フリージング 第4話「Tempest Turn」

なんか初めて、ヒロインに敵対する側の間違いがはっきりと指摘された格好に。ここが、転機になるのか?




・なんて熱いバトルアニメ!


今回も最高に面白かった! なんだろう、お話がすごく良いというわけではないんだけど、純粋に本気で戦っているのを見ているというのは、確かにエンターテイメントなんだと痛感する。大怪我したってそう簡単には死なない、という免罪符的な設定があるとはいえ、ただただ強さの追求に特化した格闘シチュエーションは、古代の剣闘士たちが繰り広げた熱狂的なショーを連想させるものがある。


また、恐らくRPGに着想を得たと思われるスキル制のバトルシステムが、良い意味で戦闘の方向性を制限していて、体力だけでなく、普通のバトルシーンではあまり注目されにくい日々の鍛錬の成果が反映されているのが、とても面白い。バトルというのは、それぞれがただ殴り合っているだけでなく、お互いの特性や有利不利があって、それをいかに活用したり克服したりして見せるか、という点にドラマ性が内包されている。たった1年のカリキュラムの差がいかに大きなものであって、体力や技術はもちろん、経験や戦術の幅に関してイングリッドとサテライザーにどんな差異があるのか、明確に表現されていた。




このスキル制を活用した戦闘描写は、『ファイブスター物語』(以下『FSS』)における騎士(ヘッドライナー)の戦いを彷彿とさせるものがある。『FSS』の騎士は、もともと一般人とは比べ物にならない体力を持っているのだが、やはり騎士の間には強弱や序列があって、とくに剣技はかなり厳密に体系化されており、どの技を使えるかによって騎士の戦闘力が大きく変わって来るという設定だ。


しかも面白いのは、そうした剣技は必殺技とははっきり異なる点だ。優秀な騎士同士の戦いでは、結局は相手の足を止め隙を作ることで戦いの趨勢が決せられる。『FSS』には真空波を使ったり分身したりとなんでもござれな剣技が多数登場するが、それは相手を倒すためではなく、あくまでも勝負を決する一瞬の隙を生みだすための、補助的な役割で用いられているに過ぎない。(『FSS』第10巻では、剣技のすごさに見惚れてばかりの少年剣士に対し、騎士にとっての剣技の価値が語られるシーンがある。いわく、「先代の剣聖 慧茄(エナ)様は、分身12攻撃から24本の真空光輪(リング・スライサー)を放つ猛攻撃をしました。しかしこの技すら、相手の動きを封じるためだけに使われたと聞いています」云々。そして実際にその後、まさにその通りのシーンが描かれることになる。)


このような設定の面白さは、見た目にもインパクト十分なスキルが決して攻撃の決定打にはならず、あくまで戦闘の補助として描かれることで、無闇な必殺技のインフレ(ドラゴンボール的な)を引き起こすことなく、あくまで生身の人間同士の戦いの熱気を維持することができる点だ。漫画アニメ的な見せ場と、決闘そのものに内包される魅力を、どちらも活かしつつアクションを描くことができる。『フリージング』において採用されている種々のスキルも、同じことが言えよう。アクセルターンやテンペストターンがいかにカッコよくても、実際に攻撃として繰り出されるのは彼らの武器や手足だ。我々は非現実的な戦闘演出に息をのみながらも、同時にそこで確かに息づいている白熱したキャラクターの生々しい痛みを感じることができる。


さらに、スキルを教育カリキュラムにはめ込んで上級生と下級生の決定的な違いを演出しているのも、学年第○位、などという設定ともども、ショーとしての決闘の面白さをより効果的に見せるための工夫と言える。今回のエピソードはまさにそうだったが、単純にランク上位者がその名に違わぬ活躍を見せれば「さすが!」と言って興奮するし、さらにそうした上位者と下位の者が対等に戦うというシチュエーションは、順位やランクが設定されていない場合にくらべて、遥かに熱く燃えたぎるシーンとして現出するだろう。


今回は、いままで以上に、こうした今作の設定がうまく活きたエピソードだったと思う。作画も素晴らしかっただけに、大興奮の30分間だった。




・サテライザーを取り巻く状況に変化が?


さて、これまではとにかく人を誤解させる言動を繰り返してきたサテライザーの姿が強調され、そして前回は上級生の非道を拒んだだけで悪者扱いされてしまった彼女が描かれたわけだが、そんなヒロインを取り巻く状況がやっと変化してきたような展開だ。


とにかくサテライザーは、理解者が存在していなかった。カズヤだけは、たまたま姉と似ていたサテライザーを偏見抜きに接しようとし、ただ一人、彼女の本質的な優しさを見抜いた人物であったが、そんなカズヤの好意さえ頑なに拒むサテライザーの孤高主義は、本当に徹底していた。そしてそれが大きな誤解の連鎖を生むことになったわけだ。


しかし、やはり見ている者はちゃんと見えているもので、カズヤが積極的に干渉したことで、サテライザーに好意的な態度を取る人物も現われた。サテライザーを敵視していたハズのガネッサ=ローランドが、自身の過去に決着を付けるため、またイングリッドの重荷を軽減するため、といった理由付きでだが、サテライザーに助け舟を出すことになった。


カズヤは、主人公らしく規格外のチカラを有していることが明らかになってきたが、しかしそんなチカラなど関係なく純粋に人間性の部分で、人の意識を動かし、状況を好転して見せたと言える。カズヤがいなければ、接触禁止の女王に絡む事件に足を突っ込もうと考える者があろうはずもなく、一方的にブリジッドにやられて終わっていたと思われるが、カズヤが強引に介入し、物理的に時間稼ぎをしただけでなく、ブリジッドの正義感に対して疑問をなげかけたことで、今回の決闘の構図が皆の考えているものとは異なることが明らかとなる、そのきっかけを作ったのだった。


ただ特殊な才能を発揮できるだけでなく、キャラクター性によってこそ物語を突き動かして行ける主人公というのは、やはり魅力的だ。最近のアニメってどうしても女が強くて男が引っ張られる格好が多いが、今作は、戦闘力は女性優位でも、主人公とヒロインの関係としては、ヒロインの引っ込み思案(?)と主人公の強引さがうまく噛み合って、もどかしくも面白いドラマを展開している。


加えて、サテライザーがどうしてリミッターを欲しがらず、それどころか他者との接触さえ頑なに拒み続けてきたか、その理由が大衆の眼前でとうとう語られることになった。今回彼女が口にした生理的嫌悪が次回以降どのように扱われるのか、じつに楽しみである。シリアスにも、ラブコメにも料理できそうだ。この嫌悪感の扱いや克服の過程が、今作の方向性をほぼ決定づけるものになるだろう。




次回は、サテライザーと並ぶ重要キャラらしいラナ=リンチェンが登場するようだが、公式サイトの人物紹介によれば2年生の編入生ということで、すなわち当然、リミッターとまだ契約しておらず、カズヤを巻き込んでドタバタした展開が待ち受けていそうだ。ED映像ではふんどしらしき下着が描かれているが、同じ渡部監督作品『いちばんうしろの大魔王』でもふんどし少女が登場したのは、偶然の一致なのか。原作ではどうなっているのだろう?w




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

あるるかん
2011年01月31日 10:33
勝手に部屋に入り、日記を読もうとするカズヤが橘純一に見えてしまいました。



契約ってどうするのでしょうね?『セキレイ』みたいな感じ?カズヤに(契約について)あらぬ誤解をされたイングリットたちのリアクションはちょっとおかしかったです。



今のとこ、男性の影が薄いコンビが登場していますが、今後登場するコンビには、鑢七花みたいな女性よりも強い、あるいは右衛門左衛門や輪廻のような曲者など色々と女性より目立つ男性などが登場してくれれば多様なコンビが観れて楽しみなんですがねぇ。
まあ輪廻(鷹比等ver)だったらかなりウザいでしょうけどね。
おパゲーヌス
2011年02月03日 23:08
>あるるかんさん
返信遅くなり申し訳ありません。

ヒロインに対する積極性という意味では、純一に近い部分はありますね。この手の、女性が強いハーレムものって、男キャラがことさらに主体性の無いお人形のような奴になってしまうことが多いですが、カズヤは顔に似合わず押して押して押しまくってくれるのが、見ていてとても面白いです。

契約は、第2話での教官たちのセリフを聞くに、決して誤解という感じではなく、むしろ想像通りのものなんじゃないかと思いますが、どうなのでしょう。「セキレイ」は見てないので分かりませんが・・・。

今作は「刀語」とはそもそも性差の扱い方が目に見えて違うので、「刀語」的なインパクトのある男性キャラの登場は難しいのではないでしょうか。あくまでオトコは添え物程度なのでしょうしw 

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