伝説の勇者の伝説 第12話「大掃除の宴」

いよいよ国外の敵対勢力が鮮明になってきたか?




・アークメルの惨劇


アルファ・スティグマの子どもを拾ってルーナ帝国の騎士団から追われるライナたちを、今回は道化役として前後に挟みこんで、本編はミラン・フロワードの活躍する陰謀劇と国際情勢の行く末を案じさせる展開だ。着々と政治劇が進行しているのが、適度に期待感を煽っていい感じに盛り上げてくれる。早く戦争始まらないかな♪


ミランの陰謀は、これまでにも何度も描かれてきたのと同じように、凄惨で容赦の無い、しかしじつに効率的なもの。前回語られた、本来なら貴族の命にも気を使って選択されたはずのシオンの政策が、結局はより多くの血を流すことに繋がると言うミランの忠告が、文字どおりに実行されたカタチだ。この場で殺された貴族たちの中には、老いた者も若い者も、男も女もいたが、きっと優秀で心ある人材もいたに違いない。貴族を挑発しているとしか思えない国王の平民贔屓が、説得や脅迫によって救えたかもしれない命を、その暇も無く葬り去ってしまったことになる。まぁ、ミランは楽しんでやっているように見えるので、視聴者からすればシオンの責任は少し軽く見て上げても良い気にはなるけれど。


ミランは義父の愛人だったっぽい描写。この美貌の青年であれば、そしてローランドの腐った貴族体制の中でであれば、さもありなんと言ったところだ。そしてだからこそ、ミランの過剰とも言える貴族階級への憎悪が、より説得性を持ってこようというもの。本来であれば、こんな虐殺をしでかしたミランを視聴者は嫌悪してしかるべきであろうが、彼の哀しい内面が垣間見れたおかげで、クラウが彼の救出に駆け付けたシーンにホっと安堵の息を漏らし、その直後のミランとクラウの会話にどこかしら暖かい温もりを感じることになった。今回はじめて、ミランがシオンの部下としてその存在を肯定されたような気がする。


今後は、ミランは多少は親近感のあるキャラクターとして、シオンや他の仲間たちとともに国家運営にあたる様子が見れるのだろうか。今回のエピソードは、国内の不穏分子を一掃できたこと、敵対勢力の顔が見え始めてきたことと同時に、シオンを中心とする政府が機能上だけでなく気持ちの上でもまとまりを得るきっかけになりそうで、物語上なかなか重要な転機となりそうだ。




・ガスタークの足音


ミランが、脅迫によってシオン陣営に取り込もうとしたステアリード公爵だが、予期せぬ敵によって殺されてしまった。謎のピンク髪の意図はミランが見事な推理(解説ともいう)によって分かりやすく明らかにしてくれたが、このミランの推理もあくまで推理でしかなく、真相は彼の読みとはちょっと違うらしいことが劇中から推測される。明らかな説明セリフと見せかけておいて、じつはそれが正解ではないという、こうしたミスリードは政治劇の醍醐味であり、今作が非常に巧みに描いて見せてくれているものだ。


ミランの推測では、あのピンクはステアリード公爵と懇意にしていた国家(=隣国のルーナ帝国)からの刺客で、公爵を殺害することで、ローランド国内を掻き回そうと画策していた事実を隠蔽しようとしていた、という構図だった。しかし恐らくピンクはガスターク帝国からの刺客で、ルーナ・ローランド間の関係を断ち切り、名実ともにルーナ帝国をガスタークの同盟国に取り込んでしまおうという計略のようだ。ルーナ帝国の国交関係(なぜローランドとガスタークのどちらかとしか結べないのか)はちょっと分からないけれど、はるか北方に位置するガスタークが、もう積極的に大陸南部へ工作員を送り込んで来ているというのは、不気味な事実である。


そのルーナ帝国は、勇者の遺物に詳しいあのオルラ兄妹が襲撃。この兄妹がガスタークの手先だというのが明らかになると同時に、今作のストーリーの基軸が、勇者の遺物を収集しようとする二つの国家の争いに集約されるらしいというのが、はっきりと作中で言及されたようなもの。しかも次回はそんな北方情勢を描くようなので、いよいよシオンも、国外に目を向けた行動に移っていくことになりそうだ。謀略や暗殺といった息のつまるようなつばぜり合いも良いが、大きな動きのあるドラマをそろそろ見せて欲しいところだったので、楽しみだ。キファ・ノールズにも注目!w




・そのほかのこと


ちょっとだけ苦言。いまのところ、たった一人で怖ろしいチカラを発揮できる一握りの英雄の活躍で政治情勢が動かされているが、こういう作劇はまったく好みではない。どんなすごい人物でも、能力(とくに戦闘能力)には現実的な限界があってしかるべきで、その制約の中で知恵と根性と運とを活用しながら人間たちが活躍し、ドラマが紡がれていくのが好きだ。エスタブール反乱のときも感じたゲンナリ感が、今回のエピソードからも強く感じられてしまったのが、ちょっと残念。ローランドはバケモノだらけだと評されていたが、普通の人間では到底太刀打ちできないバケモノだけが主役になり得る英雄譚なら、あまり楽しんで見れないかもしれない。


ファンタジー世界なのだからすごい能力者がわらわら出てくるのは構わないし、魔法戦は大好きだからどんどんやって欲しいのだけど、バランス感覚というかね。フロワード邸での一件だって、指輪の力ではなく、ローランド兵数百人による待ち伏せを見せてくれたほうが、より生々しいシーンになったと思う。勇者の遺物らしいあの指輪のチカラがすごいのは、分かるんだけど。魔法にせよメカにせよ、能力のインフレはストーリーや戦闘シーンの面白さを減退させる。




あと全然関係ないこと。CMでやっている、携帯電話でのゲームサービスを、ちょっと始めてみた。ケータイでゲームなんて一切やらなかったからどうなるかなと思ったけど、予想してたよりずっとしょぼくてつまらなかったが、想定してたよりずっと面白かった。何を言っているのか分からないw でも面白いです。フェリスがレベル上がったときに「美人に磨きがかかってしまった」とか言ってるのが笑える。このゲーム、システムをもっと豪華にして、PC版のブラウザゲームとかにしてくれないかなぁ。mixiとかでサービス展開したりとか。


まぁせっかくなので、しばらく遊んでみようと思います。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

2010年09月17日 18:45
こんばんは。今回も興味深く、楽しく感想を読ませて頂きました。

>たった一人で怖ろしいチカラを発揮できる一握りの英雄の活躍
そうですね。“魔法”や“遺物”と言ったものがどれだけの能力を持つのか(現代風にいえば、それらは拳銃相当なのか、それとも戦闘機や爆撃機相当なのか、あるいは核爆弾相当なのか)と言う部分があまり明白でない点も、見ている側としてどうしてもパワーインフレが起きているようにしか見えませんね。

これがライナSideだけなら英雄譚の一つとして許せる範疇かもしれませんが、シオンSideは取り扱っているのが国としての情勢であり、内務であり、外交であると言った部分ですからね。

実際、今週のストライクウィッチーズ2でもそうだったように、たった一つ・一人、あるいは極めて少数の決戦兵器(この世界だと英雄と言う括りでしょうが)に頼る危険性があまり描かれず、それですべてことを成し遂げられてしまいそうな雰囲気は、確かにこの作風には正直(特にシオンSideには)あまり合わないですね。

それでことを成せてしまうなら、シオンがここまで手を拱いていた意味の一つが薄れてしまいそうです(汗

とは言えこれからは他国との外交や紛争に、シオンSideは重きが置かれるでしょう(原作を知らないので、あくまで“たぶん”ですが)。
そうなると、相手は千単位、万単位相手ですから、もう少し軍事戦術的・戦略的な側面が見える……かもしれないですね(あくまで期待ですが…苦笑

おパゲーヌス
2010年09月17日 23:56
>月詠さん
どうもありがとうございます^^

このあたりのバランス感覚は難しいところなんですけどね。とくに魔法のカッコよさをアピールしたいときに、一人で何千人もの敵を壊滅させたりする描写をやりたくなるのは分かるし、そういうのが見たいという気持ちもあります。でもドラゴンボールみたいな作品ならそればっかりでも良いのでしょうが、政治とか軍隊とかを登場させる硬派な世界観の場合は、英雄の見せ場をきちんと描きながら、かつその英雄を大きな戦局のダイナミズムの一要素にとどめておくというのは、高度な演出力・描写力が求められるのでしょう。

シオン側の展開で、戦略に関してはかなりじっくりと描いてくれるであろうことは、これは大いに期待しています。宮廷内の陰謀劇に関しても、セリフ聞いてるだけでは頭が追いつかなくなりそうなくらい、レベルの高い作劇を行ってくれていますから。これから軍事衝突も含めた外交戦略が描かれる上で、よく練り上げられた展開を見せてくれるのは確実でしょう。あとは個々の戦術レベルの話を、巧いやり方で見せて欲しいですね。

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