とある魔術の禁書目録Ⅱ 第9話「追跡封じ(ルートディスターブ)」

上条さんもやはりまだまだ、一般人のはしくれですな。




今回から本格的に、敵の魔術師・オリアナ=トムソンとの対決が描かれる。「追跡封じ(ルートディスターブ)」との異名を持つ彼女がこの仕事に抜擢されたのは、他の魔術師の攻撃を鮮やかにかわして見せるその技量にあった。


こういう、ガチンコのぶつかり合いではなく、知恵比べの要素をふんだんに盛り込んだ対決というのはじつに面白い! とくにAパートは、まるで魔術師による攻城戦とはかくあるべきだという、お手本のようなアクションシーンが見事見事。エフェクトのカッコよさは無論のこと、スピード感と迫力を追求し、カメラアングルやキャラのアクションにこだわりを見せるアニメーションが、じつにかっこいい。


さらにこのAパートの一連の展開は、すでにお互いがお互いの特性を理解しあっている3人組が、最小限の言葉のやり取りで意思疎通を図り、臨機応変に戦術を汲み上げて行く様子が、とても巧みに描かれていて感心した。どうしても説明セリフが多くなってしまう今作の中では、珍しくテンポ良くスピーディーに描かれる戦術描写で、とても面白かった。ステイルの「君の出番だ」とのセリフで大笑いさせられたが、そのあとの怒涛の展開には大いに痺れた。素晴らしい!




完全に見失ったオリアナを探すのに、土御門が地面に魔法陣を描くシーンは、一転して物静かでどこか荘厳な、いかにも魔術の儀式らしい雰囲気がとても好きだ。けれど、ステイルの身を犠牲にしなければならないと分かってからの、当麻がグダグダと文句を言い始めるあたりは、ちょっと当麻の株を下げるトコロ。ステイルも土御門も言わば軍人のようなもので、自分の使命と責任をちゃんと分かっているのが態度にもよく表れている。一方で当麻は、どうしたって学生気分が抜けきらず、今回はそういう意味では、覚悟の足りない巻き込まれ型主人公、という立ち位置でドラマが進んで行った。


この、どうしても自分の感情を優先した正義感を振りかざす当麻が、土御門やステイルのようなストイックに任務をこなすキャラと対比されて描かれると言うのは、今回のエピソードの趣旨から言えばまったく正当な作劇と言えよう。しかしそれを引きずるカタチで、後半の玉入れの場面における、美琴とのやりとりの稚拙さを印象づけてしまったのは、ちょっともったいない。


お札に触りそうな美琴を制止するのもそうだし、あるいは魔術の発動をもろに食らってしまった吹寄さんを救出しにいく場面もそうなのだけど。まずい事態に直面してからの、上条当麻が初動に入るまでが余りにも遅すぎる。いつもの彼なら、自身の危険も顧みずに最短コースを突き進んで救出に向かおうとするだろうに、今回はどうしちゃったのだろう。混乱の最中に叩き込まれたときにこそ、彼の直情的な上条イズムの発動が、震えるほどカッコいいはずなのに、今回はちょっと彼の甘さが目立つ展開だった。




これはしかし、作り手の強引さが出てしまったかなw 主人公である当麻はどうしたって、劇を盛り立てるための歯車として機能しなければならないときがある。今回は、クラスメイトで何かと世話を焼いてくれる吹寄さんにちょっと怪我を負ってもらって、上条当麻を本気で怒らせる必要があった。そのための、どんくさい立ち回りだったのだろう。


ここで、心の底から憤りを感じた上条が、次回果たしてどのような行動を見せるか、注目だ。彼の大人げない正義感は、これまではその人間主義的な思想をストレートに訴えるために働いていたが、怒りに我を忘れた当麻が、対オリアナ戦においても同様の”善”を貫くことができるかどうか。要注目だ。




しかし、前回いろいろと顔を見せた脇役勢(※インデックスを含む!)は、どうやら蚊帳の外に置いてけぼりにされそうな雰囲気だなぁ。今回、婚后さんが出てきたのは激しく俺得だったけど。上条母は出て来ないのかえw オチに使われて終わりだったら、いろいろと哀しいよ?w




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

アルルカン
2010年12月05日 09:11
確かに今回の上条は仰る通り、いつもと違い違和感があるとこがありましたね。いつもの上条なら土御門やステイルの行動を止めたいと思いながらも圧し殺すのでは、と思いました。

しかし美琴はあんな公衆の面前(世界中継してます)の最中、押し倒されたのは不可抗力でも受け入れ体勢みたいに目を瞑るとは…大胆な奴です…

土御門も軽薄な態度の中にストイックで一本筋が通ったところを見せてもらい相変わらず格好良かったです。
中の人は同じでも伝勇伝とは違い今後も格好良ければ幸いです(そう言えば最近、伝勇伝の記事がありませんね?)。
白米プチョン
2010年12月05日 10:48
魔滅の声の時も思いましたが、科学サイドと魔術サイドで明確にBGMを使い分けてるんでしょうか。
そこまで音楽を前面に出すアニメじゃないかも知れませんが、
コーラスと生楽器により、異文化の得体の知れない魔術の神秘的な雰囲気が出ていて良かったです。

一方さんvs結標戦で使われてた、電子音ノイズによるインダストリアルっぽいBGMとは対称的でした。


ステイルも土御門も、1期の頃から大人の理屈を持って上条と反目し合う役どころが多かった様に思います。

上条の子供っぽさは等身大の高校生的(?)で、ある意味感情移入しやすいし、序盤のインデックス記憶事件ではその目線からカッコいい台詞を決めてくれてた筈なので、気合いの入った彼が今後どう巻き返してくれるか期待。
おパゲーヌス
2010年12月05日 23:19
>アルルカンさん
伝勇伝はすみません! 同人誌作成のために時間と体力を持っていかれるので、死の木曜深夜はなかなか更新ペースを維持するのが難しいですw ただでさえ分かりづらい展開ですし・・・。いや、本当にすみません。

今回の上条さんに対するフラストレーションは、次回にでも散々晴らしてもらいましょう。美琴は、他のヒロインのために少しは自重して欲しかったりw
おパゲーヌス
2010年12月05日 23:23
>白米プチョンさん
BGM、いいところに目を付けましたね。確かに言われてみれば、仰る通りかもしれません。次からよく注意しておきます。

上条さんの子どもっぽさは、彼の最大の魅力であり武器ですから、土御門やステイルのやっていることを完全に納得してはいけないキャラでしょうね。土御門もステイルも、キザっぽくスタイリッシュに戦うきらいがありますが、上条さんが泥臭く、その上を行く活躍を見せてくれることを楽しみにしています。

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