俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第1話「俺が妹と恋をするわけがない」

これも期待作だったけれど、上々の漕ぎ出しでは。例によって原作は未読です。




・じつはちょっと不安だった


ラノベファンからは早くから期待作として名前が挙がっていて、とくに監督・川口敬一郎、脚本・倉田英之などと情報が流れてきたときはその筋の友人知人が大盛り上がりだったけれど、ラノベに興味の無い自分にとってはアニメ化が決まって初めて知ったタイトルでして(笑)、それにそもそもキャラクターとシチュエーションがメインの萌えアニメなんて、中途半端な作り方したらまったく面白味の無い作品になるぞ、などと考えて、期待よりは不安のほうが大きかった作品だった。


ましてや途中で、監督が変わった(んだかそもそも誤情報だったのか)こともあったりして、どうなるかなぁと思っていたんだけれどね。いくら脚本が倉田英之だと言ったって、この手の作品はアニメーションの質によって大きく左右されてしまうわけで、キャラクターの魅力はキャラデザとセリフ、音響によって十分成立し得るとしても、シチュエーションの魅力に関してはアニメの場合はほぼ完全に映像演出に頼らなくてはならないから、いくら原作者や脚本家が文字の上で面白いシチュエーションを描き出したとしても、映像のクオリティ(とくにキャラの演技)が高くないと、凡百の萌えアニメの中に埋没してしまう。自分の好きな「キスシス」がアニメになった時はまさにその点で泣きを見た経験もあったわけで。


そうした不安は、しかしPVを見た時にだいぶ解消されて、そしていよいよこの第1話の放映を目の当たりにしたことで完全に吹き飛んだ。キャラの魅力とシチュエーションの面白さ、それにセリフの掛け合いの妙を映像化する上で、決して神作画というわけではなくとも、ちょっとした仕草まで丁寧にアニメーションしようというスタッフの心意気がよく伝わってくるし、少なくとも第1話に関してはストーリー展開の冗長さを補って余りある映像が提供されていた。コンテ演出の良さが、このアニメ作品を完全に自立させたと思った。お見事でした。




・まずは桐乃を楽しめ


とりあえず第1話は、別にラブコメ展開があるわけでもなく、大きな山があるわけでもなく、とにかく高坂家(とくに京介・桐乃兄妹)の置かれた関係性を理解させようという意図のもとに設定されたエピソードだった。冒頭で偽妹を登場させ、このアンチヒロインとも言うべき黒髪少女を全否定する発言に作品タイトルをかぶせた演出には思わずニヤっとさせられたが、そこで描かれた兄妹の関係性を、オタク発覚というイベントを経てもなお維持し続けるというところに、この作品が用意するシチュエーションの大前提がある。それを体感的に理解できれば、それで良いのだろう。


その上で、だ。やはり第1話は、桐乃をいかに可愛くなく描き、しかしそれが逆説的に可愛く思えてしまう様を印象付けるか。ここに、全てがかかっていただろう。


個人的には、第1話時点、とくにAパートでは、桐乃をもっと可愛げのないキャラとして描写してくれて良かったのではないかな、と思う。ビジュアル的には超絶可愛いのは間違いないとしても、その表情や態度に、もっと視聴者を突き放すブサイクさがあって良かったのではないかと。主にセリフと音響でつっけんどんな様子を演出していたが、そのわりには絵のほうがやたらふにふにしていて可愛らしかった。後の展開でどうなるかは分からないにしても、現時点では桐乃はいわゆる良くあるようなツンデレ(主人公を最初から好きなのに恥ずかしがってる)ではなく、もっと原義的なツンキャラとして設定されているはずで、そのツン属性を、ただ刺々しさだけではなく、心底から兄を嫌悪しているような態度として、描き出せたら最高だった。いや、原作でどうなってるか知らないのだけれどw


一方Bパートにおいて、自分の趣味を披歴してキラキラとした目を輝かせる桐乃。こちらは、もう天使のような美しさを見ることができて、眼福だった。青くて大きな瞳の描き方が妙に印象に残っていて、心から好きなものを語っているのだというのが画面から良く伝わって来たなぁ。あるいは寝ている京介にビンタを喰らわせる場面などは、秘密を知られてしまった以上嫌々ながら兄と話をしに来たのだという憤りを感じられて、こちらも良い表情。この、根本的に兄のことを見下して馬鹿にしている様子と、アニメやエロゲのことを嬉々として語る様子とが混在しているキャラクター性は、作品として大事にして欲しい。簡単にデレられては困りますよ。


とにかくそんな感じで、まずは全力で桐乃を愛で、京介と一緒になって画面にツッコミを入れたり、同情したり、萌えたりして、ついでに「いやいや、アイツは妹だ!」と自分を戒めたり、そうした感覚を楽しめれば良いと思う。またそうした楽しみ方へ、視聴者を上手く誘導してくれているとも言えよう。脚本と映像演出と音響演出、この三者がうまく噛み合わさっているからこそのクオリティに、仕上がっているのではないか。




・家庭内ならではの生々しさに期待


他のアニメにくらべてちょっと印象的だったのが、家庭内の描写にちょっとした生々しさを感じたこと。具体的にいえば桐乃の部屋着は家族だからこそ欲情せずにいられるものだと思うし、玄関口で衝突したり、こっそり自室に侵入する妹の行動を部屋の明かりで判断したりと、家庭内ならではのシチュエーションが目に付いた印象だ。そういえば、息子の自家発電現場(?)に遭遇してニヤニヤしてる高坂母には萌えたなw


一応弁解しておくと、生々しさと、現実に即しているかどうかは別だ。むしろ現実の家庭を想像して見れば、高坂家の多分に紋切り型な家庭像や、恣意的なシチュエーション描写のほうがむしろ目立つ。とはいえこの手のアニメではそれがむしろ普通であるし、コンセプトにも沿ったものであると言えよう。ただそれでも、同じ家に住む兄と妹が主役の作品として、虚構性の中に潜む妙な生々しさ、みたいなものを演出してくれたら、きっとぐっと魅力を増すと思う。


どうやら今後はもっと家の外での作劇が中心になって来そうではあるが、しかし親バレを防ぐという当面の目標が設定された以上、めざとい母や頑固な父との対決も重要な軸のひとつになってくるのではないかと、期待している。家庭を描くことが非常に少なくなった印象のある昨今のアニメ作品にあって、たとえ嘘っぽいものであっても、ちゃんと家族のやり取りが描かれる今作は貴重だ。原作との兼ね合いに関しては分からないけれど、倉田英之が高坂家の家庭内エピソードを上手く料理してくれることを、秘かに期待しておきたい。




最後に。

田村麻奈美可愛かった!全力で彼女を応援するっ!w




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

2010年10月04日 02:25
>田村麻奈美可愛かった!全力で彼女を応援するっ!w
d(≧∀≦)bグッ

今日の夜やっと行けそうです。
おパゲーヌス
2010年10月04日 02:59
>神酒原さん
おお、お待ちしておりましたよ。楽しみです。
新しい方が加入されたので、それもいちおう念頭に置いておいてください。気さくな方なので大丈夫と思いますが^^
2010年10月05日 03:16
>田村麻奈美可愛かった!全力で彼女を応援するっ!w

激しく同意です!!!
良かった。同じ好みの方が居て。
おパゲーヌス
2010年10月05日 09:25
>きつねのるーとさん
同志よ!

いや、この第1話で、真っ当に女子に萌えるとしたら、桐乃か田村さんかお母さんの三択しかないわけですからw 第2話以降も見て、それでも田村さんを応援したくなれれば最高ですね。早く他の魅力的なキャラクターたちを拝みたいです^^
しずく
2010年10月12日 18:11
…、これリアルに妹が居る身としてはかなりきついですよ?www
実のところ、アニメの作劇…というかテンポというかに関しては、こんな自分でも最後まで見れたくらいだから面白い事は面白いのですし、原作もヒットしているようなので人気作ではあるのでしょうが……

ちと視聴に困る作品です(困笑)
あと、高坂家のあの光景、結構普通だと思いますよ?
うちもあんな感じですし。
……それと、開き扉なだけ京介は恵まれてますね。
なにがしかの棒でつっかえてやれば怒られはしても鍵は出来るわけですから。
引き戸じゃそんなこたできゃしません(笑)

ではまぁ、その様なぐあいで。


……なんだかんだ言いつつ最後まで見るだけは見そうな予感もしなくはない(苦笑)


追記
兄妹仲ってあんなに悪いもんなんですかね?
他の家の兄妹事情なんて聞かないんで分からないんですが、普通もっと仲良くありません?
少なくとも私は妹との仲は別段悪くないですが。(たぶん良い方だと思いますですね。 口じゃ勝てませんが

駄文長文誠に失礼!
ではでは…
おパゲーヌス
2010年10月13日 02:02
>しずくさん
コメントどうもありがとうございます。もしこの作品が、兄妹の恋愛を萌えアニメの手法で描くことになるのであれば、妹持ちの方には辛いでしょうねw まだ恋愛関係になるとははっきりしていないけれど、果たして・・・?

高坂家の描写は、記事本文でも書きましたが、かなり紋切り型で、アニメらしい安直な表現に徹していると見えました。実際に家族ってこんなものだろうな、と万人が想像するものを、最大公約数で提供しているような。ここに今作ならではのやり方で生々しい家族描写があれば、それだけで大絶賛に値しますw 「おお振り」とか、家族描写が巧いと思いますね。

兄妹仲は、悪いトコはもっと悪いのではないでしょうか。思春期の難しい時期ですし、十分にあり得る仲の悪さかと思います。でも、家族とは仲が良いにこしたことはありませんね。

長文コメント大歓迎です。また気軽にコメントして頂けると大変嬉しいです。どうもありがとうございました。

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