荒川アンダー ザ ブリッジ 第10話「10 BRIDGE」

そこの公僕! てめぇ代われ、この私と代われぇぇぇ!




・ストーリーは終盤へ


ギャグ回の後には真面目なテーマを持ってくる、ということで、今回はしっかりアバンでの”語り”を挿入して、いよいよ終盤の展開に差し掛かった今作。


「世界で一番美しい泥団子になるために」とはしかし、なんと素晴らしい言葉だろう。こんな名言がホイホイと飛び出してくるあたり、本当にこの作品は面白い。面白いというのはもちろん、笑えるということではなく、得るものが多い、という意味ですが。


それでも今回はまだクライマックスへ向けての準備を着々と進める回ということで、かなりコミカルな作劇に終始した。これは当然だったろう。本編ラストでのニノの叫びが、気分を大いに盛り上げる。彼女の真意や河川敷に対する想いがいったいどのようなものなのか、次回のエピソードを待ちたい。




・父との対決


恐らく全ての男子にとって、父親(およびそれに該当する人物)というのは、人生における障害でありライバルであり敵として、もっとも大きな存在感を放っているだろう。一介の男子であるリクを主人公に据えたこのドラマが、彼の父親をラスボスとして設定したのは大いに頷ける作劇。もちろん、本当にラスボスとして描かれるのかどうかは、まだ分かりませんが。


リクが父親をことさらに意識していたのは、第1話からずっと描かれてきたこと。父の言いつけを守り、父の価値感をすべて自分の生き方の中に取り込んできたリクが、荒川での生活を通してどう成長したか。彼がそれを自覚できるかどうかが、父親との対決の鍵となってくる部分であろう。


今回村長がリクのことを褒めていたけれど、まさにあのシーンに、リクが最近獲得できた彼自身の人間性が集約されている。けれど問題はやはり、リク自身がそれを気付いていない、せっかく指摘されても照れて誤魔化してしまう、という部分だ。ニノは彼の生き方にもう一歩、革命を起こすことができるのだろうか?




・集大成を見せて欲しい


一見ギャグアニメなんだけど、ふとした時に非常に奥深いテーマ性を垣間見せ、見ている人に内省を促す。それが「荒川アンダー ザ ブリッジ」の最大の魅力である。そして今までも、各話ごとに様々なテーマを設定して、我々に問題提起を行ってきた。


それではいよいよ、現代文明・資本主義のトップに立ち、その理想を体現しているリクの父と対決するというこの段階。いったいこの局面で今作は、どんなテーマを設定し、どんなメッセージを投げかけてくれるのだろう。




現代人は心がすさんでいる、などとよく言われる。その正否は分からないが、しかしそう語られて納得してしまいたくなるほど、現代文明は歪で、自然の摂理に反しており、そしてすごく怖い。


我々が、人間自らの手によって生み出された文明をなぜか本能的に恐れ警戒しているというのは、動かし難い事実だ。もはや文明は創造主のコントロール下をとっくに離れて暴走する乗り物のようなもので、その上に乗っかっている我々人類はもう、その速度を、その行きつく先を怖がり不安がっているのだ。しかし我々は、では文明の何が歪で、何を怖がっているのかということを、実はあんまりよく分かっていない。具体的に問題点を指摘する術を持たずに、ただ本能で震えあがっているだけだ。


だからこそ、「荒川アンダー ザ ブリッジ」という作品がやろうとしている事は、大変興味深い。


もしこの作品が、暴走する乗り物のどこがどう危険で間違っているのか、その一端でも提示してくれれば、それは我々にとって非常に大きな価値を持つ。最終話へ向けた展開の中で、これまでも行ってきた問題提起のまさに集大成を、ぜひともぶちまけて欲しい。もちろん原作が続いている(んですよね?)中で、作品の神髄とも言うべき部分をアニメーションとして描き出すのはむつかしいかもしれないが、しかしアニメ版「荒川UB」としての決着点を、大いに期待したい。




----


それでは、今回は以上です。



にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村
↑ランキングに参加中です。拍手の代わりですので、読んで良かったとちょっとでも思ったら、クリックしてもらえると嬉しいです^^






この記事へのコメント

狐邑
2010年06月09日 00:36
 マリアさんガチで怖いけど、エロスやなぁ~( ・ิω・ิ)
 あの容姿と笑顔で言葉がドSだったら、むしろ俺は嬉しいかもしれないです(ぇ
 村長は『声』と時折見せるカッコイイ部分が際立って男前に見えるんでしょう。
 シリアス展開がどういう結末に辿るのか気になります。この手の作品は現状維持・ちょっと進展で終わる。。。期待を良い意味で裏切ってほしいですw
おパゲーヌス
2010年06月09日 00:41
>狐邑さん
マリアさんに踏まれ隊、一緒に入隊しましょう。

>この手の作品は現状維持・ちょっと進展で終わる
うーん、すごく分かりますw 期待を裏切って欲しいですね。これだけのことを見せてくれる作品ですから、期待したい。まさか赤尾でこの手腕に期待をかける日が来ようとは。

この記事へのトラックバック