オオカミさんと七人の仲間たち 第11話「おおかみさんと羊の毛皮を着た狼」

今回は傑作だった!




・いちおう大団円


実質的には最終回ということになるのだろうか? いままでの、シリアスなドラマを重視したシナリオバランスからすると、この羊飼いを倒す話をテレビシリーズ最終回に持ってくるという構成なのかなぁと思っていたから、今回はタイトルどおりに羊飼の鬼畜っぷりを強く印象付けるためのエピソードなのだと思っていた。


ところがどうだろう。これは冗談半分にでもタイトル詐欺と言われておかしくないと思えてしまうほど、狼(=羊飼・・・だよね?)のキャラ描写も、また大神さんと彼との関係にも触れないで、王子さまである亮士くんを中心に据えたヒロイックドラマに終始した。あれ、もしかして羊の毛皮を着た狼って違うキャラのことなん・・・?


大神涼子のトラウマと、それに関わる羊飼士狼のエピソードを、くどいほど意識させ続けてきたこの作品。それにしては、そんな伏線がほとんどうっちゃられたままいったん大団円的なまとめをやってしまったことには、アニメからの視聴者としては強烈な不満足感を覚える。ただ原作通りに展開させているのなら文句は言えないかな。まさにお伽話的な展開でヒロインを救って見せたこと、そこに亮士くんの大神さんに対する想いがしっかり描かれていたこと、アクション作画の良さや賑やかしい銀行員たちの活躍といったビジュアル的な面白さがあったことで、伏線未回収なもどかしさを差し引いても十分に楽しめた。




・暴力の深刻さとリアリティ


とくに今回は、本来であれば学生の手に余るはずの種々の暴力行為を躊躇なく描いてきた今までとは違って、じつにアニメ的な軽いタッチでワイワイと描かれた戦闘パートの存在が、作品から受ける印象を好転させるのに大きく貢献していたと思う。


私は、不良とかイジメとか売春とか犯罪行為とか、そういった健全な社会生活にはあって欲しくない人間の行為を、さも当然の存在としてアニメやドラマ等で描かれるのがけっこう嫌いだったりする。自分がそうした社会の裏側に潜む闇を恐れているというのが単純な理由だけれど、アニメのように広く提供される娯楽で、そうした存在を安易に肯定してしまうように見えるのが、ひどく違和感を覚えるのだ。同じような感覚でタバコがカッコよく描かれるのも嫌いw (自分は大の嫌煙家です)


だから今作が、そもそものはじめから不良を登場させたり、あるいは女性への性的暴力を匂わせるシーンが数多く描かれるのに、ちょっと辟易していた。いくらやられ役だと言ったって、見ていて決して気持ちの良いものじゃない。とくに今作はせっかくお伽話をモチーフにして、いかにもライトなキャラクターコメディらしい作風を装っているだけに、生々しい”悪”の描写が逆に作品としてのリアリティを損なっているとさえ思っていた。へたれカッコいい亮士くんとツンデレな大神さんのヒロイックなラブロマンスを描きたいなら、もっと虚構性を強調したお伽話的・演劇的世界の中に、読者なり視聴者なりを巻き込んでくれればいいのにとか、そんな無茶苦茶なことを考えながら視聴していた。ファンの方、申し訳ありませんw


まぁそんな、激しく間違った視聴態度を取っていた自分にとっては、ここに来てようやく見たかったものが見れたなぁと、大満足のいく回だったわけだ。途中までは心証を悪くする不良たちが暴れていたものの、すぐにその陰惨なシチュエーションはギャグアニメのノリに早変わり。水着ギャルの群がる浦島やコスプレを強要されるおつう先輩の絵に激しく笑わせてもらったあと、完全にチーム御伽銀行のうるさいくらいに賑やかなペースに巻き込まれていって、しかも集団戦で展開される各人の活躍の描き方が素晴らしかったから、すっかり画面にのめり込んでいった。


もちろん極めつけは亮士くんと羊飼との一騎打ち。いったいどんな格闘ゲームかという見事なアクションはただそれだけで惚れ惚れするアニメーションだったし、亮士くんが自分の戦うスタンスをしっかりと見極め、冷静になって拳を打ちこんだ一連のシーンはもう言葉が出なかった。亮士くんが頭を冷やすために間を取ったときのローアングルからの視線、気持ち悪いくらいにパースをきかせた羊飼の伸びのある動き、その羊飼の攻撃を交わした時のカットイン、そして渾身の一撃の3連続ショット。こんなに心地よいアクションシーンを見せてくれようとは!


この亮士と羊飼の決闘シーンは、現実的にはとうてい真似できない動きでもって描かれている。あるいは他のメンバーの戦闘シーンも同じで、頭取の変装とか、マジョ先輩のおなら煙幕とか、ありえないだろっ! とツッコミを入れたくなるような空想的な描写だ。だがこうした非現実的表現法が、不良たちを現実的な生々しさを持って描いたからこそ逆に損ねることになった作品のリアリティ(迫真性)を、十二分に補完して見せたと思う。やはりアニメはこうでなくては。




・最終話はどうなる?


さて、羊飼との勝負にひとまずの決着を見た今回。頭取が怖いことを言っていたし羊飼もまだまだ戦意は旺盛だったから、とうてい事件そのものに決着がついたとは言い難いけれど、それは原作でフォローしなさいということか。


こうなると、次回は何をやるのだろうね。選択肢としては、無事に平和が訪れた御伽銀行の面々を、とにかくコメディタッチに描いて楽しませてくれても良いと思う。というか、そういうのが見たいw けれどサブタイによるとなんだか不幸な少女が出てくるそうで、しかもマッチ売りじゃないってことは別に童話をアレンジした物語でも無さそうだとなれば、やはりここは大神さんの過去の秘密を描きつつ、亮士くんを始めとする仲間たちによる、過去に縛られた大神涼子の心の救済を描くことになるのだろうか。


まぁ、さすがに羊飼が出張って来ることは無いだろうし、笑わせるにせよしんみりさせるにせよ、あるいはベッタベタに甘いラブコメをやってくれるにせよ、落ち着いた精神状態で視聴に臨むことができそうだ。




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それでは、今回は以上です。


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