学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 第8話

アクション大作と呼ばせたいオーラがぷんぷん漂ってくるアクションパート。こういうのは嫌いじゃない。




・やっとピンチ到来


前回まで、主人公たちが「やれる、やれるぞぉ!」みたいなノリで調子に乗っているのが鼻につく展開で、ものすごくカッコいい一方で、リアリティの欠落からどうにもドラマそのものが胡散臭く感じられていたのだけど、もちろんそれは意図しての胡散臭さということで、今回は、長く伸びてきた鼻をへし折らんばかりのゾンビどもの猛攻に本気でうろたえる様子が描かれたことで、劇の持つ迫真性が再び強くなってきた。


考えてみれば、いつどこで危険に遭遇するかもしれない中を、咄嗟に対処できないくらいのスピードで飛ばすと言うのは、どう見たって彼らの危機意識が不足していた。彼らはなまじ生き残る術を身につけているがために、一晩を明かして、またちょっと警戒を解いても良さそうだと判断すると、すぐに油断の影が忍び寄って来る。いま彼らがどれだけ苛酷で絶望的な状況の中を突き進んでいるのか、強烈に再認識させられたことだろう。


同じことは我々視聴者についても言えて、ともすれば主人公チームの英雄的な活躍に見惚れ、”奴ら”なんてじつは大した敵では無いのではないかとさえ思いこまされていた。今回も滅茶苦茶な演出(いや、じつに爽快だったw)で描き出されたアクションシーンはまったく非現実的で、生死の間をさまよっている深刻さはあまり感じられないが、しかしそれでもあと一歩で全滅という状態に追い込まれたというのは、あらためてこの世界の危機的状況を実感させるには十分なものがあった。これでまた、ストーリー展開的にも面白くなってきそうだ。


もちろん今までがつまらなかったとは言わないが、せっかく世界の終焉を描いているのだから、主人公だから生き残るのが当然、なんて創作物のお約束事を忘れさせてくれるくらい、ギリギリの攻防を見せてくれないとはじまらない。





・どこまであがき続けるのか


Cパートの最後に小室孝が独白したように、まだ彼らはまだ決して死を受け入れる心づもりはなく、それどころか迫りくる危険を楽しんでさえいる。彼が「気分は最高だった」と言っているのは、生き残っていることそれ自体を喜んでいるというよりはむしろ、自分がゲームのヒーローにでもなったかのような感覚を味わっているように見える。敵を容赦なく叩きのめし、好きな女を守り、そのうえ自分はまだやられていない、永遠に生き残っていられるようにさえ感じる。おまけに彼の場合は、憎き恋敵を自分の手で屠っているのだから、男子としてこれ以上の快感はあるまい。


暴力によって他者を服従せしめるのは、多くの男にとってもっとも根源的な欲求のひとつだろう。小室孝にとって周囲の状況は、そんな欲求を満たしてくれる格好の場所に見えているのかもしれない。”奴ら”を殺したところで誰にも咎められないどころか、むしろ敵をぶち殺すのは称賛され憧れの対象になる行為であるし、自分の暴力行為が確実に誰かの命(その中には恋人候補だっている)を救うことになるのだから、有頂天になるのは当然だ。


さきほど、主人公たちが調子にノっているのが鼻に付くと書いた。もちろんそれはわざとそういう悪意ある書き方をしたのだが、そこには彼らが大変な状況の中を必死に生きているのがイマイチ伝わってこなかったという問題の他に、平和な日常を過ごしている我々にとっては、彼らの生き様がどうにも傲慢に映る、という問題があるのではないかと思った。


しかし本来、人間が、男が生きるとは、じつにこのように傲慢であるべきなのではないだろうか。現代社会はあまりにも膨大なしがらみを張り巡らせ過ぎていて、男子本来のあり方を失わせようという意識が働きすぎている。例えるなら、本来は一匹で暮らして行かなければならないハズの雄のライオンを、雌と子どもたちが築き上げている集団生活の輪の中に引き入れ、飼いならしているようなものだ。社会とはそのもともとの成り立ちから、一人の人間の生き方など無視して、集団として生き延びることを優先して法や慣習が作られているわけで、周囲に危険が多かった原始時代ならそれで良いかもしれないが、現代においてはその意義をとっくに失っているように思う。


もし劇中におけるゾンビの大量発生という事態が、もうとっくにその存在意義を失った社会組織の息の根を止め、人間が本来の生のあり方を取り戻すために働いているのだとしたら、今作はじつに有意義で面白い状況を作り上げてくれていると思う。


人間が生き残れるか否か、その結末に心を配るのも良いが、同時に、社会を破壊された人間をどのように描いているのか、それを自分たちの生き方や今後の社会のあり方と照らし合わせながら考えていくのも面白い。シリーズ後半戦で、そういったところまで踏みこんで描いてくれることを期待したい。





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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

2014年01月18日 00:52
批判対象になる今の自分たちのこのブログ省を退官し、 http://www.flvasc.com/ の元キャリア官僚、宇佐美典也氏と声を掛けていただていたので、けました― http://www.hyaanh.com/ とによって、 http://www.akwatu.net/ を読みこんで、されたくただ総じて、なことを言うと迷惑もいました。 http://www.renewingfaces.com/ 応援の声でした。ったです。といった心配の声が半々は著書のしていると、そうした激務に耐え志がある http://www.coffeewithus.com/ でしょの無理も我慢官僚という仕事た仕事では配を担 http://www.caellis.com/ 法律や税制の仕組み一流の研究者や会社そうした知見を楽しかったです丸を背負うというのはにもなりえると思が判断して中であ http://www.angelnadezhdi.com/ 再編を担当していをこなさなき官民折半で研究してもらわなけとなりました。 http://www.adtrx-24.org/ 業と日本企業の間で承認されるまではとプロジェクトで

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