聖痕のクェイサー 第9話「双面のアトミス(後篇)」(販促版)

「双面の」というタイトルに、これほど悲劇的な意味が込められていようとは・・・。




・vs酸素編、決着へ


前後編(篇の字を使うのはちょっとカッコいい)に分けて描かれた、朽葉兄妹との対決。前回コメントで教えていただいたことだが、レベルの如何に関わらず、最強の部類とされるのがアトミス(大気使い)らしい。同じ気体を操るのでも、塩素がアトミスと呼ばれなかったのはそのためだったのか。


どうして大気を操るクェイサーが最強と謳われるのか、じつはあんまり納得が行ってない。武器が無尽蔵に存在していること、また流体であるために戦術の幅が極めて広いことを指して強敵だと見做すのは分かるのだが、それだけで最強とするのはどうなのだろう。酸素について言えば、酸化・燃焼を引き起こす特性のために確かに強いし、金属使いにはまさに天敵だろう。けれど他の気体(例えば二酸化炭素とか)は、風を起こしたり窒息させたりする他は、せいぜい空気砲くらいしか戦術が思いつかないわけで、それなら金属使いでも十分対抗しうる(実際、サーシャは良く戦った)。もし今後他のアトミスが現れた時に、どんな戦術を見せてくれるのか、それはそれで楽しみではある。


今回の戦闘も、じつはけっこう不満であった。前回の対カーチャ戦で見せた朽葉悠の戦いぶりは素晴らしいものがあったが、今回の対サーシャ戦では戦術の稚拙さが目立つ。丁寧に作戦を立てて戦っていたサーシャに比べて、悠は前回ほどの強さが感じられなかった。空気球を生み出すだけではなく、前回見せたようなダイナミックな戦術を見せて欲しかったなぁ。そしてそれを打ち破ってこそ、サーシャの強さが際立つわけで。大鎌ではなく剣を持って、しかも酸化を逆用したステンレス生成などじつに見事な戦いぶりだった主人公を、もっと効果的に引き立てる戦闘シーンが欲しかった。


前回カーチャが敗れたときは、これはサーシャでも勝てないのではないかと思ってしまった。だからこそ今回のサーシャには期待していたし、それに十分応えてくれたのだが、今度は敵のほうが期待外れだった、というカタチ。せっかく心を震わせるドラマが展開されていたのに、ちょっともったいない。




・アデプトという闇


今回は朽葉葵のメッセージを通して、アデプトという組織の深い闇と、そこで翻弄される兄妹の悲劇を見事に描き出していた。前述の不満がささいなものに思えるだけのドラマを見せてくれており、じつに見応えがあった。


アデプトが、異端の名にふさわしく、クェイサーを育てるために子どもたちを地獄のような環境に追い込んでいる、という話。回想シーンで描かれた施設(?)の描写は、戦慄すべきものがあった。クェイサーを育てるというのは具体的に何をするのかさっぱり分からないが、鳳榊一郎がリジーを育てる様子には美しい師弟関係が見出せることから、本来はあれが正しいやり方なのだろう。けれどアデプトは、まるで家畜か奴隷を囲うように、残酷なまでにシステマティックに、クェイサーを育成しているらしい。サーシャとオーリャも、かつてはこれに関係していたのだろうか?


ところで気になったのは、その過去が語られた場面でユーリ神父の放った「アトスとは大違い」という一言。じゃあアトスはどうなんだ?という疑問を逆に焚きつけるカタチとなったセリフであり、このたった一言が、正義の味方として描かれているアトスについて、アデプト以上に何も分からないという事実の不気味さを、改めて実感させる。


まだまだ、対立する両組織の実態が描かれるには時間がかかりそうだが、こういう何気ないところで伏線を張っている可能性が大いにあるので、細かいところにもなるべく気を配って見れるようにしたい。それすらをも見越して予想外の展開を用意しているかもしれないと思わせるだけの、優れたストーリー構成や脚本を提示できている作品なので、ここは大いに期待しておこう。


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次回はまた怪しいキャラが出てくるようだが、それよりお便所ふーちゃんの出番がありそうなので、楽しみだ。


それでは、今回は以上です。


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