四畳半神話大系 第9話「秘密機関『福猫飯店』」

今回のエピソードは鳥肌モノ!




・小津の真実


ゲーテの描いた悪魔・メフィストーフェレスもかくや、といった体で活躍していた小津。彼の悪魔的(道化的)なキャラクターは非常に愛すべきものだが、それはまさしく道化であって、どんなドラマであっても主役にはなり得ない立ち位置のキャラクターなのだと、ずっと思っていた。


しかし今回は、そんな彼の物語であった。いや、いままでのすべての話は相互に関係しているのだから、今までのドラマもずっと、小津は彼自身のドラマの主役であったということなのだろう。そしてそんな小津を主役にしたドラマにあっては、我らが主人公こそが、単なる道化であり”賑やかし”に過ぎない。


まさか小津があんなロマンチックなことをしでかすために動いていたとは・・・。えらくダイナミックなのにどこか哀愁漂う映像演出もあって、素晴らしく心を揺り動かされるエピソードだった。こんな切ない雰囲気で、小津を主人公にしたエピソードってのもぜひ、見てみたくなった。




・終盤へ向けて猛チャージ


今回は非常に示唆に富んだエピソードだったのではないだろうか。樋口師匠と柄にもなく真面目な話をしていたが、主人公がこの迷宮から脱出するための鍵となる言葉が、ふんだんに盛り込まれていた。なおかつそれが、視聴者にむけての強烈なメッセージとしても発信されていて、すごく感銘を受けた。


樋口師匠が語っていた、一見冷徹な現実主義とも取れるアドバイスには、しかし非常にポジティブな要素が根幹に存在している。今回はそれがセリフで語られただけで、しかもなぞかけのような中途半端なところでうやむやにされてしまったが、このテーマ性を次回以降、主人公の視点でアクティブな作劇の中で描き切ってくれれば、これはものすごいドラマになるのではないかと、期待したくなる。




また今回は、たくさんの伏線をあるいは回収しあるいはばら撒いて行った回でもあった。今作の場合、各エピソードがそれぞれ単体で独立していながら、しかし相互に密接にリンクしていて、もう物理的な説明がつけられないほど錯綜としているワケであるが、その分、伏線を信じられないほど巧みに活用できていて、感心させられる。その伏線の活用の仕方を見るに、いよいよ最終回へ向けてのラストスパートに入ってきていると、見て良さそうだ。


それにしても今回は、いつもの時計の映像が流れなかった。四畳半に閉じこもる決意をした主人公を、四方八方から閉じ込めにかかる四畳半サイズの壁と、芥川の『蜘蛛の糸』を連想させる”もちぐまん”の登場。果たして次回はどんなエピソードになるのか? まったく想像がつかなくて、じつに楽しみだ。




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それでは、今回は以上です。



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