世紀末オカルト学院 第７話「マヤの亜美～ゴ！」
サブタイからして、もっとキャピキャピしたエピソードかとｗ
・今回のお話と、好感度の良さ
今回は黒木亜美の当番回ということで、前回までのこずえ回に引き続き、マヤの親友トリオの親交を描くエピソード。いまのところ美風、こずえ、亜美のそれぞれに２話づつ割いているが、ゲストキャラに頼りすぎることなく、決して多くは無いメインキャラクターを丁寧に丁寧に掘り下げて行く尺の使い方がとても好感が持てる。
とくに今回は亜美の親父さんが登場したが、家族、とくに親子の絆を色濃く打ち出す作品って近年はめきめき少なくなっている印象で（その代表が「けいおん」）、もちろん作風によるとは言え、高校生のドラマで親を絡めないという姿勢はあまり好きではないので、文明しかり、マヤしかり、そして今回の亜美しかり、親への愛情や接し方を真摯に描こうとする姿勢がすごく好きだ。ましてや今回は、家族の温かさ、心地よさを存分に描いてくれた。田舎っていいなぁ、とかそんなレベルではない魅力が、黒木家にはあった。こういうの、好きすぎる。
個人的趣向（好き嫌い）の問題でもうひとつ、ときどき私は「頬をひっぱたく演出が嫌い」と書くけれど、今回のビンタ（しかも二連続）は肉体的にも精神的にもとても痛そうで、なかなか良かった。痛みを感じるということはすなわち、それだけの説得力や共感性を得ることができているということ。まず肉体的に痛そうに見えるのはアニメーションの出来が良いと評価できる点だし、精神的に痛いと思えるならそれだけドラマに共感しているということなのだ。そうした肉体的・精神的痛覚を追体験させることができないことが目立つから、頬をひっぱたく演出が嫌い、という結論に至ったのであって、ちゃんと演出出来ていればもちろん問題は無い。
今回のビンタは、親子の絆を深く感じ考えさせる、想いのこもったものだった。マヤは父を嫌いと言い、亜美は父を好きだと言うが、その根底には共通の、父親への深い愛情と感謝の念がたしかに存在している。それを言葉ではなくアニメーションと演出（すなわちビンタ）でしっかり伝えられていたのが、今回のエピソードをとても好ましく思えた。
序盤はコメディとミステリー要素が魅力的だった今作も、ここへきてしっとりと情感豊かなドラマを提示できていて、もともと面白いと思っていたものがさらに好感度がアップしてきている。中盤の魅せどころとしてはかなりツボを抑えたものになっているので、後半の展開のさせ方次第ではものすごく好きな作品として記憶にとどめることができそうだ。
・聞きどころ満載の演技
今作は映像・脚本両面で豊富なアイディアを披露してくれていて、それが大きな魅力に繋がっているけれど、同じことが声優の演技についても言える。あるセリフを語らせるときに、予想だにしていなかった演技をやってくれるシーンが幾度も見られて、眼福ならぬ耳福な作品だ。
今回で言えば、テレビで放映されたミステリーサークルを見てＪＫがプリンを吹き出したシーンと、トラックの上ではしゃぐこずえのシーンだろうか。前者では、プリンを噴いたときのアニメーションの可笑しさも相当なものだったが、その直後に彼を踏みつけ殴りつけるスマイルの怒声が素晴らしすぎたｗ 真面目に演技する気無いんだろうなぁ、これ。とにかくインパクト重視の絡みを見せるスマイルとＪＫは、いつも以上に輝いていた。
あるいは後者。花澤香菜は今作では本当に幅広い演技を要求されていると思う。トラックの上で踏ん張りながら「ああああ～」と叫んでいるのは何をやっているのがまったく謎だが、常に視聴者の予測のナナメ上を行く言動が実にこずえらしくて見事。一昔前には、声は可愛いけれど演技力はいまひとつ、という評価だった彼女が、数年のうちにめきめきと演技力を伸ばしているのは今までに目の当たりにしてきたことだが、今作ではまさにその開拓の現場に立ち会っているのではないか。
聞いていて違和感があるくらいにぶっ飛んだ、彼らの演技。これはハメを外すのが許されているのか、それともハメを外すように強要されているのかは分からないけれど（もちろん人によって違うのだろう）、冒険心一杯の演出が音響関係でも存分に行われているのが、たまらない。
・突っ込みはどこまでＯＫ？
ＵＦＯ騒ぎは結局、大人げない大人のイタズラということでオチがついた。けれど、オカルト好きのマヤの心をくすぐり信じ込ませるには十分な驚異性があったわけで、とても作り物とは思えないアトラクションに、いろいろ疑問点をぶつけたくなってくるｗ
ざっと思いついただけで、ＵＦＯの高機動性と遠距離航行をどうやって実現させたか、あの強烈なそれっぽい光はどうやって作りだしたのか、牛の血はどうやって抜いたのか、など、種明かしをしてくれないと納得できない点が多い。いっそホンモノの宇宙人であってくれたほうが、アニメとしてはすんなり納得できただろうに＾＾
強引に説明付けようとすれば、まぁ光と血はなんとかなるかもしれない。強力なライトをちゃんと計算して設置すれば、わざわざ霧の出る場所へ導き入れたことを鑑みても十分実現できそうだし、牛は昼間のうちに一頭殺して血抜きしておけば良い。かなりの出費だと思うし牛の持ち主の了解を得ているのかが気になるが、周到に用意しておけばまぁいけるだろう。
問題はあのＵＦＯをどうやって高速で長距離を移動させることができたのか。牧場ではクレーンで吊っていたけれど、牧場に至るまでの仕掛けがさっぱり思いつかない。ホントにどうやってやっていたのだろう？
ここはぜひとも『空想科学読本』等で検証をお願いしたいところだｗ もし現実に実現可能なら、どこかで自治体ぐるみでこっそり仕掛けを作成してネットで話題を広げたりすると、いい村おこしになるのではないだろうか？ｗ
----
それでは、今回は以上です。
にほんブログ村
↑ランキングに参加中です。拍手の代わりですので、読んで良かったとちょっとでも思ったら、クリックしてもらえると嬉しいです＾＾
・今回のお話と、好感度の良さ
今回は黒木亜美の当番回ということで、前回までのこずえ回に引き続き、マヤの親友トリオの親交を描くエピソード。いまのところ美風、こずえ、亜美のそれぞれに２話づつ割いているが、ゲストキャラに頼りすぎることなく、決して多くは無いメインキャラクターを丁寧に丁寧に掘り下げて行く尺の使い方がとても好感が持てる。
とくに今回は亜美の親父さんが登場したが、家族、とくに親子の絆を色濃く打ち出す作品って近年はめきめき少なくなっている印象で（その代表が「けいおん」）、もちろん作風によるとは言え、高校生のドラマで親を絡めないという姿勢はあまり好きではないので、文明しかり、マヤしかり、そして今回の亜美しかり、親への愛情や接し方を真摯に描こうとする姿勢がすごく好きだ。ましてや今回は、家族の温かさ、心地よさを存分に描いてくれた。田舎っていいなぁ、とかそんなレベルではない魅力が、黒木家にはあった。こういうの、好きすぎる。
個人的趣向（好き嫌い）の問題でもうひとつ、ときどき私は「頬をひっぱたく演出が嫌い」と書くけれど、今回のビンタ（しかも二連続）は肉体的にも精神的にもとても痛そうで、なかなか良かった。痛みを感じるということはすなわち、それだけの説得力や共感性を得ることができているということ。まず肉体的に痛そうに見えるのはアニメーションの出来が良いと評価できる点だし、精神的に痛いと思えるならそれだけドラマに共感しているということなのだ。そうした肉体的・精神的痛覚を追体験させることができないことが目立つから、頬をひっぱたく演出が嫌い、という結論に至ったのであって、ちゃんと演出出来ていればもちろん問題は無い。
今回のビンタは、親子の絆を深く感じ考えさせる、想いのこもったものだった。マヤは父を嫌いと言い、亜美は父を好きだと言うが、その根底には共通の、父親への深い愛情と感謝の念がたしかに存在している。それを言葉ではなくアニメーションと演出（すなわちビンタ）でしっかり伝えられていたのが、今回のエピソードをとても好ましく思えた。
序盤はコメディとミステリー要素が魅力的だった今作も、ここへきてしっとりと情感豊かなドラマを提示できていて、もともと面白いと思っていたものがさらに好感度がアップしてきている。中盤の魅せどころとしてはかなりツボを抑えたものになっているので、後半の展開のさせ方次第ではものすごく好きな作品として記憶にとどめることができそうだ。
・聞きどころ満載の演技
今作は映像・脚本両面で豊富なアイディアを披露してくれていて、それが大きな魅力に繋がっているけれど、同じことが声優の演技についても言える。あるセリフを語らせるときに、予想だにしていなかった演技をやってくれるシーンが幾度も見られて、眼福ならぬ耳福な作品だ。
今回で言えば、テレビで放映されたミステリーサークルを見てＪＫがプリンを吹き出したシーンと、トラックの上ではしゃぐこずえのシーンだろうか。前者では、プリンを噴いたときのアニメーションの可笑しさも相当なものだったが、その直後に彼を踏みつけ殴りつけるスマイルの怒声が素晴らしすぎたｗ 真面目に演技する気無いんだろうなぁ、これ。とにかくインパクト重視の絡みを見せるスマイルとＪＫは、いつも以上に輝いていた。
あるいは後者。花澤香菜は今作では本当に幅広い演技を要求されていると思う。トラックの上で踏ん張りながら「ああああ～」と叫んでいるのは何をやっているのがまったく謎だが、常に視聴者の予測のナナメ上を行く言動が実にこずえらしくて見事。一昔前には、声は可愛いけれど演技力はいまひとつ、という評価だった彼女が、数年のうちにめきめきと演技力を伸ばしているのは今までに目の当たりにしてきたことだが、今作ではまさにその開拓の現場に立ち会っているのではないか。
聞いていて違和感があるくらいにぶっ飛んだ、彼らの演技。これはハメを外すのが許されているのか、それともハメを外すように強要されているのかは分からないけれど（もちろん人によって違うのだろう）、冒険心一杯の演出が音響関係でも存分に行われているのが、たまらない。
・突っ込みはどこまでＯＫ？
ＵＦＯ騒ぎは結局、大人げない大人のイタズラということでオチがついた。けれど、オカルト好きのマヤの心をくすぐり信じ込ませるには十分な驚異性があったわけで、とても作り物とは思えないアトラクションに、いろいろ疑問点をぶつけたくなってくるｗ
ざっと思いついただけで、ＵＦＯの高機動性と遠距離航行をどうやって実現させたか、あの強烈なそれっぽい光はどうやって作りだしたのか、牛の血はどうやって抜いたのか、など、種明かしをしてくれないと納得できない点が多い。いっそホンモノの宇宙人であってくれたほうが、アニメとしてはすんなり納得できただろうに＾＾
強引に説明付けようとすれば、まぁ光と血はなんとかなるかもしれない。強力なライトをちゃんと計算して設置すれば、わざわざ霧の出る場所へ導き入れたことを鑑みても十分実現できそうだし、牛は昼間のうちに一頭殺して血抜きしておけば良い。かなりの出費だと思うし牛の持ち主の了解を得ているのかが気になるが、周到に用意しておけばまぁいけるだろう。
問題はあのＵＦＯをどうやって高速で長距離を移動させることができたのか。牧場ではクレーンで吊っていたけれど、牧場に至るまでの仕掛けがさっぱり思いつかない。ホントにどうやってやっていたのだろう？
ここはぜひとも『空想科学読本』等で検証をお願いしたいところだｗ もし現実に実現可能なら、どこかで自治体ぐるみでこっそり仕掛けを作成してネットで話題を広げたりすると、いい村おこしになるのではないだろうか？ｗ
----
それでは、今回は以上です。
にほんブログ村
↑ランキングに参加中です。拍手の代わりですので、読んで良かったとちょっとでも思ったら、クリックしてもらえると嬉しいです＾＾
この記事へのコメント
ラジコン操作ではないでしょうか。それを伺わせるカットが１つありました。親父さんの仕業だとバレだ直後です。
コメントどうもありがとうございます。
ラジコン、確認しました。ヘリコプターがのっかってますね＾＾ ということは、最初に河原に現れたＵＦＯを何らかの手段で消失させたあと、別の場所からラジコンＵＦＯを飛ばして撹乱＆誘導した、ということかな・・・？