STAR DRIVER 輝きのタクト 第4話「ワコの歌声」

サカナちゃんが可愛すぎるのですが。




・ロマンスと決意と


これまで、綺羅星十字団の陰謀に強引に巻き込まれるカタチで物語の中心部分に押し込められてきたタクトとワコ。この二人が、戦いだけではなく恋愛ドラマの主役に腰を上げつつも、より主体的に事件に関わろうと決意を固めた、そんなエピソードだったと言える。恋愛要素に関してはまだ本格的な動きにはならないのだけれど、言葉や表情にはっきりと表れて来ない微妙な空気感や時間の紡ぎ方が、ぐぅの音も出ないほど巧いなぁと思う。


二人きりになって、傍から見てると思わず噴き出してしまいそうになるクサい台詞回しが立てつづけに展開されているけれど、この大人っぽいんだか子供っぽいんだか分からない、カッコいいのかダサいのかも微妙な、思春期らしい中途半端さ。これが、今回描かれた青春劇の、ひいては今作全体を貫く、大きな特色であろう。


今作は、とにかく曖昧だ。それはストーリー展開にしても、設定や世界観にしても、あるいはキャラの内面にしてもそう。ただその曖昧さを、全力で作品にしてる感じがする。いかにも思春期らしい危なっかしさを、あらゆる部分に絡めて表現してるように見える。そして、その思春期というのは、子供らしい単純で幸福な人生像への撞着を捨てる時期だと思う。人によってはそこで怜悧な現実主義や絶望感の淵に沈んで行くが、それに対するさらなるアンチテーゼを描くところに、今作は目標地点を定めているのではないかと思っている。


巫女の運命に縛られたワコ。彼女に惹かれ始めているタクトは、彼女を利用しようとする者たちだけでなく、彼女を縛る運命そのものに対する挑戦の意志を固めた。それはある種のラブロマンスとして受け取って良いと思うが、タクトのヒロイックなキャラクター性の向こうに何を見出そうとしているのか、その点にはよく注目しておきたい。




・新たに噴出する設定や謎


それにしても、前回までである程度世界観が見えてきたこのタイミングで、さらなる情報提示による視聴者の混乱を企図しているのにはニヤニヤしてしまうなぁ。そう言えば「ウテナ」でも、当面のストーリー展開(生徒会編)が終わる少し前に、作品の持つ設定のヒントを、非常に戸惑わせるやり方で描いてきた回があった。視聴者がやっと作品の構造を理解し始めたところでまた突き放すのは、なんとも憎らしい手法ではあるが、しかし突き放されて追いすがろうと必死に頭を働かせることが、より主体的に作品へと取り組む姿勢を促す。この辺りの塩梅もじつに計算されていて見事だ。


今回は巫女であるワコの口から色々な秘密が語られるということで、これまで一言も言及されなかった重要そうな事実が次々とと語られていった。巫女がこの島に縛られているというのはまだ予測の範疇だったが、彼女たちもサイバディとアプリボワゼ出来るとか、それでサイバディの記憶を共有できるとか、そんなにさらっと受け流していいのかと思う衝撃の事実だw 


あるいは巫女関連でなくとも、演劇部の顧問の学園長の存在も気になったり、あるいは「ただの恋する乙女」にはサイバディでの戦いは無理という話も、今後の展開への重要な布石だろう。サイバディで戦う資格に、いったいどんな心的要素が必要なのか。やはりここでも、「ウテナ」においてデュエリストの資格が問われていたことをつい連想してしまうが、いずれ改めて問題にされる時を待とう。


とりあえず、タクトのじいちゃん=星の王子様、というおはぎさんの説が異様に説得力を増しているのだけれど、次第に増えていく情報がどのような考察に結びついて行くのか、今後の議論の展開が楽しみだ。


ちなみにこの手の設定考察は、自分はズボラなのであまり突っ込んではやりません。正答を導く自信が無いというのももちろんあるし、弁明じみたことを言えば、設定や元ネタを明らかにして作品構造の仕組みを解き明かすことよりも、それを通じて何が描かれるのか、そちらの方にこそ興味があるし、ブログを通じて考え発信する価値があるというものだろう。




・特殊な構成とサカナちゃん


ここからはちょっと蛇足。


今回、たぶん全国で一斉に、「アバン長っ!ww」とか言われていたであろうと思われるが(笑)、こうした特殊な構成を行うことができるというのは、強いなぁと思う。


番組の枠の使い方とか全然知らないし、毎回決まりきった構成が悪いとも思わないけれど、今回は夢の中の幻想風景を舞台にしたエピソードだったから、この特殊な枠の使い方が良く奏功していたと思う。こういう試みは、他のアニメでもどんどんやったらいい。まぁ、やりすぎると問題だとは思うけれど。



それと、今回のサカナちゃんは元気で可愛かった。いままでは本当に捉われの姫君っていう感じだったのに、悲観モードが飽きてきたのだろうか、烏賊刺しサムの物語もアクション付きでノリノリで話してくれるようになった。ヘッドが、意識の無いスガタメ・タイガーを積極的にけしかけようとしていたのは、サカナちゃんのテンションに影響された部分もあったのではないかと思う。


ともあれ、新たな一面を見せたサカナちゃんが、今後どのような活躍を見せてくれるのか、ちょっと楽しみだ。道化的な存在(「ウテナ」で言えば影絵少女?)としてキャラクター性を確立してくれたら、嬉しいな。



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それでは、今回は以上です。


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