みつどもえ 第13話(最終回)「丸井さんの家庭の日常」

良かれと思った行動がことごとく裏目に。そんな人生の不条理を最後まで楽しませてくれた!




・最終回感想


髪を下ろしたふたばが可愛くて、風邪うつすだろうから登校するな、と思いつつ、普段とは違うふたばの様子が見れるかなぁと期待していたら、予想の斜め上すぎて笑ったw キャラの顔をとことんブサイクにゆがませるという点で、ギャグアニメとして徹底してるよなぁ。 保健室でちょっと寝る、という”間”を挿入して劇的に状況を転換させるのは、もちろん非現実的な描写なのだけど、こういうのを見てるとドリフのコントを強く連想する。ただ変化した先に萌えを見せてくるのは深夜アニメの文法だけど。三女かわいいよ三女。


もう13話ともなってくると、丸井家のエピソードを描く上で、ふたばはその役割を完全に全うし、第一線から退いている印象だ。今回も丸井家の描写は、ひとはとみつば、それに草次郎のエピソードだった。ふたばはシリーズ序盤から中盤は大活躍だったけれど、さすがに彼女を単独で見せるネタは枯渇してしまっている感じかな。暴れてモノ壊すだけだし。2期で三つ子を描くことになったとき、この閉塞感をいかにふたばが打破するか、そこに作劇の幅を求められるかどうかが、けっこう重要なポイントになってきそうだ。思考や感情の起伏が激しく、人間性に裏がありまくる みつば と ひとは は、まだまだ掘り下げ甲斐がありそうだし。


ひとはの場合は、ちょっとエロティシズムを感じさせるシチュエーションや作劇が、ひとつのポイントだと思う。三つ子の中では見た目がもっとも地味で、だからこそ精神的に大人びた印象を抱かせ、スカートの中が気になるキャラとして成立している(ふたばやみつばのパンツは、見ても何も面白くないw)。だから、矢部っちの訪問を草次郎が激しく勘違いしてしまうエピソードも、その勘違いに仄かな劣情を刺激するシチュエーションが絡み合っているのが、じつにじつに魅力的だった。ひとはを脇に抱えて持ち歩く、布団に隠れさせて「守ってあげる」と宣言する、最後は同衾を強く連想させるシチュでおとす。あざとすぎないフェティシズムの漂うエピソードだったのではないか。とくに、草次郎登場前の、戸松遥の声質を有効活用しまくったひとはのそっけなさと対応させると、キャラというかシチュエーションのほうに、ツンデレ属性が備わっていたと言える。別にひとははデレてはいないわけだが、矢部っちとひとはの間の男女の仲を空想させるほどには距離感を縮めていたところに、ちょっとしたギャップ萌えがあった。


みつばの遊園地をめぐるエピソードは、もうなんだか、「ザ・みつば」って感じで良かったなw 普段は皆を自分の下に置きたがっているくせに、誰かが自分のせいで不幸になるのを許せない。また一度発言したことを貫き通すプライドも持っている(=非を認める勇気を持っていない)から、問題がこじれ始めると、途端に首が回らなくなってしまう。身近にいたらウザいけど、愛すべきキャラクターだなぁ。彼女が普段、みんなを下僕にしたがっているというのは、ただ負けず嫌いが高じているというのもあるが、同時に周りの誰もが幸福になれる世界を、自分の手で作り上げたいという願望があるのだろう。しかもその「誰もが」という条件に自分の存在も含めたとき、何事にも負けたくない自分の性格を鑑みて、自分を女王として君臨させるみつば王国の構築、という手段に必然的に帰結したのだろうね。もし下僕が反抗さえしなければ、この女王さまは自分の全てを投げ打って、皆の幸福のために尽力するに違いない。どうしてそうひねくれ者になってしまったんだw


弾き語りバージョンで流れるEDテーマに乗せて描かれた一人ぼっちみつばの救済は、意志の伝達の不全による不条理で支離滅裂な会話劇を基調とする今作のスタンスにおいて、珍しくその言動が誤解を生まずに綺麗なカタチでまるく収まった例だ。提供絵のオチは置いておいて、すれ違いを何度も何度も描いてきた今シリーズの最終エピソードとしてこういう結末を迎えたのが、心温まる良い読後感を味わわせてくれた。




・シリーズ感想


いちおう今回で一区切り付くわけだが、第2期(全8話らしい?)もあるようだし、まだまだ「みつどもえ」の快進撃はやみそうにない。第2期でも変わらず面白い作品を提供し続けて欲しい。


今作の面白さとはどこにあるかと言えば、これは人によって色々と意見が異なるかもしれない。ただ今作のギャグが、徹底して勘違いからくる会話の不成立を描き続けており、それが今作の主要コンセプトであることは疑い得ないだろう。


この勘違いネタ。これまでもあちらこちらで、似たようなネタが多すぎて面白味に欠ける、という意見が散見された。たしかにその意見は分からなくも無くて、キャラやシチュをとっかえひっかえしてはいるが、わりとワンパターンなギャグが繰り返し繰り返し描かれ続けてきたことに辟易する視聴者も当然出ることだろう。30分まるまる勘違いネタ、みたいな話数もあった気がする。


これを趣味の問題として片づけてしまうのは簡単だが(実際自分は繰り返される勘違いネタのオンパレードをまったく苦にしなかったどころか、これが面白いからこそ視聴を続けていたようなものだ)、しかし一方で、作劇やギャグのネタの幅は、もっと広くても良かったかもしれないとは思う。そうすると「みつどもえ」のオリジナリティが薄れる気もするからあまり自分としては賛成できないけれど、前述のふたばの作劇上の役割に関する問題にも見て取れるように、今作のキャラや世界観が提供し得る可能性の幅をどこまで活かしきれているかという点で、物足りなさが無くは無い。


あるいは第1期のほとんどの話数において、あくまで丸井家三姉妹を描くエピソードとして構成されていた点もそうだ。これだけ魅力的な脇役勢を配しながら、脇役がメイン級の扱いを受けるエピソードが思ったよりずっと少なかった。三つ子はそれ単体でも十分に魅力的なのだが、脇役が前面に出てきて絡んでこそ、三つ子の魅力も何倍にも輝くと思う。そうした可能性が十分に垣間見れたものの、作り手(原作段階かアニメ段階かは分からないが)がぐっと我慢して三つ子を描き続けていたように、見えなくもない。それは尺や構成上の問題で仕方なかったが、もし2期の存在が無かったら、ちょっと不平を述べたくなる部分であろう。


逆にいえば、2期ではそうした、1期であえて目をつぶった今作の新たな可能性の部分を、思いっきり開拓していってくれたら熱い。もちろん原作との兼ね合いもあろうが、極めて魅力的でありながら1期ではわずかな活躍の場しか与えられなかったたくさんのキャラクターたちを、ワンパターンなギャグではなく千変万化のエンターテイメント性のもとに描き出して欲しい。そして、それが十分に期待できるだけの作品であり、アニメーションであると思う。




本当だったら今作は、ゴールデンタイムに子供向けのギャグアニメとして放映しても、十分に成立する作品だと思う。アニメも漫画も、昔は下品なネタを扱う作品が子供向けに広く作られていたと思うのだけど、今はどうなのだろう。かつて日本の子どもたちのほとんどが”しんちゃんしゃべり”をしていたのと同じくらいのムーブメントを巻き起こすくらいの、力のある作品だと思うのだ。すっかり青年・大人になった我々が楽しんでおくにはもったいない、子どもたちにこそ見てもらいたい作品だ。幼稚園や小学校で、全国の子どもたちが一斉に「ちじょになる!」と叫び出す光景なんて、じつに微笑ましいではないかw


ともあれ、毎週毎週全力で笑わせてもらった作品だった。しばしの別れを惜しみつつ、2期の放映を楽しみに待ちたい。




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それでは、これにて以上となります。どうもありがとうございました。



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