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zoom RSS 海月姫〜くらげひめ〜 第5話「私はクラゲになりたい」

<<   作成日時 : 2010/11/19 04:12   >>

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蔵之介が主役っぽくなってきた!




・鎧を身にまとえ!


オタク的厭世主義に対するネガティブキャンペーンを大々的にやられるとイラっとするのでどうなるかなと思っていたけれど(笑)、少なくとも今回のエピソードに関してはいったんその手のテーマから離れて、その方向性を少し転換してきたのが、いい感じにプラスに働いていた印象だ。ただでさえ超絶面白かった作品だが、好感の持てるテーマのもとにドラマの当面の目標をはっきりと打ちだしたことで、大いに盛り上がって来た。


天水館が潰されてしまうということは、今の彼らのオタライフも奪われてしまうということだ。自分たちの趣味と生き様を大切に思うのならば、それを守るために戦闘を開始せよ! 蔵之介の叱咤激励によって、進んで社会の疎外者であろうとしてきた尼〜ずの面々が、その奴隷根性をかなぐり捨てて、いま立ち上がる! こんな展開、燃えずにはいられようか!




これは、オタクがオタクのアイデンティティを保ったまま、勇気を振り絞って社会と対峙していく、非常に示唆に富んだ物語となりそうだ。ちょうど絶賛放送中の「俺妹」とはまた違ったアプローチの仕方で、オタクと社会との軋轢を描こうとしている。「俺妹」では、オタク趣味を容認できない一般常識のほうをわりと悪役に仕立て上げている印象があるが、今作はむしろ、社会的な常識を拒絶したがるオタクの思考パターンを、感心できないものとして取り扱っている。


とはいえ、どちらの作品がより真実かは問題ではないだろう。そもそもオタクと社会常識とは相容れないものではない。ソコにあるのはただ、社会という得体のしれない構造物の中で もがきながら生きる、人間の姿でしかない。今はたまたまオタク趣味の問題としてクローズアップされているが、こんな問題はもう何千年も前から、もっと惨たらしい対決として存在し続けてきた人間の性(さが)であろう。そうであればこそ、オタクの生き様という特異な事例を通して、これらの物語は確かに人間そのものを描き得るのだ。


成功者の姿に怯え、ねたみ、縮こまっている尼〜ずの面々も、確かに人間の姿だ。綺麗に並んだ靴にビビり、スーツ姿に圧倒され、視線攻撃の前にあえなく退散してしまった彼らもまた、確かに人間の姿だ。たとえどんなに奇怪で珍妙な、あり得ないほどに特殊な事例に見えようとも、それが人間の姿である限り、彼らは我々の共感や同調を引き起こし、そして勇気を振り絞って社会の壁に挑もうとする姿が、勇気を与えてくれるのである。


服装ひとつで、人間は変わる。しかしそれは何が変わるのか。見た目が変わることで、他者に抱かせる印象が変わるのだろうか? それももちろんあるだろう、鯉淵修が化粧をしていない月海を認識していないように。あるいは本人の自信の度合いが変わるのだろうか。それは当然だ、彼女たちの自信の無さは恐らくその多くをルックスに原因を求めることができる。しかし、今回蔵之介が訴えていたのは、もっと根本的なことではないのだろうか。すなわちそれは、人間であることを捨てるな人間である限りは他者と向き合えという、尼〜ずへの、そして我々への強いメッセージだったのではなかっただろうか。




・いよいよ複雑さを増す人間関係


今作はこれまで割と、キャラクターの相関関係が分かりやすい構図に収まっている印象だった。地味なヒロインが、魔法使いと王子様を足し算したような男ヒロインによって幸せな人生を掴みとる、言って見ればシンデレラストーリーだ。しかしそんな単純な構造を予見させておいて、実際には王子様役として、キャラデザ的にも作劇の上でもどう見たって不釣り合いな、鯉淵修が登場することになった。どうせコメディのネタにしかならんだろうとタカをくくっていた月海×修のカップリングが、前回と今回のエピソードによって、思わぬ本格さをもって展開されていることに、かなりびっくりしているw


加えて、蔵之介の母という人の存在や、今回登場した稲荷なる人物の修へのアプローチも展開されて、物語は尼〜ずと天水館を離れたところで大きな動きを見せている。その一方で肝心の蔵×月海カップリングへの道筋はさっぱり見えて来ず、蔵之介はあくまで魔法使い役に徹している。ただのシンデレラストーリーではない、複雑な構図がだんだん明らかになってきた。


いまのところ、あえて悪意ある言い方をするなら、社会の勝ち組のレールを喜んで走っている蔵之介や稲荷といった策士が、生真面目に危ないレールを進んで行く純朴な修や、そもそも社会のレールとはかけ離れた地点をトボトボ歩いていた月海を、自分たちの論理や趣向に巻き込み、しっちゃかめっちゃかに掻き回しているようにしか見えない。月海と修の切なくも笑える恋煩いは見ていてじつに面白いのだけれど、これがいつ月海と蔵之介の物語にシフトチェンジするのか、あまりイメージが湧かないだけに楽しみで仕方が無い。


普通、恋物語の主役はお似合いのカップルであるべきだ。しかし今作は現段階では、どうあがいてもメイン二人のくっつくトコロが想像できない、トンチンカンなカップリングに見えてしまう。このキャラクター関係のちぐはぐさが描けているのだから、ドラマとしてはもう勝ったも同然だろう。大いに期待しておこう。




複雑な人間関係といえば、鯉淵家の食卓シーンの提示する違和感がハンパない。良家の食卓ではあるが、色調も明るいしセリフのやり取りもほのぼのとしたもので、一見すると何でもないようなシーンに見える。けれども、父・長男・次男の三人と一緒に席についていた女性、たぶんこれは母親(それも、血の繋がっていない?)なのだろうが、男三人の会話や視線のやり取りを映すのに、かならず画面に映り込んでいる。しかもカメラに移るのは常に後頭部だけ。会話の最中は常にそんな様子で画面の邪魔ばかりしていて、最後に一瞬だけ口元が映ったほかは、いっさい顔も表情も描かれなかった。彼女の存在の不気味さが団らん風景の中にこうして入り込んでいることで、この家族の、とくに蔵之介視点での”母親不在”が、強く印象付けられる。とても意味深な演出だったなぁ。


この家族を中心とした人間関係が、当面のストーリーの主軸となることはたぶん間違いない。ドラマの重心が大きく傾き、いまやヒロインが公転軌道を回っているような印象さえ持ってしまうが、今後どのような展開を見せるのか、楽しみにしたい。




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それでは、今回は以上です。


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