東京マグニチュード8.0 第11話(最終話)「悠貴へ・・・」&シリーズ感想

なんかすごく楽しみなんだけど、すごく見たくないというジレンマがある。


前回、悠貴の死と直面し、それを受け入れた未来の前に、再度、悠貴が現れる。まさかもう出てこないだろうと思っていただけにさすがにビックリしたのだけど、しかし未来は最初から最後まで、悠貴に手を引っ張られ、背中を押されて、ここまで歩き続けてきたのだなぁと実感させられる。

その悠貴によって、母がちょうど帰宅する時間に家に連れて来られるといのは、まったくの偶然を装った必然であって、前回の、家屋崩壊の危機から脱したシーンと同じように、人の想いが紡ぐ奇跡を描いて見せたシーン。母と未来の再会を見届けて、これで使命を果たしたと満足そうに消えていった悠貴の表情が、大変印象的だ。


未来がいつまでもぼーっと過ごしていたのは、悲しみを乗り越えられなかったというのもあるが、今まで悠貴の意思によって歩き続けてきた未来が、その原動力を失ってしまったということでもあるのだろう。Bパートは、そんな悠貴の一歩一歩を懸命に踏み出して歩いていた姿を思い出した未来が、今度は自分の足で歩く決意をするということで、オーソドックスだがじつに清々しい、いい幕引きだった。




悠貴が倒れてしまってから以降は、完全に、未来の成長を描くドラマに方向転換していた今作は、終わって見ればじつに印象的でいいお話だったなぁと思うのだけれど、しかしリアリティを追求した地震アニメとしては、その作り方に激しく疑問が残ったのは事実だった。


やはり、第2話以降、地震の恐怖や悲惨さを、あまり上手く描けていなかったというのは大きかった。第2話の記事でも書いたが、危険が否応なく迫ってくる描写よりも、自ら危地に飛び込むなかであまりにも都合よく危険物が狙い澄ましたように落下してきたりとか、そういう描写のほうが強く印象に残ってしまったのは、災害の描き方としても、またドラマの面白さという意味でも、失敗だった。橋が落下したり東京タワーが倒壊したりといったシーンはたしかに戦慄させられたが、そういう災害の怖さをもっと細かい部分でも見せてくれなければ、ドラマとしての緊張感も保てていなかったし、地震に対する注意の喚起という目的も果たせていなかったのではないかと思ってしまう。リアリティ不足という意味では、モブの描写も大いに不満があった。


中盤までがそういう感じでぬるい描写だなぁと思っていたのが、悠貴の死をインパクトを持って描くためにわざとやっていたのでは、という推測も成り立つかとは思うのだが、あまりその線は採用したくない。前半、もっと深刻な描写があれば、なおさら3人の結束と信頼関係を深く描くことができるわけで、中盤までのぬるさは単純に災害の描写力不足だったと思う。



一方で、「家族との絆」をメインテーマに据え、苦難を乗り越える中でヒロインの成長を描くことになるのだろうというのは、第1話の時点ではっきりと提示されていたことだった。そしてその目的のみに関して言えば、終盤から最終話にかけての展開は見事だったと思う。ただやはり最終話においても、復興に向かう街や人々の様子をもっと丁寧に描いてくれたほうが、未来の成長をより効果的に見せることができたと思う。タイトルやスタンスに反して、地震の存在をほとんど意識させず、悠貴の思い出を見せて涙を誘う描写に終始したのは、やはり羊頭狗肉と言いたくなってしまう部分。まぁ、さんざん泣いてたくせにこんなこと言うのもなんですがw



そういうわけで、全体的な感想としては、すごく良かった部分と、すごく残念だった部分が両方とも目立ってしまった印象。まぁ、第2話以降がっかりだと思っていた割には、終盤の展開でだいぶ株を上げたのは大健闘だったと思うし、正直、さんざん心を揺さぶられ涙を流すことになったという点では、高く評価したい。



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この記事へのコメント

ゆ~さん
2009年09月20日 22:48
ホントに家族の絆みたいなものを感じさせられた作品でした^^;
自分はアニメで久々にマジ泣きしました;;凄い心の温まる作品だったのではないかと思います^^;実際地震に関しては自分達にも起こる可能性があるので。現実を想像しながら観てたら;;こんなでしたww
おパゲーヌス
2009年09月21日 00:28
>ゆ~さん
それはなによりだったと思います^^
自分はけっこう涙腺がゆるいほうなので、「つまんねーなー」と思ってても泣くときは泣きます。ましてやこんなん見せられたら、相手の作戦にハマってるだけだと分かってても、さすがに耐えられませんでしたw

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