ティアーズ・トゥ・ティアラ 第23話「パラディウム」

いきなり敵の本拠地に攻め込んじゃってるゲール族。戦略描写が滅茶苦茶で、しかも肝心の会戦シーンがアバンでの描写だけでばっさり切られてしまってたのは残念の極みだが、TVアニメとしては、労力的にこれが限界なのかな。。。


しかし、アロウンとアルサルが再会し、ともに戦う決意を確かめ合ったシーンでは、BGMが神懸っていて最高に感動した。今作のBGMは、しっかり王道ファンタジーらしい名曲が揃っていて、その壮大さや、異郷的な雰囲気がとても上手く醸し出されていて、じつに素晴らしいと思う。





さて本編についてだが、残念だけれど今回ばかりはちょっと評価できない。


まず戦略描写の甘さが指摘される。パラディウムというものが、どこにある、どういう施設で、なぜここを攻略すればすべての戦いに終止符が打たれるのか、何の説明もなかった。原作を知らない自分にとってはとても不親切に映るし、盛り上がりに欠ける。パラディウムを攻略することの意義(例えばここにラスボスがいる、だけでもいい)が一言でもあれば、それだけで、パラディウム攻略戦の重要さを実感として受け止めることができたはずなのだが、なぜその一言を挿入しなかったのか。


また、すでに帝国のアルビオン方面軍を打ち破ったとはいえ、敵の最重要拠点に攻め込んでいるのに、帝国軍の組織的な抵抗がまったく描かれないのも不満だ。今回戦ってたのはモンスターばかりだったし。あるいは白の精霊の策略で、帝国がとっくに瓦解してしまっているということも考えられるのだが、どちらにせよここも描写が明らかに不足している。


映像から察するに、このパラディウムという場所はやはりラスボスが支配していて、精霊に味方する(あるいは操られている?)人間どもが管理しているのだというのは分かる。またここに巨大なオベリスクがあり、それがグラヴィタスを生み出す装置だろうというのは分かった。ただ、この施設は街や城塞の類ではなさそうで、神聖帝国との直接的な関連性はあるのかないのか分からない。元老院や皇帝の住居などはもっと他の街にあって、そっちが帝国の首都としての機能を果たし、パラディウムはまったく別の土地にあるのではないかと推測される。




戦略描写のお粗末さという点で、パラディウムの門外にかなりの人数の兵士が描写されていたのに、パラディウムの中に入る時は軍勢を引き連れず、主要キャラによるRPG的展開になってしまったのが、一体なぜなのか、展開に整合性がなかったのもはなはだ不満だった。RPG展開を描きたいというのは分かるし、作品としてそういう方向に転がすのは別に構わない。ただ、そういう状況になるための必然性がまったくないのは良くない。どう考えたって何百何千という軍勢で突入する場面だろう、あそこは。

パラディウムが帝国の首都の中にあったら、描写的にもっと分かりやすかったんだけどな。仮に帝国の首都を攻略しようという場面ならば、ゲール族の軍勢は帝国軍主力との決戦をやらせておいて、その隙にアロウンたちがラスボスを狩りに行く、などというような展開にできただろうに。ここは、原作の問題かアニメの問題か分からないが、あまりにもお粗末と言わざるを得ない展開だった。




パラディウム内部に舞台を映したあとの展開は、あまり上手くはなかったけれども、いちおう整合性はあったのでまだよかった。次回のことを考えると、今回はあまり盛り上げずにいたのは意図してのことだろう。もちろん、マグマで焼き殺してしまえばいいのになんで瞬間移動させた?などといった突っ込みどころはあったわけだが(※あの瞬間移動が敵の罠だったと仮定した場合)。



パーティがばらばらにされたあと、次々と状況が悪化していく展開は、それなりに手に汗握るものがあった。とくに市長クレオンと対面したモルガン&オクタヴィアのペアや、再生の大窯を前に戦慄するスィール&ラスティペアの描写は、彼女らがいい演技が出来ていて、また状況の描写も上手かったので、かなり盛り上がった。


一方でアルサル&リアンノンとドルウクの対峙は、これはちょっと残念な出来。テンポも良くなかったし、緊迫した戦闘場面のわりにはキャラの動きが鈍すぎる。セリフをぶつけ合う場面も、あるいはリアンノンが敵の痛みを受けて倒れる場面も、もっと迫真の演技を見せて欲しかったのに、絵的な魅力に乏しく、いまいち盛り上がらない。敵の策略を前にしたアルサルにはもっと怒り、悩み、苦しむ描写が欲しかった。しかもリアンノンが眠りから醒めたとき、アルサルとドルウクは何もしてなかったし。てめえら戦えよww

ここは、調子に乗ってドルウクが攻めまくり、アルサルが防戦に必死になる描写がちょっとでもないと、ドルウクの作戦が一体何のための設定だったのか分からない。リアンノンを危地に追い込んで、秘められた力の存在に気づく描写が欲しかったのだろうが、それを盛り上げて見せるための仕掛けがあまりにも弱すぎた。



前回まで、今作に込められたメッセージ性を表現するために、過去編などを中心にストーリーを展開させてきて、そのために魅力的なエピソードをばしばし削っていたのだが、そのリスクを背負ったのだから、作品テーマのほとんど絡まない今回のような話を描くときは、怒涛の展開と映像力で、視聴者にあれこれ考えさせず圧倒してくれるようじゃないと、いたずらに不満を募らせるだけだろう。毎回100%の気合いを入れろとは言わないが、明らかに質の落ちる回を終盤に1話でも挟んでしまうというのは、あまりにももったいない。




次回予告を見るに、映像的にも展開的にもなんだか凄そうな描写を見せてくれそうなので、これは期待できそうだしとにかく楽しみでしょうがないのだが、こうなってくると、今回が手抜き回だとか失敗回だと言われても仕方ないだろう。次回、本気出したとこを見せてほしい。


せっかくいままで頑張ってフォローしてたんだからさ、頼みますよ。。。



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この記事へのコメント

ヒロ
2009年09月08日 12:50
はじめまして。
原作ファンとしてちょっと内容フォローを;
パラディウムはアルビオンの最北にあり、本来はタリエシンが大量のゴルメスを発見、その際パラディウムも発見しております。
ここで、帝国が出てこないのは、ゲームではすでにアルビオンに関しては帝国を追っ払いアルサルが王になっているからです。
また塔内部への攻略前に、この中に入ったら生きては出られないだろうと予測したアロウンがゲール族の皆さんを「勝利した!凱旋だ!」と先に帰してます。
溶岩も、転送装置で上へ移動しようとしたらトラップとして溶岩が上がってきてたのですが……。
本当に改悪が多すぎですね。
わりと寛大にみてきたつもりでしたが今回はほんどにションボリでした。
おパゲーヌス
2009年09月08日 13:10
>ヒロさん
どうもありがとうございます。原作ではどうなっていたのか気になっていたので、フォローいただいて大変有難かったです。

改悪というか、端折り方が悪かったようですね。今回に限っては脚本家の責任が大きそうな感じですが、ここまで端折ることになってしまったのは、序盤の展開がゆったりしすぎていたのが原因のひとつなのかな、とも思います。ストーリー構成のミスでしょうね。

これまで高く評価してきたつもりだっただけに、ちょっと残念すぎましたが、次回以降挽回してくれることを期待します。つたない記事ですが、また見に来ていただけたら嬉しいです。

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