CANAAN 第10話「想執」

愛する者の喪失。愛する者への執着。想いは人をとらえ、枷となる。その枷を取り去るのもまた、人の想い。



CIAと蛇との繋がりの証拠を掴み、人体実験の悲惨さを告発することが、サンタナにとっての贖罪だという。ここでは非道な権力への怒りと、それに与していた自分への怒りがあったのだろうが、しかし後の語り口を見るに、CIAを貶めることによる報復が目的ではなく、自分が傷つけ苦しめた人々を救うことこそが贖罪と考えていたようだ。


1話の時点で出てきたアンブルームたちのことをすっかり忘れていたのだけど、あれはサンタナたちが逃亡を手助けしたのだった、という種明かし。いまさら感が強いが、説明が無いよりは全然マシか。


閉じ込められていたアンブルームたちがゾンビみたいになってしまっていた時点で、サンタナの言う贖罪はほぼ達成不可能という状況が明らかになってしまう。もちろんユンユンやハッコーをはじめとして、少なくない人数のボナーがまだ救われずにいるわけで、彼らのためにも決して退くわけにはいかないのだが、しかしサンタナが本当に許して欲しかったのはハッコーただ一人。彼女の愛だけが、サンタナにとっての救いだ。


そんなことをすべてお見通しといった様子のリャン・チーの、あまりの非道っぷりに胸が締め付けられる。ここまで徹底して悪役に描かれているキャラはなかなかいないのではないだろうか。あえて言うならバイキンマンレベル。自身の持つ負の感情にどこまでもこだわり抜き、それに酔いしれ、相手が精神的にいちばん傷つくやり方を考える。手に余る力を振り回す子供の図であり、その醜さや狂乱ぶりは、描写の上で「敵役としての美学」を持っているアルファルドとは対照的だ。

「壁からビームがびびび~」とかしゃべっていたリャン・チーが、なんだかハルヒに見えたw





ところでいまさらなのだけど、ウーアウィルスって、一度発症したら、その人から他の人へ感染することはないのかしら。たしか前は空気感染するとかなんとか言ってたような気がしたけど、ちょっと記憶があいまいだ。それとも、これ以上感染しないよう手を施されたのが、アンブルームやボナーになるのか?もしかしたらすでに説明があったかもしれないが、聞き逃したかなぁ。






サンタナを失ったハッコーが、半ば精神錯乱に陥って声を発する場面。リャン・チーが謎な装置で、ハッコーの声がカナンにだけ効果を発揮するよう仕向けていたが、あそこは、カナンを殺したいわりにはリャンの取った手段に疑問が残る。自分は音の届かないところにいるんだから、装置を起動させずとも、そのままにしておけばカナンを殺せただろうに、なぜミノさんだけ助ける必要があったのか。当然ここは、ハッコーの声が打ち消されているところに自分が乗り込んで、声に苦しんでいるカナンにとどめを刺しに来るものだとばかり思っていたのだけど・・・?


今回はミノさんの色とハッコーの色が混ざり合い変化する感動的なシーンを描きたかったために、リャンの出番を次回にとっておこうということだろうか。もしハッコーが声をまた封印した後にノコノコ出てきたりしたら、リャンの立場がまぬけすぎる。カナン大ピンチの絵を見せたいのなら、リャンが登場して、ハッコーを止めないとカナンが負けてしまうという状況にした上で、ミノさんがハッコーを抱擁するという展開のほうが、盛り上がったろうに。


もちろん次週の展開をちゃんと見ないと、ここだけ見て判断していても何にもならないのだけど。





マリアとユンユンは不思議な空間に迷い込んでいた。ぬいぐるみ意味ねえww


あそこは、直接的な描写がなかったけれど、氷の上に花が咲いていて、その氷の下に人間が埋まっているという状況でOK? 夏目がどう関わっているのかとても気になる。


夏目も、サンタナと同じく、贖罪という言葉を使っていた。しかしカナンの口ぶりからすると、サンタナとはまったく違う意味での贖罪か、あるいはそもそも贖罪なんてまったくの嘘っぱちであるようだ。サンタナは彼女をNGOの人間だと説明していたけれど、当然何かもっと裏の設定があるのだろうが、それは次回明らかになるのか。




次回サブタイは「彼女添」でシーソー。とうとう英語で当て字しちゃったよ。なかなか上手いこと考えるなぁ。キザっぽいと思われる場合もあるだろうが、しかしほぼ毎回、ちゃんと意味のあるタイトルになっているのは評価していいだろう。「呉れ泥む」とか、見事なセンスだと思ったなー。

次回はアルファルドも本格参戦?そろそろ作品のテーマをバシっと提示してくれるとかなりすっきりするのだけど、どうなりますかね。前回ちょっと衝撃的だった「カナンの本当の名は絶望」というセリフも、今回はあっさりスルーされてたし。ちょっとあれはもったいない。



にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2009年09月06日 20:37
おパゲーヌスさん、はじめまして!
うたかたの日々のSIGERUといいます。いつもカナン記事にトラバいただいて、ありがとうございます。
カナンは、何だか人気を落としているみたいですね。
まあ、終盤近くになっても思わせぶりな伏線をばら撒きまくりだしね。ちょっと設計ミスかな、という気がします。好きなことには変わりないのですが。
プロフ拝見しました。私も海外文学、読みます。ロシアとかドイツは肌に合います。日本人の特性でしょうか。
アニメもかなり長く視聴し続けていますので、もう体に入ってしまったという感じです。
これからも、よろしくお願いします♪
おパゲーヌス
2009年09月06日 21:32
>SIGERUさん
はじめまして、こちらこそいつもTBでお世話になっています。コメントどうもありがとうございます。

カナンの人気については、たしかに記事へのアクセス数は減ってきてるし、各所のブログでストーリーに批判的な意見が多く見られるのはとても残念です。以前の記事で、とくに脚本やテーマ性について再評価をうながすような記事を書いているつもりなのですが、まぁ影響力なんてほとんどないウチの記事では、自己満足に過ぎません^^ 設計ミスかどうかは、今作に関しては終わってみなければわからないので、もどかしいけど、そういうものだと思って見る作品だと考えています。

プロフまでご覧になっていただけたとは光栄です。自分はアニメより文学のほうが好きで、しかしアニメも文学と同じレベルの芸術に進化できるのでは、という想いでアニメを楽しんでいます。

これからもTB等でお世話になるかと思いますが、こちらこそどうぞよろしくお願いします。

この記事へのトラックバック