俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第3話「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」

文句なく素晴らしかった! 号泣させられた!




・いい最終回だった!(←こういうの、言いたくないんだけどw


今回は、もう駄目だ。すっかり打ちのめされました。「バクマン。」第2話の記事でも書いたけれど、自分は息子が父と対峙するシーンってのが、もう本当に好きで好きでたまらないのです。


とくに今作の場合は、息子である京介が、真っ向から父親と対決し、乾坤一擲の大勝負に出る場面。仮に父親からしてみれば、躾けの一環として些細なイベントに過ぎないものではあるかもしれなかったが、しかし京介にしてみれば、たぶん人生で初めて、親という大きな障害を乗り越えるべく立ち向かった経験。そこで、こんなにも全力で、こんなにも真摯に、しかも妹を守るためという崇高な目的のもとに、あのおっかない父に立ち向かって見せた。その姿に、Bパートは本当に涙が止まらなかった・・・!


そして作劇の上からも、また演出上の観点からも、初回としての意義と最終回としての意義の両方を兼ね備えた、今作の最も重要なクライマックスかつターニングポイントであった今回。物語のすべてを集約した最後のエピソードであり、そして全てがここから始まる最初のエピソードでもあった。そうした意義を、脚本・映像演出の双方の観点から全力で描いてきた話数であって、もうこのBパートを描けたことでもって「俺妹」アニメ化企画の大成功を祝しても、決して早とちりにはならないであろう。


このエピソードを、相当の意識と覚悟をもって臨んだアニメスタッフの素晴らしい仕事ぶりを、心から称賛したい。




・丁寧なキャラ描写力の勝利


京介とお父さんの対決シーンがどうしてこれほどの感動を呼び覚ましたか。それは、そこで語られている内容そのものよりも、渾身の力を込めて丁寧かつ大胆に描かれるキャラクターの、その描写力の勝利だったと言えるだろう。


まず何と言っても脚本である。今回は、父子の主張のぶつかり合いがかなりの分量になるセリフによって語られることになったわけだが、決して冗長にならず、心憎いほどに要点を捉えながら絶妙のセリフ回しで展開された演説に、まず非常に惹きこまれる。それも、ただがむしゃらに喚いているのとは違って、周到に戦略を練りながら自身の主張を展開している。彼の、本気なんだけど妙に姑息な頭のフル回転が、手に取る様に伝わって来るのが素晴らしい。彼はここでのるかそるかの大博打を打っているわけで、猪突猛進するのではなく、いかに目的を達成するか、そのための手段をひどく冷静に分析している。


18禁マークを指摘されたところでその言及があるわけだが、それ以前の論理構築の場面から、京介の戦略的な説得行為がよく描写されている。カフェで桐乃の真っ赤な本心を突き付けられた視聴者は、それが兄によっていかに巧みに論理として構築されていくか、その様子に大きな興味をそそられることになるわけだ。


そうした京介の演説の戦略性が、かなり逡巡した上でエロゲを自分のものだと主張する、感動にむせび泣いていた視聴者を一気に笑いの渦に叩きこむ展開へと雪崩れ込んで行った様は、圧巻だった。この展開を考えた原作者(?)も見事だが、アニメとしてこれほどドラマティックに、涙と笑いの双方を高い次元で融合させてみせた脚本家の手腕には、もう白旗を上げて降参するしかない。




さてそうした脚本上のキャラ描写の巧みさ(むろん、京介だけでなく、今作では随所にそうした巧みさが仕込まれているのだが)をさらにアニメとして素晴らしい作品に昇華せしめていた、映像演出と声優の演技が、今回はとくに見事だった。


この作品はそもそもキャラクターの見てくれに大きな魅力が備わっているが、絵がいいからと言ってアニメとして魅力的に仕上がるかどうかは、また別問題である。絵を動かすのがアニメなのだから、画面の中で、とくにキャラクターがどのような演技をしているかを注目しなければならない。その点で今回の話数はとくに、圧倒的なセリフを補うどころか、セリフとの相乗効果で計り知れない説得性を作品に付与することに成功していたアニメーションの力は、高く評価したい。父親を説得しようとする京介が、座っていた状態から次第に身を乗り出して行き、とうとう立ち上がって全身で感情表現をして見せたあげく、最後に派手に殴り飛ばされてしまう、この一連の演技の流れ。惚れ惚れさせられた。また田村麻奈美にぞっこん惚れ込んでいる自分としては、今回の彼女の可愛さ爆発な描写にはすっかりメロメロになってしまっていて、こういう点でも丁寧に、しかし力を込めてキャラクター描写を行っているのがよーく分かる。


そしてそれと連動した声優さん、とくに中村悠一の演技がもう最高で。いい見せ場をもらったと思ったし、それを想像をはるかに上回る圧巻のプレーで魅了してくれた。まさに声優がキャラに魂を吹き込んだ場面だと思ったし、彼のおかげで否応なく感情移入させられた。自分はどうしてもアニメ作品を一歩引いた視点から眺めてしまいがちだし、またそうした客観視点を提供してくれる作品(シャフト演出はその最たる例)が大好きなので、こうして劇を追体験させられるという機会がぐっと少なくなったものだったが、久しく忘れていたタイプの感動を味わわせてくれたエピソードで、非常に貴重な経験だった。


恐らく、アニメでこれほど没頭できるシーンに遭遇することは、また当分起こり得ないのではないかと予測している。その滅多にない体験のひとつとして、今回のエピソードはアニメファンとしての自分の記憶にいつまでも残り続けるだろう。






さて、これでひとつの区切りがついたと思われる「俺妹」。次回からは親黙認の状態で桐乃のオタライフが展開されると思われるが、もう無関係になれたと思った矢先での今回の「親バレ事件」を経て、桐乃と京介の関係にどんな変化が見られるか。さっそく夏コミに連れ出されるのだとすれば、京介の受難はまだまだ続きそうだ。


とにかく自分はもう、田村さんをとにかく見たいので、夏コミのようなイベント主体のエピソードだと出番が少なそうでちょっと残念。まぁ、コミケ自体すでに何度もアニメで取り扱われてきたイベントであろうから、今作がその使い古されたネタを活用してどのような新鮮味ある作劇を行ってくれるのか、その点も注目だろう。楽しみにしたい。




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それでは、今回は以上です。


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