ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 第6話「フロム ダスク ティル ドーン」

ここまでサスペンスなアニメって、久しぶりじゃないだろうか。やばい、面白すぎる。




・光と闇の狭間で


いよいよアキラにも知られることになってしまった、為政者・ミナ姫の闇の側面。国家を預かる者には宿命的な思考だと思うのだが、それが幼いアキラには理解されない。そこには、学生であるアキラと国王であるミナ姫の断絶があると同時に、未だ昼の住人である感覚を捨てられないアキラと、夜の住人であるミナとの断絶がある。


今回はそんなアキラが、”学生”であり”昼の住人”であった頃の自身の残り香に追いすがり、それを守ろうとするお話。ろくに考えを巡らせようともせず、自身に課せられた本分を忘れて人間たちに加勢する彼の青臭さには、残酷な結末の予兆がちらつく。




・断絶を強調する影


この作品を象徴する言葉は、”二面性”であると思う。これまではヒロインの内面における二面性が語られていたが、今回はそれに加えて、もっと外側の部分、すなわち人間とヴァンパイアという二種の生き物の対立、その両陣営の対照的な描写が、ストーリーを貫く二面性として表れていた。


その二面性を、前述の通り”光”と”影”の対立で表すなら、今回は”影”がことさら強調されたエピソードであったと言える。光が強ければ強いほど、影の闇もまた深い。




今回の映像においては、いたるところで光のあたる部分と、そうでない影の部分が目に付くよう描かれていた。光源をことさらに意識させ、強すぎるくらいの明るさを放つ光。しかしそこで強調して描かれるのは、光に照らされた明るい側面ではなく、むしろ、光の当たらない影の側面だ。極めて強い光に当てられるからこそ、一層色濃く顕現する闇の存在。それが、今回の演出における鍵となっていた。


今回は、ミナ姫の言動の黒い側面がはっきりと見えてきた。もちろんそうした影の側面というのは以前から提示されていたことだが、それがアキラの眼前に明かされたのは今回が初めてだ。ミナ姫は信用に足らない。そう結論付けたアキラは、ミナ姫と口論の末に仲違いをしてしまう。そしてアキラはミナ姫との対決をはっきりと口にし、二人の間に決定的な亀裂が走った。


そんな亀裂をことさら象徴していたのが、今回随所に用いられていた、光と影の描写である。主人公・鏑木アキラが人間側に与したという事実は、強く照らしつける光に象徴される。そして彼の視点から照射される強い光線によって、ミナ姫やヴァンパイア達の持つ影がより色濃く、はっきりと描き出される。光と影によってばっさりと大きく分断される画面は、そのまま、人間とヴァンパイア、アキラとミナ姫の、対立であり断絶だ。




・和解と共存はあり得るか


今回、いよいよ対立軸としての立ち位置が鮮明になってしまった人間とヴァンパイア。ミナ姫の計画の真意がまだまだ分からない以上、アキラも三枝由紀も、ただただ戸惑い、直感で身の振り方を決めることしかできない。ミナ姫は敵か味方か、そしてそれを取り巻く勢力図がどうなっているのか、そういった点もまったく見えてこないのが、いっそうミステリー展開の緊張感や不安感を煽りたてている。


もし今作のストーリーが、政治的に何らかの幕引きを見ると仮定するなら、そこでは当然、人間とヴァンパイアの共存の可能性が主題となることは間違いないだろう。ヴァンパイアバンドの設立が成るか否か、またそこでどのような駆け引きや理念の宣言が行われるのか、その試金石となるのが、現在進行中のエピソードになると思われる。


学園という小さな社会での対立・騒乱に対し、ミナ姫がどのように対処するのか、またその中でアキラが下す決断を、三枝由紀とともに固唾をのんで見守るしかない。




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