伝説の勇者の伝説 第17話「殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)」

また凄いパワーの応酬をするなぁ。モブキャラが殺されるのはいいとして、まさかクラウがあんなことになるとは、本当にこの作品は容赦ない。




・多重構造を取る物語


今回は、主人公であるはずのライナをわざと本編の進行からは外して、彼の周りで同時に進んで行くいくつかのストーリーを複合的に描いて行くエピソード。前回が、TVシリーズ後半戦のスタートラインだとすれば、今回もその延長上にあっていよいよ速度を増して行く。強烈なインパクトを残す新キャラも登場し、またいくつもの謎が提示され我々を取り込んでいく様は、まだ先は長いとはいえ、いよいよ物語の核心へ迫っていることを予感させる。


時間の流れとしては、今回はとある一日の、各所でのキャラクターの動きを追いかけて行った格好だ。


まずローランド国内では、さんざん待ちぼうけを食ったフェリスがさすがに訝しがって、王都内のめぼしい場所を回りつつ、最終的にシオンの下へと辿りつく。団子屋の前で仮に昼前まで待っていたとして、フェリス家をはじめとして方々を走り回ったらしいから、王城へやってきたのは午後もかなりの時間が過ぎてからであろう。ここでカルネとエスリナを加えてライナ探しを任されることになったが、その顛末は次回描かれるのだろうか?


はるか北方のガスタークでは、魔眼についての情報を集めるキファが、なんと国王レファル・エディアと接触。レファルは見たところ護衛も付けずにくつろいでいたが、きっと物騒な部下たちは旧ストオル領の各地で戦後処理に追われているのだろう。庶民的な生活が大好きと見えるこの王さまは、ローランド民であるがゆえにガスターク王にはさほど心服していないキファを、格好の話相手と考えたようで、ムズかゆくなるような本気とも冗談とも取れないアプローチをかけるのが、しかし何とも様になっている。キファもキファで、大人な恋愛の似合うキャラクターになったなぁ。こちらの方面では、ドンパチ的な意味での波乱は無さそうであるが、ライナの秘密についての重大な発見があることを期待したい。




波乱の真っただ中にあるのは南のエスタブール。OPで映っていたキャラを「成長したアルア!?」とか思っていたのだけど、全然そんなことはなく、普通に新キャラでしたw 今回のタイトルにもなっている魔眼イーノ・ドゥーエの保持者、ティーア・ルミブル。クラウとの因縁が断片的に描かれたが、あの回想シーンでなんで殺されずに済んだのか、これはそのうち語られることになるのであろうか。誰かが止めに入ったとかではなく、本当にきまぐれで、もっと美味しくなってから食べようとか思われていたくさい。熱血クラウはその時の恨みを晴らそうと立ち向かうが、二つ名の由来となった右腕を切り落とされてしまった。


主人公サイドのキャラクターであっても、こうやってあっさりと深刻な傷を負ったり殺されたりしてしまうというのは、相当に衝撃的だ。この作品は残酷な描写にまったく妥協しない。映像におけるグロテスク表現はこれでもそうとう緩和していると思うが、それにも勝るむごたらしさが、シチュエーションの中にふんだんに込められていて、思わず目をそむけたくなってしまう。「ドラゴンボール」シリーズのような、死んだ人間まで生き返らせるような一発逆転の奇跡はあり得ないと思われるから、クラウはこれで自分が前線に立って戦うことは出来なくなった。以後は軍隊の指揮・教練に専念するか、あるいは本格的に引退して家庭を持つ、などという話になったりするのだろうか。




ところでライナはこの日、いったいどこで何をしていたのだろう。冒頭なにやらマントを羽織ってカッコよく部屋を出て行く姿は描かれたが、この日の彼の動きは何も描かれること無く、その後唐突にどこぞの団子屋に登場。フェリスにたいする申し訳なさを独白する印象深い幕引きとなったが、彼の行動については次回あたりに種明かしがあるだろうと思うから、楽しみにしておきたい。




・ルークの秘密と、指令書の意味


さてこの日の夕方から夜にかけて、王都ではミルク・カラードを捜索中のルークが、ライナの排除を狙うミランと接触した。ライナのこと、さらわれたミルクのことが気になる我々視聴者としては、イーノ・ドゥーエよりもよほど気になっていた方面の展開において、まさかこのような場面が描かれるとは思いもよらなかった。


ミランの強さを十分に理解している我々としては、ルークの身を案じてハラハラさせられるシーンではあったのだが、しかしなんとルークの思わぬ反撃により状況は一転。なにか裏があるに違いないとは思っていたが、まさかこれほどの使い手だったとは。今回の彼の戦い方だけ見ても、彼が隠密行動や奇襲奇策に秀でた人物であり、相手の予想の裏をかくことで勝利を得てきたのだということがよく分かる。正攻法による純粋な戦闘力は分からないが、あのミランでさえも手玉に取るとは恐れ入った。


しかしこの描写ではっきりと、ライナを殺せという命令書が飾り物などではなく、十分に実行可能なミッションであるということが明らかになったわけだ。今の今まで、どうせミルクの腕ではライナは倒せないだろうと踏んだシオンが、そのつもりで署名したものだと思っていたのだが。どうやらこの王様は本気で、友人の抹殺も場合によってはやむなしと、考えていたということだ。国王としては当然の判断とはいえ、ライナにとっては自分を人間扱いしてくれていた数少ない友人の一人に裏切られた格好となったことは、前回すでに描かれた。シオンのこの仕打ちに対するライナの答えは、しかしまだ語られてはいない。


彼の目指す昼寝王国実現への道は、こんなにも、こんなにも遠く険しいのだ。自分のせいではない境遇、自分の選択ではない能力。愛する人々を守ることも難しく、愛する人から愛されることさえ許されない。信用だの希望だのといった言葉にこれっぽっちの価値もなく、ただただ打算と妥協、冷酷さと諦めによって支配される世界のシステムの前に、膝を屈するしかない運命。


この、変えようにも変わらない運命と戦い続けるライナたちの生き様が、我々に何を語りかけてくれるのか。今後も「伝勇伝」に目が離せない。





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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

アルルカン
2010年10月30日 17:22
やっぱり糸目は侮れないですね。真庭鳳凰然りリン・ヤオ然り…そしてルークも。必殺仕置き人みたいでしたね。

複製眼(アルファ・スティグマ)はぶっちゃけ写輪眼じゃん!?とツッコミを入れてしまいたしたが殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)はエネルギードレインっぽいですね。
おパゲーヌス
2010年10月31日 02:21
>アルルカンさん
えー、写輪眼、分かりませんw でもまぁ、たとえ既にある着想の能力でも、その描き方や使い方がカッコよかったり面白いので、見入ってしまいますね。

糸目キャラが目を見開いたら怖ろしいことになるってのが、ルークにもぴったり当てはまったのにはニヤっとさせられました。彼が今後大活躍するのが楽しみです。

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