伝説の勇者の伝説 第1話「昼寝王国の野望」
正統派ファンタジーアニメ。すっごく好みですよこういうの。
なんかあまり書くことないだろうなぁと予想して録画に回して、たいして期待もせずにダラダラと視聴してみたのだけど、OPからしてかなり作画はいいし、本編に入ってからは冒頭の魔法戦と剣戟にぐいぐいと魅せられて、すっごく楽しんで見れた第1話だった。これなら書くことはありそうだし、なにより第2話以降も大いに期待が持てるので、ぜひ各話感想を書いて行きたいとおもう。
・世界観と美術に惚れた
近年ではすごく少なくなってしまった印象の強い、剣と魔法の正統派ファンタジー。それも、パーティー行動を主軸としたRPG的展開と、一方でなかなか高度で渋い政治ドラマとのダブルスタンダードということで、すごく90年代的な作風が感じられる。私としては世代的にも趣向的にも、とても好感が持てる作風だ。
とくに見事だったのが、背景描写。やはりファンタジーのキモは背景だよ!w 淡い光線で描かれた、広大さと美しさと非現実感とを兼ね備えた、じつに見事な背景美術だった。これが見れるだけでも、この作品をずっと楽しんでいられるかもしれない。というか、もっともっと見せて欲しいw
それからこれはたぶん原作の功績で、国家や社会の構図や魔法等の設定的裏付けがきちんとできているようで、世界観設定が丁寧に組み上げられているようだったのはポイントが高い。しかも、それをあまり冗長にならないように、丁度よい配分で描いてあったのは巧かった。「何が何だか分からないんだけど、カッコいい」だけではなく、「この世界の仕組みをもっと知りたい」と思わせられる、絶妙な塩梅だったと思う。
作画は、ゼクシズってこんなに巧かったっけかなぁ、と不思議に思ってしまうくらい良かった。それに加えて、今作は川崎逸朗監督作品であり、また今回は監督自らがコンテを切っていたこともあって、アクションの見せ方はさすがに巧い。ちょっと特殊なSEの使い方をしていた音響効果もあって、テンポよく、しかし濃密で心地よいアクションを堪能させてくれた。もちろん、エフェクトの美麗さ・派手さは特筆に値する。第1話ということで、今作で見せようとしている映像的な魅力をしっかりと提示してくれてあった。
ひとつ難点を上げるとすれば、BGMの用い方だろうか。どうしてココで音楽を流さないんだろう? と疑問に思ってしまうシーンが散見されて、せっかくのシチュエーションの面白さや映像の良さを、いくぶん殺してしまった印象があった。とくに今回は、ライナ達パーティーのダンジョン探索と、シオンを中心とした政治劇とを交互に見せる構成で、それ自体は悪くないのだけれど、脚本と映像がぶつ切りになっているだけに、音響で視聴者の感情をもっと左右して欲しかった。
音楽というものは非常に大きな効果を持つ。音楽の力だけでかなり劇の良し悪しは左右される。今回のように少し強引な展開を見せているのならなおさら、場面ごとにBGMをもっとうまく活用して、視聴者の意識を劇の進行にすりよせる演出をして欲しかった。今回に限って言えば、日常パートでは空気感をうまく醸し出すBGMがあるのに、戦闘シーンでBGMが流れなかったり、音が小さかったりして、盛り上げ切らない印象だった。ちょっともったいない。
・ただのエンターテイメントではない?
OPとかAパートの作風からして、とにかくファンタジー作品としての魅力を前面に押し出した作品になるのかなぁと予測していたのだけど、Bパートはもっと奥深いドラマが用意されていることを予感させて、俄然面白くなってきた。
まず政治劇に関しては、ある意味ではこうしたファンタジー作品に付き物ではあるけれど、それを巧く描けるかどうかはひとつの焦点になる。近年のアニメの傾向を考えるなら、こうしたややこしいドラマは控えめにしてもっとキャラクター重視のドタバタ&萌え路線で行きそうなもの。それを今作は、視聴者の心をしっかりと掴まなければならない第1話において早くも渋いドラマを見せてくれた。ということは、今後ますますこうした要素が増えて行くのかもしれない。私としてはシリアスな作劇のほうが好きなので、これは大いに期待が膨らんでくる。
それからもうひとつ。主人公がただのグータラというのではなく、ある信念のもとに道化を演じているらしいというのが興味深かった。どうやらかつてはシオンの強力な味方として活躍したようだが、アルファ・スティグマなる彼の性質に由来する不幸に加えて、自身の行動に由来する何か大きなトラウマを抱えているらしいというのが、早くも伏線として提示された。
主人公がいったいどんな過去を抱えているのかはまだ分からないが、もし彼の内面深くまで立ち入った人間ドラマを描いてくれるなら、これはすごく面白くなりそうだ。ただ剣と魔法のカッコいいアクションを楽しませてくれるだけでなく、そのエンターテイメント性の陰で我々に深く考えさせるドラマを見せてくれるなら、最高に好きな作品に化けてくれそうだ。どうやら2クールらしいし、楽しみにしよう。
・エンディング
ED曲はCeui!! CD買おうっと。
クレジットが英語表記なのはなんなんだ。雰囲気あったしカッコよかったけど、日本人に読ませる気ないよなぁ。中の人を気にせず作品を楽しめと言うメッセージでしょうか^^
----
それでは、今回は以上です。

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なんかあまり書くことないだろうなぁと予想して録画に回して、たいして期待もせずにダラダラと視聴してみたのだけど、OPからしてかなり作画はいいし、本編に入ってからは冒頭の魔法戦と剣戟にぐいぐいと魅せられて、すっごく楽しんで見れた第1話だった。これなら書くことはありそうだし、なにより第2話以降も大いに期待が持てるので、ぜひ各話感想を書いて行きたいとおもう。
・世界観と美術に惚れた
近年ではすごく少なくなってしまった印象の強い、剣と魔法の正統派ファンタジー。それも、パーティー行動を主軸としたRPG的展開と、一方でなかなか高度で渋い政治ドラマとのダブルスタンダードということで、すごく90年代的な作風が感じられる。私としては世代的にも趣向的にも、とても好感が持てる作風だ。
とくに見事だったのが、背景描写。やはりファンタジーのキモは背景だよ!w 淡い光線で描かれた、広大さと美しさと非現実感とを兼ね備えた、じつに見事な背景美術だった。これが見れるだけでも、この作品をずっと楽しんでいられるかもしれない。というか、もっともっと見せて欲しいw
それからこれはたぶん原作の功績で、国家や社会の構図や魔法等の設定的裏付けがきちんとできているようで、世界観設定が丁寧に組み上げられているようだったのはポイントが高い。しかも、それをあまり冗長にならないように、丁度よい配分で描いてあったのは巧かった。「何が何だか分からないんだけど、カッコいい」だけではなく、「この世界の仕組みをもっと知りたい」と思わせられる、絶妙な塩梅だったと思う。
作画は、ゼクシズってこんなに巧かったっけかなぁ、と不思議に思ってしまうくらい良かった。それに加えて、今作は川崎逸朗監督作品であり、また今回は監督自らがコンテを切っていたこともあって、アクションの見せ方はさすがに巧い。ちょっと特殊なSEの使い方をしていた音響効果もあって、テンポよく、しかし濃密で心地よいアクションを堪能させてくれた。もちろん、エフェクトの美麗さ・派手さは特筆に値する。第1話ということで、今作で見せようとしている映像的な魅力をしっかりと提示してくれてあった。
ひとつ難点を上げるとすれば、BGMの用い方だろうか。どうしてココで音楽を流さないんだろう? と疑問に思ってしまうシーンが散見されて、せっかくのシチュエーションの面白さや映像の良さを、いくぶん殺してしまった印象があった。とくに今回は、ライナ達パーティーのダンジョン探索と、シオンを中心とした政治劇とを交互に見せる構成で、それ自体は悪くないのだけれど、脚本と映像がぶつ切りになっているだけに、音響で視聴者の感情をもっと左右して欲しかった。
音楽というものは非常に大きな効果を持つ。音楽の力だけでかなり劇の良し悪しは左右される。今回のように少し強引な展開を見せているのならなおさら、場面ごとにBGMをもっとうまく活用して、視聴者の意識を劇の進行にすりよせる演出をして欲しかった。今回に限って言えば、日常パートでは空気感をうまく醸し出すBGMがあるのに、戦闘シーンでBGMが流れなかったり、音が小さかったりして、盛り上げ切らない印象だった。ちょっともったいない。
・ただのエンターテイメントではない?
OPとかAパートの作風からして、とにかくファンタジー作品としての魅力を前面に押し出した作品になるのかなぁと予測していたのだけど、Bパートはもっと奥深いドラマが用意されていることを予感させて、俄然面白くなってきた。
まず政治劇に関しては、ある意味ではこうしたファンタジー作品に付き物ではあるけれど、それを巧く描けるかどうかはひとつの焦点になる。近年のアニメの傾向を考えるなら、こうしたややこしいドラマは控えめにしてもっとキャラクター重視のドタバタ&萌え路線で行きそうなもの。それを今作は、視聴者の心をしっかりと掴まなければならない第1話において早くも渋いドラマを見せてくれた。ということは、今後ますますこうした要素が増えて行くのかもしれない。私としてはシリアスな作劇のほうが好きなので、これは大いに期待が膨らんでくる。
それからもうひとつ。主人公がただのグータラというのではなく、ある信念のもとに道化を演じているらしいというのが興味深かった。どうやらかつてはシオンの強力な味方として活躍したようだが、アルファ・スティグマなる彼の性質に由来する不幸に加えて、自身の行動に由来する何か大きなトラウマを抱えているらしいというのが、早くも伏線として提示された。
主人公がいったいどんな過去を抱えているのかはまだ分からないが、もし彼の内面深くまで立ち入った人間ドラマを描いてくれるなら、これはすごく面白くなりそうだ。ただ剣と魔法のカッコいいアクションを楽しませてくれるだけでなく、そのエンターテイメント性の陰で我々に深く考えさせるドラマを見せてくれるなら、最高に好きな作品に化けてくれそうだ。どうやら2クールらしいし、楽しみにしよう。
・エンディング
ED曲はCeui!! CD買おうっと。
クレジットが英語表記なのはなんなんだ。雰囲気あったしカッコよかったけど、日本人に読ませる気ないよなぁ。中の人を気にせず作品を楽しめと言うメッセージでしょうか^^
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この記事へのコメント
原作未読なのでストーリーはイマイチ理解できませんでしたが、雰囲気はすごく好きですね! まさにファンタジーモノだろって感じで。
>>人間ドラマ
グータラな主人公の変化に注目して行きたいですね。過去も気になるところです。
>>エンディング
なぜに英語表記なんだw キャストを気にするなってことかな?
コメントどうもです。テンプレ変えて、読みづらくなっていはしまいかと心配していたのですが、無事読んでいただけたようでホっとしましたw
英語表記は、カッコよさ以外の理由が思いつきませんよね。そういえばRPGとかで、やはり日本人スタッフばかりなのに英語表記のEDロールが流れてるのを見てやはり「分かりづらいなぁ」と思っていたものです。漢字文化圏の素晴らしさを軽視しているのかとw
今となっては珍しいこの手の作品に期待せざるを得ませんwww
ただ2クールで終わるような作品じゃないから、どこで切るのか気になります。
そうそう、スレイヤーズとかロードスとか。。。どっちも見てないんですがw(ロードスはOVAのみ視聴)
2クールじゃ終わるような作品ではないのですか。そんなに大作なの? アニメファンとしては、2クールあるんだからちゃんとケリ付けてくれるよね?って意識で見てしまいますね。投げっぱなしENDでもがっかりしないよう、心しておきます。