百花繚乱 サムライガールズ 第2話「裸体転生」
ボケボケなエロラブコメ回。こういうノリは大事です
・見事だったアクションシーン
戦闘パートの真っただ中で幕を引いた前回のエピソードを受けて、今回はまずマスターサムライとして降臨した柳生十兵衛の、強さとかっこよさを徹底的に描く場面から始まった。
噛ませ犬的な立場に過ぎない服部半蔵だが、彼女が本気を出したらすごく強いのだということをしっかりと視聴者の目に焼きつけた上で、さらにそれを圧倒する十兵衛の戦闘力を見せつけるという展開は、まさに我が意を得た作劇だった。これは戦闘パートを盛り上げるのならどう考えたって鉄板な展開なのに、ちゃんと見せてくれるアニメってじつは意外と多くない。アニメーションの部分で頑張らなければならないから、アクションの見せ方が巧くなければ出来ないことなのだろう。
今作の場合は、視聴者の想定を上回るだけの戦術なりアクションなりをしっかりと映像で表現できており、時間と空間の物理法則を無視したような動きや演出が、まさにアニメーション的な快楽を堪能させてくれる。今作特有の墨汁飛沫を多用した画面操作が多少煩わしく感じさせはするけれども、赤色と黒色に支配された虚構的かつクールな舞台の上で縦横無尽に飛びまわるキャラクターアクションやエフェクトの派手さは、今回のクライマックスシーンに相応しい。
・設定が少しづつ明らかに
そんな圧倒されるアクションを描いて置きながら、それでいて、真面目なんだけどどこか笑ってしまうような緊迫感の無さが、同時に存在しているのがこの戦闘シーンの面白いところ。本気で命のやり取りをしているのだけれど、それでいて学園モノのコメディの範疇にも収まっているのは、今作のごった煮感をまさに象徴しているようだ。国家組織と学園組織を同じもの(?)として扱っているというのは、どこかで見た設定な気もするけれど、作品世界の虚構性を強く印象付けるのに効果的に働いている。シリアスとコメディが中途半端に混在しているというのではなく、十分に緊迫感がありながら、プラスの要素として可笑しな描写が少しづつ紛れ込ませてある、なかなかに絶妙な塩梅であると思う。
ところで第1話を見た時は思いっきり勘違いしていたのだけど、千姫のお兄さんが主人公なのかと思ってたら、全然違ったのねw 千姫の兄である徳川将軍(生徒会長)はなんだかラスボス臭をぷんぷんさせて、ピチピチスーツに身を包んでむくつけき肉体美を披露してくれた。この人がパリで何をやろうとしているのかは、今後の展開を待ちたい。
もちろん今回もっと重要な問題であったのは、マスターサムライ・柳生十兵衛の存在。マスターサムライが”将”と契りを交わさなければならないという設定を冒頭に語っておきながら、将でもなんでもない主人公・宗朗と契約したような格好で登場した。となれば、将=時の権力者、という設定自体がブラフで、もっと精神的な意味での将の資質を問う展開になるのだろうし、宗朗の精神論をくどいほどに何度も何度も描いている。そして十兵衛が紛れもなくマスターサムライであるということが明らかになったわけで、今後は「将とは何か」という武士道論的観点から、作品テーマが描かれていくことになりそうだ。
今作は、特殊な映像演出とじつに見応えのあるアクションがまず第一の魅力であろうから(露骨なエロコメディは個人的にはさほど視聴意欲を掻き立てない)、狭い部屋のなかで女子たちがかしましく騒いでいるだけのBパートなどは、展開に少し冗長さがあった。ここはキャラクターの演技も固かったし。なので、ストーリー面で盛り上がって来るとすれば、それはサムライの心を語る作品テーマの要素と、あとは権力機構に立ち向かう革命のドラマ(?)が本格的に描かれ始めてからであろう。
まずはヒロインである十兵衛の設定や、徳川方vs豊臣方の対立構造が学園という舞台でどのように描かれるのかに注目しながら、ストーリーを追いかけていくことにしよう。
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それでは、今回は以上です。

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・見事だったアクションシーン
戦闘パートの真っただ中で幕を引いた前回のエピソードを受けて、今回はまずマスターサムライとして降臨した柳生十兵衛の、強さとかっこよさを徹底的に描く場面から始まった。
噛ませ犬的な立場に過ぎない服部半蔵だが、彼女が本気を出したらすごく強いのだということをしっかりと視聴者の目に焼きつけた上で、さらにそれを圧倒する十兵衛の戦闘力を見せつけるという展開は、まさに我が意を得た作劇だった。これは戦闘パートを盛り上げるのならどう考えたって鉄板な展開なのに、ちゃんと見せてくれるアニメってじつは意外と多くない。アニメーションの部分で頑張らなければならないから、アクションの見せ方が巧くなければ出来ないことなのだろう。
今作の場合は、視聴者の想定を上回るだけの戦術なりアクションなりをしっかりと映像で表現できており、時間と空間の物理法則を無視したような動きや演出が、まさにアニメーション的な快楽を堪能させてくれる。今作特有の墨汁飛沫を多用した画面操作が多少煩わしく感じさせはするけれども、赤色と黒色に支配された虚構的かつクールな舞台の上で縦横無尽に飛びまわるキャラクターアクションやエフェクトの派手さは、今回のクライマックスシーンに相応しい。
・設定が少しづつ明らかに
そんな圧倒されるアクションを描いて置きながら、それでいて、真面目なんだけどどこか笑ってしまうような緊迫感の無さが、同時に存在しているのがこの戦闘シーンの面白いところ。本気で命のやり取りをしているのだけれど、それでいて学園モノのコメディの範疇にも収まっているのは、今作のごった煮感をまさに象徴しているようだ。国家組織と学園組織を同じもの(?)として扱っているというのは、どこかで見た設定な気もするけれど、作品世界の虚構性を強く印象付けるのに効果的に働いている。シリアスとコメディが中途半端に混在しているというのではなく、十分に緊迫感がありながら、プラスの要素として可笑しな描写が少しづつ紛れ込ませてある、なかなかに絶妙な塩梅であると思う。
ところで第1話を見た時は思いっきり勘違いしていたのだけど、千姫のお兄さんが主人公なのかと思ってたら、全然違ったのねw 千姫の兄である徳川将軍(生徒会長)はなんだかラスボス臭をぷんぷんさせて、ピチピチスーツに身を包んでむくつけき肉体美を披露してくれた。この人がパリで何をやろうとしているのかは、今後の展開を待ちたい。
もちろん今回もっと重要な問題であったのは、マスターサムライ・柳生十兵衛の存在。マスターサムライが”将”と契りを交わさなければならないという設定を冒頭に語っておきながら、将でもなんでもない主人公・宗朗と契約したような格好で登場した。となれば、将=時の権力者、という設定自体がブラフで、もっと精神的な意味での将の資質を問う展開になるのだろうし、宗朗の精神論をくどいほどに何度も何度も描いている。そして十兵衛が紛れもなくマスターサムライであるということが明らかになったわけで、今後は「将とは何か」という武士道論的観点から、作品テーマが描かれていくことになりそうだ。
今作は、特殊な映像演出とじつに見応えのあるアクションがまず第一の魅力であろうから(露骨なエロコメディは個人的にはさほど視聴意欲を掻き立てない)、狭い部屋のなかで女子たちがかしましく騒いでいるだけのBパートなどは、展開に少し冗長さがあった。ここはキャラクターの演技も固かったし。なので、ストーリー面で盛り上がって来るとすれば、それはサムライの心を語る作品テーマの要素と、あとは権力機構に立ち向かう革命のドラマ(?)が本格的に描かれ始めてからであろう。
まずはヒロインである十兵衛の設定や、徳川方vs豊臣方の対立構造が学園という舞台でどのように描かれるのかに注目しながら、ストーリーを追いかけていくことにしよう。
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