あそびにいくヨ! 第11話「さがしきにました」

キーパーソンになるかと思われたユーイチ叔父さんの扱いがひどかった件w




・戦略レベルのつばぜり合い


いよいよドギーシュアとの決着をつけるべく、騎央やエリス、ネコミミ財団のみなさんが奮闘する今回のお話では、絶望的な状況をなんとか打開しようとする主人公たちと、それを妨害するジェンスの戦略レベルでのつばぜり合いが激しく火花を散らす展開だ。


これまで、今作で描かれる戦術(=ひとつの戦闘における、戦力行使の方法)がアニメとしてはかなり優秀であることは何度も指摘してきた通り。しかし今回は、戦争全体を見据えて個々の戦闘を有利に導くための戦略が、同じくらいの秀逸さで我々の前に提示されたエピソードだった。今作はやはり、まったくもってあなどれない作品だ。


地球権益をめぐる犬と猫の戦いは、どちらかが地球の政府との接触を断念せざるを得なくなった時点を決着とするものだ。そしてその決着点を目指して犬のジェンスが立案した計画とは、キャーティアシップを地球に落とす(あるいはその恐怖感を地球人に思い知らしめる)ことで、キャーティアという種族そのものを警戒するよう仕向けさせるものであると、考えて良いだろう。キャーティアシップが惑星に被害を及ぼさずに自爆することは無論ジェンスも分かっていて、しかしそれを知らない地球人が全力を挙げてこれを撃墜しにかかれば、もはやキャーティアと地球人との間に国交の樹立はあり得ない。じつに理に適った作戦だ。


そしてそれを実行するための攻撃が、前回描かれた戦闘。前回は3か所への同時攻撃が行われたが、上記の目的からすれば第一目標はあくまでキャーティアシップの乗っ取りであり、かつクーネ艦長を行動不能に陥らせることであった。ほとんどセリフのみで描かれた今回のAパートが冗長にならなかったのは、視聴者に「そういうことだったのか」と驚かせ納得させるだけの、巧みな戦略が明らかになったからこそのものだ。




さてそれに対して、当然エリスたちは反攻作戦に打って出る。状況を冷静に分析し敵の狙いをはっきりさせたところで、キャーティアシップが本格的に地球人とのいざこざの種になる前になんとかしてこれを奪還し機能を回復することができれば、十分すぎる証拠のもとにドギーシュアの陰謀を暴き立てることができる。そうなればドギーシュアの危険性が認知され、犬猫戦争に勝利することができるわけだ。そしてそのために、とにかく宇宙へ出るという単純明快な目標まで設定するにいたったのは、ちょっと強引なくらいに都合の良い分かりやすさだが、これがエンターテイメント作品としてはもっともベストな展開だったと言えよう。大局的な戦局の推移の中で、ただの一般人である騎央に主人公らしい活躍の場を与えるという難題を、なんなくクリアしてしまった作劇の妙。見事だ。


で、さらにポイントだったのが、クーネ艦長がその権限をギリギリのところで騎央に譲り渡していたという、キャーティアたちや我々視聴者にとっては起死回生の仕掛けが、それさえもジェンスには想定内の出来事であったというこの事態の逼迫性。いったん大きく犬側へ流れが傾いていたのを、一気に引き戻したと思ったら、またひっくり返されそうになっている。こうやって、戦略レベルでお互いが知恵と技術の限りを尽くしてぶつかり合っている様は、本当に手に汗握るものがあるなぁ。


ともあれ、これで最終的な激突へ向けての準備は整った。騎央は宇宙船を完成させ、ジェンスは必勝の構えでNATO軍をも利用しながら攻撃にかかろうとしている。地球をめぐるキャーティアとドギーシュアの戦いが、どのような結末を迎えるか、次回を楽しみにしたい。




・試される騎士(ナイト)のタテマエとホンネ


今回はそんなわけで、物語の中心はあくまで軍師役のエリスと、彼女の作戦を実行に移すアントニアたちにあったから、キナ臭い戦争ドラマの影にラブコメ要素が隠れつつある印象がどうしても付きまとってしまう。だが、騎央のもどかしさは相変わらずイライラさせるものではあっても、彼に想いを寄せる二人の騎士の葛藤が迫真の演技のもとに描かれたのが、今作があくまで恋愛と友情の狭間で揺れる青春時代のドラマであることをしっかりアピールできていたのは良かった。


アオイと騎央をくっつけようと画策する真奈美は、たしかにおせっかいそのもの。それに怒るアオイの様子も当然ではある。ただこの二人は、相変わらず本音の上にタテマエが存在しているため、感情吐露の場面もまずは建前の殻を打ち破って見せる二段構えのセリフ遣いになっているのが、もどかしくも面白い。


真奈美は、自分が騎央のことを好きなのに、どうしてあんなおせっかいを焼くのか。自分よりもアオイのほうが似合うとか、目の前の純真な少女を泣かせたくないとか、そういう建前があるのだろうと思う。しかしその本音は、自分自身が勇気を振り絞って騎央に接近するのが怖い、もっと言えばフラれて傷つくのが怖い(=それほど好きになってしまっている)、そしてそんな自分の恐怖を歯牙にもかけないで騎央にベタベタしている宇宙人が妬ましいと、だいたいそんなところだろうか。恐怖とか嫉妬とかいう自分の醜い感情を、心底情けなく思って嫌気がさしてもいるのだろう。それを誤魔化すために、アオイに自己満足的な協力をしている。


一方のアオイは、そんな真奈美の、悲劇のヒロインぶった自己犠牲的な献身が、ひどく鼻についたのは間違いない。だがそれをずばりと指摘してかかる前に、まず「今の状況を考えて」云々という発言が飛び出してしまうあたり、彼女も相当にひねくれた性格をしている。それは自己卑下や臆病から出た防御の策であるのは間違いなく、本当はどんなことよりも騎央と自分の友情・恋愛関係を大事に思っているのに、やれ危険だとかなんだとか言って目先の事柄に逃げ口実を求めているのが手に取るように分かるのが、真奈美をやきもきさせている要素だ。


このようにお互い、相手にも自分にも嘘をついてタテマエの話を口にしているのが、お互いに傷つけあって感情の爆発を呼び、なし崩し的に本音トークへと突き進んで行く。二人の微妙な心理の揺れを巧みに描き出しながら、一触即発の事態(というかもう何度も手が出てるけどw)を呼び込む緊迫したセリフの応酬をしているのが、二人のキャラクター性を如実に表現してしまっている。素晴らしいと思う。


惜しむらくは、どうしても外部的な要因のせいで、二人の感情吐露が一番大事なタイミングで何度も邪魔されている点だ。このテレビシリーズで恋の決着を付ける気が無く、最終回まで三角・四角関係を引っ張るであろうことは明白だから、二人の感情にろくに発展のきっかけも与えないまま放置しているのは、シリーズ構成上やむを得ないことではあるのだが・・・。もちろんこの辺は、あまりに鈍感すぎる騎央の描写についても同じことが言える。


このテレビシリーズが、最初から最後まで派手なドンパチと勢力抗争を欠かすこと無く描き続けてきたのは、そうした要素がとても面白いので大いに結構ではあるのだけど、今作のラブコメ要素を楽しみたいという観点からすれば、ちょっと残念な展開ではあろう。騎央が壊滅的に鈍感で、メインヒロインらしきエリスがまったく恋愛ドラマに首を突っ込んで来ず、スリリングな真奈美とアオイのやり取りもいいトコロでおあずけを食ってしまう。


この恋愛要素がどんな展開を迎えるのかは原作で楽しみなさいということで、アニメ化の企画としては大いに納得のいくやり方だとは思うが、ぜひここはラブコメメインのストーリーでアニメ第2期を期待・・・なんて気にもなってくるなぁ。




しかしまずはとにかく、犬猫戦争の結末がまずは最高のエンターテイメント性をもって描かれることを楽しみにしながら、真奈美とアオイが心情的にも救われる大団円な結末を、迎えて欲しい。楽しみにしよう。




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それでは、今回は以上です。


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