魔法少女まどか★マギカ 第4話「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

藍ぽんきたぁぁぁ!!


なんかすごい久々な感じがするじゃない、こんな重要そうなキャラをやるなんてw 最近は同じ毒電波系の某声優さんに仕事を奪われてる感じもあり、また近頃じゃ、常連だったシャフト作品ですら出番が無くなってきた感のある野中藍さん。とても好きな声優さんなので、ここでしっかり存在感を示して欲しいトコロ! 




・さやか、決断の時


第2話の時点から、「どんな願いを叶えて魔法少女になるか」という問いがずっと掲げられて来た今作。この契約報酬とでも言ったものが、苛酷な使命を背負って戦わされることのせめてもの償いであり、実質的には”何のために魔法少女になるか”という理由づけの意味を持っていることが、マミやほむらの口から何度も言われてきたことであった。今作の主人公が置かれた最大の特徴は、自分の意志とは無縁のところで巻き込まれるのではなく、さりとて何か明確な目的も持っていたわけでもなくて、ある平凡だが幸福な少女が、完全に自由意志で、魔法少女になるか否かを選択できるという点にあった。そして、なんでも願いが叶うと言われれば普通なら欲に目がくらんでしまいそうなところを、自分の命をかけるだけの願いがあるのかと先輩魔法少女たちから問われて考えることになったのは、何のために戦うのかとわざわざ思索する余裕を与えてもらっているということだ。


そしてこの”何のために戦うか”との問いは、前回のマミの死という事実でもって、よりいっそう鋭く突き付けられることになった。本当の意味で生死を賭して戦うことの重さを痛感し、それだけの覚悟が持てないことに気付いたまどか達は、魔法少女になることを諦める。彼女達は戦う意味や目的を自分の手では見つけることが出来なかったのだ。


だが、見知らぬ人に被害が及ぶのは看過できても、身近な大切な人間のためになら、持ち前の勇気を発揮しようと思うのが、人間というイキモノだ。自分の人生が失われても構わないほど救ってあげたい人が目の前にいたさやかは、契約を結ぶのに十分な理由をすでに持っていた。「どうして、あたしじゃなくて、恭介なの・・・。」と呟いた時点で、彼女は半分、答えが出ていたのだろう。そして恭介がどんなにか自身の怪我を呪っているかを聞くに及んで、とうとうさやかは、決断を下した。


このときのさやかは、恭介に何か見返りを求めていただろうか。恐らくは否であったと思いたい。目の前で絶望している少年を見て、ただただ純粋に、その願いを叶えてあげたいと思った。そこに、あわよくばその見返りとして何かを得ようなどという打算は、この瞬間には、一切差し挟まれなかったと思う。そもそも自分の幸福が欲しいのなら、さやかはそう願えば良かったのだ。


そしてこの決断がさやかに何をもたらすか、これが今後の一つの注目点になるのだろう。まずはさやか自身が、この決断を全力で肯定し切って行くだけの強さがあるかどうかだ。何の見返りもなく他者のために行動するというのは、思っている以上にしんどい。今は勢いで踏みきってしまったけれど、本当に見返りを得られなければ、使命感だけを頼りに死線を掻い潜っていく生活に、すぐに心は消耗し切ってしまうだろう。戦う意義が見出せなくなった先にどのような生活が待っているかというのは、マミやほむら、それに杏子といったキャラクターが、よく指し示してくれている。


一方で、奇跡によって助けられた恭介くんのほうも、なんだかすごく怖い演出で描写されていたけれど、突然指が動かせるようになった彼が思うこととは、一体何なのか・・・。ここは恭介はただ驚いているだけで、演出が怖いのはキュゥべえが本当に奇跡を引き起こせたという事実を、不安感たっぷりに描いていると見ることも、可能ではあるけれど。想像をたくましくすれば、彼は指が使えないという現状に恨みごとを述べつつ、それでいてもう大舞台の上に立たなくてすむ人生にある種の満足を感じており、今回突然手が動くようになって、再び勝負の世界に躍り出なければならない責任感に恐れおののいている、とか、可能性としてはあるのではないだろうか。ひょっとして、過去の事故だって必ずしも不運なだけとは言えないものだったりするとか。いずれにせよ、恭介のために契約を用いたさやかが、その行為を非難されることになる展開は、近々やってきそうだ。


「まだ何も分かっていなかった。奇跡を望む意味も、その代償も・・・」というさやかの独白が、いったいどんな結末を予言するものなのか、怖くて仕方が無いので楽しみになんてできないけれども、しかし心して待ち受けることにしたい。




・契約にまつわる不気味さと、キュゥべえというキャラ


今回はとうとう、一般人の少女がキュゥべえとの契約を果たす展開となったわけだけれども、それが徹底して不気味に、不吉な予感を伴って描かれているのが、面白い。前述した通りさやか自身に絡む種々の問題が発生するだけでなく、魔法少女という存在そのものにまつわる不条理が強調されているのは、間違いないだろう。キュゥべえによる誘導尋問、平和よりも縄張り争いを優先させているような杏子やマミ、ほむらの度重なる警告と危惧、そして赤色と影とによって圧倒的に強調される画面の不吉な印象。あらゆる要素がまどか達に「魔法少女になってはならない」と告げているようにさえ、錯覚してしまう。


絶対に踏み込んではならない領域へ、巧みに誘導され見る見るうちに追い込まれていくという作劇は、『少女革命ウテナ』黒薔薇編の各エピソードを思い起こさせる。とくに美樹さやかが、ごく普通の幸せを望む少女であり、しかしちょっと不運が重なっただけでたちまち絶望の淵へと追いやられていく様は、まさに、たくさんの少年少女が止むにやまれず告白昇降室へと自ら足を運び、黒薔薇の虜とされてしまった展開を、そのままなぞって見せたかのようだ。


彼らは、他に救われる道が無いと思いこまされ、御影草時によって示された、ただひとつの道を選択してしまう。「あなたは世界を革命するしかないでしょう。あなたの進む道は、用意してあります」と語られるその言葉が、今回病室でキュゥべえの口から発せられたとしても、思わず納得してしまいそうなシチュエーションであった。


思えばその言葉(「あなたの進む道は用意してあります」)は、元来は鳳暁生が、現実の壁の前に阻まれて失意の底に陥った御影草時に対して放った言葉であった。そしてその暁生はと言えば、人々の希望を背負いきれなくなって逃げ出し、”世界の果て”となってしまった王子様であり、他人の力を利用して世界を革命しようとする大人の象徴であったことを思えば、たくさんの少女達を契約させて死地へと送り込むキュゥべえの意図もまた、その連想によって探って見ることも可能であると思う。




前回や今回はよりはっきりと、劇中の会話や描写からキュゥべえの狡猾さが見て取れる。彼は恐らく何一つとして嘘はついていない、ただその論理の展開が、無垢な少女達を騙し、傷つけるのだとしたら、キュゥべえとはまさに、汚い大人の象徴であろう。


魔女を狩る能力を持っていないのか何なのかは知らないが、とにかくキュゥべえは、純真な心を持つ少女達をかどわかして自分の目的を遂行しようとする。例えそれが本当に平和な日常を守るためだとしても、彼の所業は傍から見ていて決して気持ちの良いものではない。しかし彼は、お題目の立派さや、嘘はついていない(ただ相手が勝手に誤解や思い込みを起こすだけ)という事実を免罪符として、一切なんの悪びれるところもなく、少女達を利用していく。表面上だけは彼女たちに同情したり理解のあるところを見せながら、その実、もう二度と引き返せない地点までとっくに手を引いて連れて来てしまっているのだ。


キュゥべえはどんな時でも決してその表情を崩さないが、会話中も口を動かすことが無い、という点について、自分は非常に大きな違和感がある。テレパシーが使えるのだからといっても、ここまで顔の変化が無いというのは、彼がそれだけ、感情を動かすことが無いという事実を強調しているように見える。分厚い仮面をかぶっていると言うか、むしろ感情が無い無機質なただのぬいぐるみである。セリフそのものの優しさと、無表情からくる違和感とが、不吉な演出によって結びつけられているというのが、今後のストーリー展開を予感させるだけでなくキュゥべえというキャラクターの本質を表現しようとしているのでは、ないだろうか。




もし今作が、魔法”少女”を描く作品として、少女に象徴される純真な心が、それを踏みにじろうとする巨大な運命に立ち向かう物語になるのだとしたら。そのときはきっと、少女の純真さと対比されるものの一つに、ずるい大人の像が描かれることになるのではないかと思う。そして恐らくその役割を担うのが、キュゥべえというキャラであろう。かつては本心から大義のために全身全霊で戦っていた青年が、時を経て様々な経験を積むうちに、いつしか狡猾で、臆病で、他人の痛みから平然と目を背けていられる冷酷さを持った、”大人”に変わって行った。キュゥべえにはそのような「世界の果て」としての役割が、与えられているのだと推測してみたい。




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それでは、今回は以上です。


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