伝説の勇者の伝説 第7話「その手を離さない」
「忌破り部隊」・・・看板に偽りありすぎw
・今回のお話
今回は政治劇はほとんど進行せず、もっぱらライナ&フェリスと忌破り追撃隊の絡みを描くお話。疑似的なものにせよ家族の絆をテーマに据えて、一人の人間が決意を持って生きることと、それに付き従う仲間たちの生きがいについて、コミカルに、しかししっとりと情感豊かに描き出す。
ストーリー展開としては、もっとがっつりシリアスに展開される緊迫したものが見たかったので、今回のようなキャラの心情にスポットを当てた回は箸休め的な印象にどうしても映ってしまう。だからミルクが可愛くて漫才が面白ければもう十分すぎる回だったのだけど、なんか作画が気合い入ってて笑ってしまったw アクションを描くのに常にカッコよさを追求するだけでなく、勇者の遺物のすさまじさを視覚的に描き切るためには一切妥協しない。絵のタッチがまるで異なるドラゴンの描写は迫力満点で素晴らしかったし、ライナたちのやる気無さとのギャップが心底可笑しかった^^
・キャラの中に見出す生と死
ものすごく重たい過去を背負っているミルク・カラード。惨たらしいシチュエーションを描くのにも今作はかなり徹底していて、底抜けに明るいキャラクターの裏にどんな悲惨が隠れているのか、そこに思い及んで背筋がぞっとする。またそんな彼女が大きな覚悟を持って「忌破り追撃隊」の任務についたという点も泣かせる。今は彼女に心酔している良き仲間たちに囲まれているが、幸せになって欲しいキャラがちゃんと幸せに見えることの貴重さを、痛感させられる。
アニメは作り物だ。だからアニメの中で動いているキャラクターも所詮は作り物であって、生きているように見せてはいるが、実際には全然生きていないことを我々はちゃんと分かっている。だがそれでも、本当にキャラクターに魂が宿っているように見えることがある。
今作はそうした「生きたキャラクター」を描き出すために、死を強く意識させるという手法を取っている。いや、もしかしたらまったく逆で、死を意識させる作劇を行っていたら、キャラクターから生命の鼓動が感じられるように見えてしまうのかもしれない。いずれにせよ、今作のキャラクターは容易に死ぬ。ライナやシオンであってもその例外ではないし、もし死ななかったとしても、死より辛い経験をしてきているのは見ての通りだ。そうしたキャラクターに付随する負のイメージが、一方ではキャラクターの生きている輝きを強調しているのだ。明暗をくっきりと描き切ることの意義がここにある。
今作においては、どんなに幸福でのん気な様子でさえ、それは常に死や危険や惨たらしさと隣り合わせなのだ。キャラ萌えシーンだからと言ってその事実を決して忘れさせようとしない、むしろ気楽に見れるシーンでこそ裏に隠された深刻さを強く意識させる今作のスタンスは、薄氷を踏む思いで日常の幸福を享受している登場人物たちの生を、極めてリアルな緊張感のもとに描き出している。今作の登場人物たちは、この状況設定のゆえに、真に生きている人間(=死すべきもの)として我々に認知され得るのだと思う。
映像面で特別なことをしているわけではない。むろん映像の工夫はあって、しかしそれは別に語られるべきことだ。ただ少なくとも作劇やキャラ設定という点に限って見ても、今作のキャラクターたちは他の作品よりもいっそう真剣に、健気に、そして精一杯に生きている。死や悲惨を良く知っている世界だからこそ、生や幸福を、強く強く希求するのだ。そうしたキャラクターたちの織りなすドラマであるという点に、今作の最大の魅力があるのではないかと、今回のエピソードを見てそのようなことを考えた。
・次回は戦争回か
死んだフィオルの墓参りに訪れていたシオンのもとへ、エスタブールでの動乱の知らせが舞い込んだところで、今回は幕引き。次回はあれか、戦争をやるのか、待ってました!
いや、自分は軍勢同士がぶつかり合う戦争(それも火器出現以前のもの)が大好きなのですよ。いままではほとんど個人による小規模なアクションがメインだったから、大きな人数を揃えてのぶつかり合いとか、燃えないわけにはいくまい。
とくに馬! 馬が出てくるだけで異様に燃える!w OPでも馬が走っていて、あのカットが大好きなので、次回は騎兵隊が大活躍する様子とかぜひ描いて欲しい。もし可能ならば、両軍の作戦を検証しつつ戦局の考察や戦場描写の良し悪しを、書くことができれば良いと思っています。
・・・でもなぁ。どうせ、魔法でドッカーンってやってケリついたり、あるいは主人公たちの極めて個人的な行動(敵主将との一騎打ちとか)に収束したりするんだろうなぁ。軍勢同士のぶつかり合いを戦術性を考慮しつつ描いて、それでドラマにも決着を付けるというのでは、アニメ作品としては盛り上がりに欠けると判断されても仕方が無い。あくまで英雄を立てるための戦場であって、個人技での戦闘に主眼が置かれてしまうのだろう。この辺りはあまり期待しすぎずに、あくまでドラマの一環として戦争をやるのだという意識で臨みたい。悔しいけどw
----
それでは、今回は以上です。

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・今回のお話
今回は政治劇はほとんど進行せず、もっぱらライナ&フェリスと忌破り追撃隊の絡みを描くお話。疑似的なものにせよ家族の絆をテーマに据えて、一人の人間が決意を持って生きることと、それに付き従う仲間たちの生きがいについて、コミカルに、しかししっとりと情感豊かに描き出す。
ストーリー展開としては、もっとがっつりシリアスに展開される緊迫したものが見たかったので、今回のようなキャラの心情にスポットを当てた回は箸休め的な印象にどうしても映ってしまう。だからミルクが可愛くて漫才が面白ければもう十分すぎる回だったのだけど、なんか作画が気合い入ってて笑ってしまったw アクションを描くのに常にカッコよさを追求するだけでなく、勇者の遺物のすさまじさを視覚的に描き切るためには一切妥協しない。絵のタッチがまるで異なるドラゴンの描写は迫力満点で素晴らしかったし、ライナたちのやる気無さとのギャップが心底可笑しかった^^
・キャラの中に見出す生と死
ものすごく重たい過去を背負っているミルク・カラード。惨たらしいシチュエーションを描くのにも今作はかなり徹底していて、底抜けに明るいキャラクターの裏にどんな悲惨が隠れているのか、そこに思い及んで背筋がぞっとする。またそんな彼女が大きな覚悟を持って「忌破り追撃隊」の任務についたという点も泣かせる。今は彼女に心酔している良き仲間たちに囲まれているが、幸せになって欲しいキャラがちゃんと幸せに見えることの貴重さを、痛感させられる。
アニメは作り物だ。だからアニメの中で動いているキャラクターも所詮は作り物であって、生きているように見せてはいるが、実際には全然生きていないことを我々はちゃんと分かっている。だがそれでも、本当にキャラクターに魂が宿っているように見えることがある。
今作はそうした「生きたキャラクター」を描き出すために、死を強く意識させるという手法を取っている。いや、もしかしたらまったく逆で、死を意識させる作劇を行っていたら、キャラクターから生命の鼓動が感じられるように見えてしまうのかもしれない。いずれにせよ、今作のキャラクターは容易に死ぬ。ライナやシオンであってもその例外ではないし、もし死ななかったとしても、死より辛い経験をしてきているのは見ての通りだ。そうしたキャラクターに付随する負のイメージが、一方ではキャラクターの生きている輝きを強調しているのだ。明暗をくっきりと描き切ることの意義がここにある。
今作においては、どんなに幸福でのん気な様子でさえ、それは常に死や危険や惨たらしさと隣り合わせなのだ。キャラ萌えシーンだからと言ってその事実を決して忘れさせようとしない、むしろ気楽に見れるシーンでこそ裏に隠された深刻さを強く意識させる今作のスタンスは、薄氷を踏む思いで日常の幸福を享受している登場人物たちの生を、極めてリアルな緊張感のもとに描き出している。今作の登場人物たちは、この状況設定のゆえに、真に生きている人間(=死すべきもの)として我々に認知され得るのだと思う。
映像面で特別なことをしているわけではない。むろん映像の工夫はあって、しかしそれは別に語られるべきことだ。ただ少なくとも作劇やキャラ設定という点に限って見ても、今作のキャラクターたちは他の作品よりもいっそう真剣に、健気に、そして精一杯に生きている。死や悲惨を良く知っている世界だからこそ、生や幸福を、強く強く希求するのだ。そうしたキャラクターたちの織りなすドラマであるという点に、今作の最大の魅力があるのではないかと、今回のエピソードを見てそのようなことを考えた。
・次回は戦争回か
死んだフィオルの墓参りに訪れていたシオンのもとへ、エスタブールでの動乱の知らせが舞い込んだところで、今回は幕引き。次回はあれか、戦争をやるのか、待ってました!
いや、自分は軍勢同士がぶつかり合う戦争(それも火器出現以前のもの)が大好きなのですよ。いままではほとんど個人による小規模なアクションがメインだったから、大きな人数を揃えてのぶつかり合いとか、燃えないわけにはいくまい。
とくに馬! 馬が出てくるだけで異様に燃える!w OPでも馬が走っていて、あのカットが大好きなので、次回は騎兵隊が大活躍する様子とかぜひ描いて欲しい。もし可能ならば、両軍の作戦を検証しつつ戦局の考察や戦場描写の良し悪しを、書くことができれば良いと思っています。
・・・でもなぁ。どうせ、魔法でドッカーンってやってケリついたり、あるいは主人公たちの極めて個人的な行動(敵主将との一騎打ちとか)に収束したりするんだろうなぁ。軍勢同士のぶつかり合いを戦術性を考慮しつつ描いて、それでドラマにも決着を付けるというのでは、アニメ作品としては盛り上がりに欠けると判断されても仕方が無い。あくまで英雄を立てるための戦場であって、個人技での戦闘に主眼が置かれてしまうのだろう。この辺りはあまり期待しすぎずに、あくまでドラマの一環として戦争をやるのだという意識で臨みたい。悔しいけどw
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それでは、今回は以上です。

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この記事へのコメント
あのドラゴンはかっこよかったですね~!
けど出しただけで放置プレイくらったドラゴンがちょっと可哀想でしたw
1話のゴーレムみたいなのもそうでしたが、放っておいて大丈夫なんですかね?
いや、放っておいたらイカンでしょうwww
でも、主人公補正がかかっているライナやフェリスでさえ、その強さには限界があることがちゃんと描かれています(今回、20名前後の兵士を相手に「厳しい」発言をしていたフェリスが象徴的)。つまり逆にいえば、ちゃんと人数を揃えて対処すれば、ライナたちが放り出した怪獣だってちゃんと倒せるということではないかと。きっと当局がちゃんと処理していますよ^^
あるいは、隣国で怪獣を暴れさせて国力の疲弊を狙ってるとか、そういう意図は十分に考えられたり。何も考えて無さそうですごく色々と考えているっぽいのが、ライナ&フェリスペアの面白いところですねw