俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第11話「俺の妹がこんなにメイドなわけがない」

あんまりメイド関係ないなw




・やはり麻奈実は正妻。


今回は、いちおう繋がってはいるけれど、実質的には2本立てと言って良い構成。まずAパートは、正妻・田村麻奈実が高坂家にやってくるお話。


本当に麻奈実は、家庭的なエピソードが良く似合う。買い物に行って偶然遭遇とかどんだけ萌えるシチュなんだと思ったが、まさか家庭訪問のうえ家事まで手掛けることになろうとは。実にすばらしいエピソードだった。


実際に家事をやる様子があまり描かれなかったのは残念だったけれど。ドラマ的には、麻奈実の魅力をアピールするよりも、小姑・桐乃の焼きもちを描くと同時に、とうとう男女の性差を強烈に意識させられてしまった京介・麻奈実カップルの、初々しくもちょっとネジの外れかけたラブコメに、焦点を当てていた。


家事スキルの高さや、相手家族に対する配慮をしっかりと見せる麻奈実は、まさに正妻ヒロインの本領発揮といったところ。たおやかでつつましい、しかし芯の強さも持ち合わせた、良妻賢母とはかくあるべしという見本のような女の子だなぁ。いっぽう相手役を務める京介も、桐乃に押しつけられたわけではない彼本来の趣向として、メガネフェチという属性を持っていたことが明らかになったのも実に微笑ましい。もう、麻奈実と結婚するしか道は無いよw 


エロ本をめくってまっさきにメガネに注目していたところを見ると、麻奈実はどうやら、自分がメガネをかけていることにちょっとした引け目を感じていたのではないか。自分のような女子が、地味で全然イケてないことくらい、彼女にはよく分かっている。それを受け入れ、背伸びする努力を諦めて、分相応な人生を選択しようとしているように、彼女は見える。しかしそんな自分の欠点を、一番大切な男性から全面的に認めてもらえたカタチとなったのは、彼女にとって大きな救いだったのだろう。だからこそ、桐乃の罠で京介が妹好きだと勘違いした彼女は、一瞬引いたハズなのに、恥を忍んで妹キャラを演じる覚悟を見せた。健気だ、じつに健気だ。


麻奈実の恋が、エロ本に救われエロゲーにショックを受けたのだとしたら、桐乃の作戦は半分失敗、半分成功といったところだろう。Bパートにて、このあと京介と麻奈実がどこかよそよそしくなったと言及されていたが、それも、男女の関係になるのをあえて踏みとどまった第6話の京介の決断を、無理やり反故にされたようなもので、麻奈実からしてみればこれも一歩前進ということで、良かったのでは。


言って見ればこれまでの京介と麻奈実の関係は、スキルだけはとっくに結婚生活に突入しているにも関わらず、気持ちがそれに追いついていなかった状態だ。今回のことで、気持ちがぐっと恋愛感情のほうに揺れ動いたであろうから、この後の二人が辿るドラマがとても面白そうで興味をそそる。サイドストーリーや夢落ちで構わないから、二人が一緒に公園で乳母車を押してる光景とか、映像化してくれないかなw




・人生相談の続き


Bパートは一転して、いつもの4人が集まっての謎すぎるパーティ。桐乃の小説のアニメ化を祝う名目で呼ばれた京介だが、その実態はどうやら、いつぞや桐乃が言及したまま放置されていた、人生相談の続き、それも最後の相談というヤツにあたるらしい。


今回のタイトルは、別に桐乃がメイドとしてあれやこれやの世話を焼いてくれるのではなく、ただ服装がメイドになっただけで、あとはいたっていつも通りの作劇だった。まぁ、黒猫のネコミミメイド姿はご馳走だったけれど。しかしドラマのほうはすぐに高坂兄妹の喧嘩に突入してしまい、しかもそれがコメディではなく大真面目な喧嘩シーンだったので、せっかくのメイドコスも白けてしまった。これはタイトル詐欺のレベル。


むろん今回の見どころはメイド服なぞではなく、京介の涙だろう。彼が泣き顔を見せたカットは、いたって平凡な描写であるはずなのに、なぜか本気でもらい泣きしてしまった。ここに至る全11話の道のりで、兄妹の険悪なムード、桐乃のうざったさや迷惑千万な行動がフラストレーションとして積み上げられていたからこその、カタルシスがあった。これは、脚本の勝利であり、音響の勝利だったと思う。これまで京介が、理不尽に振り回されながらも必死になって肉親のために尽くしてきたことが、こんな些細な、それもへそ曲がりな上にしばしば目を逸らしながらの控えめな感謝によって、すべてが、文字通りにすべてが報われた。このときの京介の感情には、とても共感させられてしまった。


傍から見れば、あんな感謝ひとつで購われるには、京介の払った代償はあまりにも大きかったと言える。全然不釣り合いな苦労や我慢をすべて水に流してしまうには、あんまりにも、言葉も、贈り物も、ちっぽけに過ぎる。けれど、人の心なんてこんなにも簡単なものなのだ。たった一言の、気持ちのこもった言葉によって、人はどんな労苦も忘れられる。言葉を伝えると言う行為はそれほどまでに大きな影響力を持つのだ。


我々はしばしば、親しい間柄の人に対して、つい感謝や信頼の気持ちを言葉として発信することを、疎かにしてしまう。とくに家族に「ありがとう」と言うなんて、気恥かしくてとても勇気のいることだ。そして思い返せば、京介と桐乃は徹底して言葉の足らない家族として描かれていた。二人の間に交わされる言葉と言えば、罵倒か、必要最低限の連絡事項か、でなければ相手の気持ちをまったく考慮しない自分勝手な言葉ばかり。家族として、日々の感謝や愛情の表現を怠ってきたばかりに、少しづつ気持ちがズレて行き、埋まりようも無い溝ができてしまったのが、京介と桐乃の関係だと言えよう。


そんな言葉足らずによる家族間の不和を、オタク趣味を媒介として、時に必要に迫られながら、時には肉親としての愛情から、桐乃が京介を頼り、京介が桐乃を支え、お互いに言葉を交わし気持ちをぶつけて解消していくことで、ようやく今回、桐乃による感謝の言葉が語られることになった。この物語は、歪(いびつ)になっていた兄妹の関係をあるべき姿へと修繕していく、その主題をはっきりと描きだすことができた。その意味で、今回はこのTVシリーズのクライマックスと呼ぶべきエピソードだったろう。


もちろん、いちど破綻してしまった人間関係を、破綻する前に戻すことなどできるハズがないし、そんなことをやっても何の価値も無い。肝心なのは、これまでの自分達の言動を踏まえた上で、これからどういう関係を築いていくか、という点であろう。それは、これからの京介と桐乃の物語である。


さしあたっては、感謝の気持ちを表現するのにはまったく場違いなプレゼントを用意してしまうほど、桐乃が妹を大好きだということだw 第9話で桐乃がプレイしていた「妹×妹」は、桐乃そっくりの妹キャラが登場したことで記憶に新しい。「それをあたしだと思って」と言った桐乃の発言に他意は無くとも、やはり二人の関係は、これまでの紆余曲折をすべて内包したままに進むのだなぁと、しみじみと実感させられる幕引きであった。




さて、次回はTV版最終回ということで良いのだろうか。どうやらTV未放送エピソードとして、次回の「GOOD END」とは異なるトゥルーエンドが存在するともっぱらの噂だが、果たして・・・? 




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

アルルカン
2010年12月15日 09:28
黒猫可愛かったですね、声は天使に近いタイプでしたのでしたから尚更です。
あの受付はきっと軽蔑してるでしょうね、ハーレムは脳内のみに許されたものでしょう。まああれの下手人は沙織だと思いますが、冗談が心臓に悪いのはいつものことです。

京介は色々無くしましたからね、あれくらいの救済措置は必要でしょう。まあ妹ゲーを私と思って大事にしろというのは何の隠喩かと穿ってしまう反面、どんな時も自分の趣味をプッシュするオタクの特性が表れていると思います。
そりゃ黒猫や沙織も脱力しますよ。

ちなみに私が一番注目したのは麻奈美でも黒猫でもなく御母上ですた(笑)。cv渡部明乃とありましたが、「灼眼のシャナ」シリーズで五文字程度の単語(「必要充分」など)しか話さないという驚異のキャラ・“夢幻の冠帯”ティアマトーの声優さんでしたが、あまりに無味乾燥なので逆に声優が気になって普通の役を見たかったので願いが成就しました。
おパゲーヌス
2010年12月15日 23:53
>アルルカンさん
沙織の用意した垂れ幕は大袈裟すぎて、もはや誰にも冗談だとは思われないレベルでしたね。人が悪すぎw しかしそんな沙織嬢が、冗談まじりにでもメイド服アピールしてたのが、なんだかギャップ萌えでした。

渡辺明乃さん、有名な方ですし、他のアニメでも知らずに聞いているのではないですかね? 大人っぽい色気のある演技がよく印象に残っている方で、胸の大きく背の高いキャラをよく担当されているイメージがあります。
芋堀
2010年12月19日 23:40
渡辺明乃と言えばうたわれのドリグラのイメージ
実際僕っ娘でボーイッシュなんですぜ、親分
バンドのボーカルもやってるみたいっす
おパゲーヌス
2010年12月20日 01:14
>芋堀さん
親分って、私のことでしょうか・・・?
僕っ娘とか、バンドのボーカルというのは知りませんでした。声優さんって色んな活動をされているのですね。

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