とある魔術の禁書目録Ⅱ 第4話「魔滅の声(シェオールフィア)」

この直感的な作劇が、じつに気持ちいい。




・インデックスつええ!


今回のタイトル「シェオールフィア」。文字のフィーリングの禍々しさからいって、きっと悪い奴らが使う技だろうと思っていたら、なんとインデックスの全体攻撃技だった。とくに宗教や魔術のドグマに浸りきっている相手には効果抜群ということで、まさに今回のために取っておかれたような必殺技。すごいぞ、インデックス!


というか、文字をちゃんと見れば「魔を滅する声」ということで、ゲームなら神聖魔法(魔法じゃないけど)に分類されそうなネーミングであることに後から気付いた。でもそうなると逆に、劇中の説明では教義の粗や矛盾点を洗い出し、歌に載せて糾弾したモノということだが、つまりそれって、むしろ権威(=この場合は十字教の教義)を叩きつぶすための技であるはずで、魔どころか神さえも殺しかねないディベート術、ということになるのではないだろうか。例えばニーチェの信奉者が使っていたりすると、すごくしっくり来る?w


まぁこの場合は、インデックスはイギリス正教の所属であって、同宗異門のローマ正教を攻撃するための論述なのだから、別にいいのか。それにしてはステイルも近づくのを避けていたが、さては信仰心が足りてないな、この人・・・。むろん、10万3千冊の本を駆使すれば、イギリス教会の権威にだって有効な技だろう。やはり無神論的な印象の必殺技だよなぁ。




・全員登場の予定調和、しかしそれが気持ちいい


まんまとローマ教会の陰謀に乗せられてしまった上条当麻たち一行。前回の話を受けて、すぐにでも助けに行くのかと思っていたら、意外に諦めモードでハテナマークが浮かんでしまったのだけど、なるほどそういうノリですか。


冒頭の4人の会話は、言うほど深刻な悔しさや悲観が感じられないし、「助けに行かないのが当然」なんて視聴者の考えていることと真逆の方向へ話を持って行くにはまったくヘタクソな展開だとか思って奇妙な感覚を覚えたのだが、その違和感を踏まえた上で、みんなが相次いでオルソラ救援に参上するシーンの予定調和っぷりに繋がっているというのが分かって、なるほど巧い! と膝を打った。このしごく真っ当な展開が、王道としての完成された美学を持っているのが、今回のエピソードの見どころだろう。


これが1期の頃だったら、まだ上条当麻というキャラクターや、あるいは今作の持つ特殊な世界観をただ一方的に受け入れるしかなかったから、この手のヒロイックな展開にも驚きと感嘆の声を上げたことだろう。だが今の段階では、今作なら絶対こういう展開になるのだという期待を、その望み通りに、しかも想定以上のカッコよさで提示して、それが視聴者の快感にダイレクトに繋がっている。作り手さんはこのあたりの塩梅をよく分かっていらっしゃるなぁ。




それにしても。当麻が登場するシーンのBGMがカッコよすぎて痺れた。ラテン系のパーカッションを取り入れてリズムパート重視で聞かせていたが、この手のアニメで、この手の展開で、こういう楽曲を選択するというセンスには脱帽。


もちろんシェオールフィア発動時の荘厳な歌もめちゃめちゃカッコよかったし、また映像的な見どころも満点。とくに良かったのは、オルソラをお姫様だっこしながら逃げていた当麻が、高いところから屋根の上に落ちて、オルソラを手放して転がって行くシーン。屋根に落ちた際に、当麻ならきっと身を挺してかばって見せると思っていたのに、彼は思わず手放してしまって驚かされた。大事なヒロインにさらに痛い目を見せることになるのだが、アニメ的な無茶な運動を成功させずに、あえてこういう危なっかしい姿を見せることで、場面のリアリティがぐっと増している。


この調子で、次回はローマ正教の反撃とそれに対する当麻たちの戦いぶりを、じっくり堪能させていただきたい。今回は一転して悪役ぶりのシスター・アニェーゼも、何やら含むところがありそうだったし、注目か。どうにも、物語の展開では無く映像やセリフによる、あまりにストレートな善悪表現の転換というのは、好きではないのだけどねw どう見ても悪いことしか考えて無いキャラが、ふたを開けてみればじつはこんな良い奴でした、みたいなのは、ちょっとね。逆はいいんだけどw それでも、せっかくのくぎゅボイスだ。最後まで悪役でいられるよりは、いい感じにデレて終わってくれることを願っておこう。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

アルルカン
2010年10月31日 09:06
上条の崖っぷちの必死さは映画『ダイハード』を彷彿します。不幸体質の刑事がタイトル通りに必死に奔走するのが上条と被りました。本当、彼は右手の力を差し引けばただの高校生だというのに。
おパゲーヌス
2010年10月31日 23:15
>アルルカンさん
いかに必死さを演出できるかというのは、「禁書」の重要なポイントでしょうね。これだけ真に迫ったシーンを見せてくれるなら、今後も期待できそうです。

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