くらいは放っておいてもよかったんじゃないかと思った。そうすれば、あれだけデカい声で叫んでいる援軍の存在を知ることはできたはずだし、一部の兵力をあらかじめ第一城壁に配置しておいて、彼らの攻撃を有利な地点で防ぐこともできたはず。しかし念願の勝利を目前にした指揮官特有の慢心が、ガイウスにも表れたというべきか。ともかくアルサルの援軍は城内に突入し、また絶妙のタイミングでオクタヴィアたちが呼応したおかげで、一気に形勢が逆転してしまった。何とももったいないというか、お粗末な展開になってしまったなぁ。

まぁ今回でこの戦いにケリをつけるという構成ならば、敵さんがヘマをしてくれないといけないという都合もあったわけですが。


あまり広くない空間で、大軍が身動きとれなくなって混乱してしまえばもう一巻の終わり。カンネーの戦いでハンニバルがローマ軍を破ったのがいい例ですね。そこで、そうなる前に敵の指揮官を打ち取ってしまえというガイウスの行動は、腕に覚えのある武将なら至極当然の判断か。ただあそこはちゃんと護衛兵連れて行けって思いましたがwもちろんアロウンも、いくらアルサルを信じてるからってちょっと軽率すぎるなぁ。

しかし、当初は大きな兵力をもって始まった戦いが、最終局面で指揮官同士の一騎打ちに収束するという展開は、空想ならではのご都合主義的展開とはいえ、じつにドラマティックである。ましてや今回の戦いは、アロウンによるアルサル育成計画(笑)が発覚し、またガイウスが自分の運命に気づくという大変な展開を見せるのが主題であったので、こういうドラマの運び方は大正解ですね。


ガイウスが倒れるシーンはじんときた。彼が最後に、「もっと違う出会いがあったかもしれない」云々と語っていたのは、そのままオクタヴィアとリディアの図を連想させるセリフ。しかし、友情と平和(身近な意味での)を求めていたオクタヴィアたちと、もっと大きな理想を胸に秘めていたガイウスとアロウン(と、分かってないけどアルサルも)の関係は、だいぶ趣が異なる。前回の記事で「王道」という言葉をどう視聴者に伝えるかが問われるだろうと書いたのだが、今回、アルサルのいう「友」、ガイウスのいう「寛容」と「自由」というそれぞれが掲げるキーワードで、「王道」の意義の一端をうまく提示できていたと思う。もちろん今後、アルサルを王に育て上げる上で、何度も問題にされるテーマだと思うので、今後のアロウンやオガムの教育に注目w



しかしせっかくいい終わり方して、デキムスの感動的な見せ場もあっていい回だなぁと思ってたところで、最後に新たな敵を見せるのは、仕方ないのだろうけれど実に感動のぶち壊しである。しかもなんか人間じゃない口ぶりだったし。前にアルサルの回想シーンで出てきた、オヤジ殺しの犯人って、アロウンじゃなくてこいつでしょうね。世界を再生するとかそんな計画を口走ってたし、典型的な悪役キャラっぽい。オガムの因縁とも関係あるんだろうなぁ。


次回はまた、ゲールの面々ののんきな姿を拝めそうです。


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