伝説の勇者の伝説 第6話「暗がりに潜む者」
アクションがカッコよすぎ。今回はそれに尽きる!
・魔法戦やばかった!
いやぁ、剣と魔法のファンタジーはその設定だけで十分に燃えると言うのに、これだけカッコいいアクションを見せられたら、もうたまらない。
ライナ&フェリスvsミラン・フロワード。性格的にも戦闘能力にも、ひと癖もふた癖もある三人が、ガチで渡り合う最高レベルのバトル。三人とも戦い方がまるで異なるわけだが、その差異を視覚やセリフで分かりやすく提示しながら、映像としてこれだけ見応えのあるものに仕上げているのはさすが。もちろん純粋にアニメーションの出来という意味ではもっと上があるだろうが、見せ方が巧いので十分な見応えがあったなぁ。
ところでアルファ・スティグマも決して万能ではないんだなぁというのを、第6話にして決定的に実感させられた。ライナがフェリスとやりあった時は、意図的に手を抜いたとかで勝敗がうやむやになてしまったが、本来なら最強レベルのチートキャラである(と思っていた)ライナが、ここに来て早くも、敗色濃厚な戦いを演じていた。それだけミランが反則的に強かったわけだが、この調子でぽんぽんとライナに匹敵しうる人間が出てきたら面白くもなんともないので、一抹の不安を感じてしまった。
もちろん今回は、普通なら「そんなにダラダラしゃべってるとか不自然」なーんて言われかねない作劇を逆手にとって、ライナとフェリスの連係プレーによるハッタリをかましてくれたのが、憎らしいほど巧いと思った。
アクションの最中に長いセリフをしゃべるのは演劇としてはしごく正当な演出なのだけど、最近の視聴者(?)はなぜかこれを不自然なご都合主義的手法だと断じたがる向きがあるように思う。「聖剣の刀鍛冶」なんかではけっこうボロクソに言われていた印象が強くて、キャラがカッコよく見得を切って長広舌をぶつことの何がそんなに”ツッコミどころ”なのかワケが分からなかったのだが、伝勇伝の今回の戦闘シーンでは、説明セリフに巧い逃げ道を付けたなぁと思ったw
そして、そんなハッタリをかまさないとどうにか出来なかったという、緊張感たっぷりの空気感の演出が良かった。きっとミランはミランで、冷や汗をかきながら退散していたのではなかったか。そして後からそれを聞いて、シオンが「そんなヘマはしない」と呟いたシーンが、あまりに不安定な現在の状況を言外に感じさせるもので、感慨深かった。いちいち巧いなぁ、この作品は。
・シオンの綱渡り
今作はもうくどいほど、王という存在の意義を問いかけている。ここにひとつの政治観、作り手の主義主張を汲み取ることは可能かもしれないが、今やるべきことではないだろう。その代わり、どういう王であらねばならないかというシオンの自問(および、ルシル・エリスやミランの突き付ける理想像)の中において、シオンが自分の使命とアイデンティティと理想との間でゆらゆらと揺れ動いているのが伝わってくるわけで、そこを注意深く見守るべきだろう。
とにかくシオンは、危ない綱渡りを四六時中やらされているようなものだ。いつ足を滑らせて死ぬかも分からない状況の中で、長すぎる棒を手に絶妙なバランス感覚が要求されながら、後戻りも脇道も許されず、王としての運命を全うすることを期待される。
今回はそんなシオンがライナやフェリスと和むシーンが描かれることで、彼らの友情の絆を提示したかに見えた。しかし馬鹿二人ならいざ知らず、少なくともシオンにおいては、その友情さえ王の使命という綱渡りを敢行する上での利用すべき重石であり、彼の政治家としてのバランス感覚の中でのみ認識しようとしている。そこにいわゆる友情というやつは、その理想的な意味においては、まったく存在していないし、してはならない。それが王という役職だという頭なのだろう。
勘の良いライナたちなら、もうとっくにそんなシオンの内面を汲み取ってるかもしれないけれど。でもこの3人が曲がりなりにも主役ということなら、きっと彼らの間で、友情を他の何かと見比べて天秤にかける時期が来るのだろう。そのとき、彼らは何を選択するか。
ライナとフェリスは、今回の一件でようやくパートナーらしくなってきたようではある。もし二人の間に打算や利害、信念までをも超越した友情が成り立つのだとすれば、そこにシオンが入り込む余地があるかどうか。いや、もっと正確に言うなら、そうした友情をライナたちから求められたとき、シオンがそれを受け入れるかどうか、ここはひとつのキーポイントになってきそうだ。
いまのところ王侯貴族たちの人間性の低劣さが強調されているものの、人間性の本質を鋭く射抜こうとするその視線がいつかライナとシオンに向けられることになったとき、そこに映し出されるのは光か闇か。それを予想するにはいましばらく見守っているしかなさそうだ。
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それでは、今回は以上です。

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・魔法戦やばかった!
いやぁ、剣と魔法のファンタジーはその設定だけで十分に燃えると言うのに、これだけカッコいいアクションを見せられたら、もうたまらない。
ライナ&フェリスvsミラン・フロワード。性格的にも戦闘能力にも、ひと癖もふた癖もある三人が、ガチで渡り合う最高レベルのバトル。三人とも戦い方がまるで異なるわけだが、その差異を視覚やセリフで分かりやすく提示しながら、映像としてこれだけ見応えのあるものに仕上げているのはさすが。もちろん純粋にアニメーションの出来という意味ではもっと上があるだろうが、見せ方が巧いので十分な見応えがあったなぁ。
ところでアルファ・スティグマも決して万能ではないんだなぁというのを、第6話にして決定的に実感させられた。ライナがフェリスとやりあった時は、意図的に手を抜いたとかで勝敗がうやむやになてしまったが、本来なら最強レベルのチートキャラである(と思っていた)ライナが、ここに来て早くも、敗色濃厚な戦いを演じていた。それだけミランが反則的に強かったわけだが、この調子でぽんぽんとライナに匹敵しうる人間が出てきたら面白くもなんともないので、一抹の不安を感じてしまった。
もちろん今回は、普通なら「そんなにダラダラしゃべってるとか不自然」なーんて言われかねない作劇を逆手にとって、ライナとフェリスの連係プレーによるハッタリをかましてくれたのが、憎らしいほど巧いと思った。
アクションの最中に長いセリフをしゃべるのは演劇としてはしごく正当な演出なのだけど、最近の視聴者(?)はなぜかこれを不自然なご都合主義的手法だと断じたがる向きがあるように思う。「聖剣の刀鍛冶」なんかではけっこうボロクソに言われていた印象が強くて、キャラがカッコよく見得を切って長広舌をぶつことの何がそんなに”ツッコミどころ”なのかワケが分からなかったのだが、伝勇伝の今回の戦闘シーンでは、説明セリフに巧い逃げ道を付けたなぁと思ったw
そして、そんなハッタリをかまさないとどうにか出来なかったという、緊張感たっぷりの空気感の演出が良かった。きっとミランはミランで、冷や汗をかきながら退散していたのではなかったか。そして後からそれを聞いて、シオンが「そんなヘマはしない」と呟いたシーンが、あまりに不安定な現在の状況を言外に感じさせるもので、感慨深かった。いちいち巧いなぁ、この作品は。
・シオンの綱渡り
今作はもうくどいほど、王という存在の意義を問いかけている。ここにひとつの政治観、作り手の主義主張を汲み取ることは可能かもしれないが、今やるべきことではないだろう。その代わり、どういう王であらねばならないかというシオンの自問(および、ルシル・エリスやミランの突き付ける理想像)の中において、シオンが自分の使命とアイデンティティと理想との間でゆらゆらと揺れ動いているのが伝わってくるわけで、そこを注意深く見守るべきだろう。
とにかくシオンは、危ない綱渡りを四六時中やらされているようなものだ。いつ足を滑らせて死ぬかも分からない状況の中で、長すぎる棒を手に絶妙なバランス感覚が要求されながら、後戻りも脇道も許されず、王としての運命を全うすることを期待される。
今回はそんなシオンがライナやフェリスと和むシーンが描かれることで、彼らの友情の絆を提示したかに見えた。しかし馬鹿二人ならいざ知らず、少なくともシオンにおいては、その友情さえ王の使命という綱渡りを敢行する上での利用すべき重石であり、彼の政治家としてのバランス感覚の中でのみ認識しようとしている。そこにいわゆる友情というやつは、その理想的な意味においては、まったく存在していないし、してはならない。それが王という役職だという頭なのだろう。
勘の良いライナたちなら、もうとっくにそんなシオンの内面を汲み取ってるかもしれないけれど。でもこの3人が曲がりなりにも主役ということなら、きっと彼らの間で、友情を他の何かと見比べて天秤にかける時期が来るのだろう。そのとき、彼らは何を選択するか。
ライナとフェリスは、今回の一件でようやくパートナーらしくなってきたようではある。もし二人の間に打算や利害、信念までをも超越した友情が成り立つのだとすれば、そこにシオンが入り込む余地があるかどうか。いや、もっと正確に言うなら、そうした友情をライナたちから求められたとき、シオンがそれを受け入れるかどうか、ここはひとつのキーポイントになってきそうだ。
いまのところ王侯貴族たちの人間性の低劣さが強調されているものの、人間性の本質を鋭く射抜こうとするその視線がいつかライナとシオンに向けられることになったとき、そこに映し出されるのは光か闇か。それを予想するにはいましばらく見守っているしかなさそうだ。
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