宙のまにまに 第12話(最終回)「星空ループ」&シリーズ感想

一番、最終回を見たくないアニメだった。うぅぅ。。。


しかし、今回の構成はすごいね!OP無しカヨって思ってたら、温泉だけでAパート使い切りやがったwww

まぁ5分もないパートでしたけど。んでBパートも5分弱で、なんと開始10分ちょいで3度もCM挟むという超展開。そのぶんCパートが本編ということでしたが、こういうとき、CMを挟まないといけないテレビという媒体が恨めしく思えますね。



温泉シーンは、会話やポーズはともかく、絵柄や雰囲気はあまりエロを強調しない、健全さあふれる描写。むしろ男湯に平然と顔を出す美星の清々しさは、今作がこれまで、セックスの問題を極力視聴者に意識させないよう配慮してきた努力の、最たるものだろう。ことさらリビドーを刺激してくる描写が多い深夜アニメにおいて、このスタンスの貫き方は見事だと思う。


一方で、絵的には全然エロくないのに、なぜかエロい空気感満載のBパートは、今作としてはかなり異例の方向。今回はドラマ的な意味では、二人のラブロマンスがクライマックスといってもいい部分なので、ここは作風を崩してでも、気合いを入れて描いてきた感じだ。ここは声優の演技も光る部分。

っていうか部長うらやましすぎる。。。ただのネタキャラだと思ってた人なのに、ほとんど主役級の扱いじゃないかw



めいっぱい尺を取っていたCパートは、もうドラマチックな展開は完全に抜きにして、とにかく星の鑑賞を楽しむ様子を描き切って見せた。コメディもオマケ程度で、また大袈裟な感動描写もあえてせず、あくまで普通に天体観測をしていたが、こういうシーンはシリーズ中初めてじゃないかな。


今までは、ドラマの盛り上がりと星空の描写を重ねることで見る者の心を突き動かしてきたのだが、天体そのものよりも人間ドラマに主軸を置いたその手法は、そうせざるを得なかったとは言え、天体観測の描き方としてはある意味、反則だった。今回はそうではなく、さしたるストーリーも無しに純粋に星そのものを楽しむシーンを見せることができたというのは、最終回だからということもあるし、ドラマと絡めて星の楽しみ方を視聴者に提示してきた積み重ねの賜物だろう。




星空を見上げたときの感動というのは、個人差はあれ、多くの場合、人の記憶や感情を挟み込む余地のないものだと思う。どんな感情があっても、星の美しさの前にはすべてを忘れてしまえるというか。それは、宇宙というものが、人間の手の届かない、神の手による造型だからだ。ここが、人の努力の結晶を結果に反映させる類の芸術やスポーツとは、根本的に異なる部分である。


今作は、学園部活モノという範疇に括られる作品だとは思うが、しかし宇宙の「美」に、登場人物たちの努力がまったく反映され得ないという点で、他の学園ドラマと大きく異なっている。他の学園ドラマなら、努力と友情で何らかの結果を勝ち取ることが作品の主題となる部分であるのだが、今作の場合はそれができない。ちっぽけな人間の想いや行動などまったく関係なく、宇宙の美と神秘は厳然と存在しているからだ。


そこで今作の場合は、その星空の美しさに「気づく」という行為に関して、一般的な学園部活モノの手法を踏襲していた。しかしそれは、先ほども述べたように、星空の美しさと関係ないドラマで視聴者を引き付け、盛り上がらせておいて、星空を映像演出上の道具にしてしまうという点で、反則であり、冒涜であった。我々視聴者としてはそれでも十分楽しめたので全然構わなかったのだが、しかしそんなドラマなど無くとも、星は、宇宙は、こんなにも美しく、人の心を大きく突き動かすものであって、いままでの手法は反則だったのだと、あえて提示して我々に気づかせてくれた。それが、今回の天体観測シーンだった。


当然そこには、本物の星空を見上げて欲しいという作り手の強いメッセージが込められている。ラブコメだけなら、どんな題材でもいくらでも見せられる。今回はたまたま星をテーマに据えたよくある青春ドラマだったのだと、そんなことを視聴者に思われてしまうことが、この作品の、ひいては星空そのものの魅力を失墜させてしまうことにつながってしまうと考えたのだろう。そこで、ドラマは脇に置いておいて、きちんと本物の星を見上げて欲しい、そこにはこんなにたくさんの魅力と感動が詰まっているのだから、というメッセージを、なんとかして作品として表現しようとした。その真摯な態度が、よく伝わってきた最終回だった。


この12話のアニメーションで、作り手の意図はかなり達成できていたと思う。作り手の強い想いと確かな力量、そして細心の注意を怠らない丁寧さがあって、素晴らしい作品に仕上がっていた。





宇宙は人の想いや行動と関係なく存在している。むしろ人こそが、星の運行の影響を直接受けて存在している。その事実を、季節の星がめぐり、春がやってきて、ふたたび第1話で見せた部員勧誘シーンへループしていくという構成で、見事に表現してしまっていたのはお見事。サブタイトルもまさにここにかかってくるわけだが、天体観測によって経験した登場人物たちの宇宙観の変遷を、このシーンに集約して見せていて、ここにこの作品のテーマが込められている。



人間が広大な宇宙の片隅に生きるちっぽけな存在であるということを意識したとき、自分一人が抱えている悩みなど吹けば飛ぶようなものだと気付くだろう。宇宙を感じることは、前向きに生きるということであると思う。目の前に山積する問題に押しつぶされそうになったとき、星空を見上げて宇宙を感じてみよう。こんなささいな事が、幸せへの大きな一歩なのではないか。そんなことを、この作品を通して語りかけられたように思う。



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