STAR DRIVER 輝きのタクト 第14話「アインゴットの眼」

とうとうバレてしまったのかっ!? いや、あれはバレるよマリノさんw




・キスシーンへ向けて


2クール目に突入の『STAR DRIVER 輝きのタクト』第14話は、ラブコメ調にドラマを転がしながらも、何人かの正体が明らかになって大きな進展を見せ始めたエピソードだった。


まず学芸会で上演予定の演劇「神話前夜」。イカ刺しサムの物語と同様、この劇中劇自体がストーリーやテーマの暗喩になっている可能性もあるから要注目だが(なんかそれっぽい名前が並んでいたし?)、まだ当面は劇の中身は問題にはならず、もっぱら配役、とくに濃厚なキスシーンを演じる主役を誰にするかという点が問題となる。今作ではやたらと”キス”という言葉や行為が、エロティックな夢のあるシチュエーションとして連想されるようになっているが、今回もまさにその典型。青春の代表格として、口づけという行為を想定しているのだろうなぁ。


大変残念ながら、キスシーンを演じるのはスガタとタクトの美少年コンビではなく、タクトとヨウ・ミズノの男女ペアに決定。この決定の前後における各キャラクターの反応がじつに面白くて、それぞれがそれぞれの立場や個性に基づいて、好き勝手に妄想したりしているのが見応えたっぷりだった。とくに、タクトへの想いをバッターボックスで表現してしまうマリノの脳内映像は好きだw タクトに恋人がいないと聞いた時に双子の脳内を走った映像のうち、ミズノの妄想(バスに乗って走り抜ける)がBパートで再度使われたのに対して、マリノのイメージがホームランから三振に変化したのは、運命の分岐を示す二人の差をコミカルに表現してみせた巧い演出。もしミズノがキスの相手役に選ばれ無かったら、彼女が脳内で構築したイメージはどのような変化を遂げたのか、見てみたかった気もする。


ともあれ、なんだか幸せ絶頂のミズノの様子が、早ければ次回にも打ち砕かれるのではないかという不安が掻き立てられる中でこれでもかと強調されているのが、画面の明るさに比して受ける印象はとっても重たい。さすがにタクトが彼女を邪険にするのはあり得ないとしても、ミズノを取り巻く状況が、彼女の幸福の長続きしないことを強く示唆している。ではその幸福を打ち砕くのが、果たして日死の巫女としての彼女の運命なのか、それとも同じ男性に恋をしてしまった姉との確執なのか、あるいはまったく別の罠が用意されているのか。波乱のキスシーンへ向けて、嵐の予兆は着実に振りまかれている。




・第3フェーズは間近?


今回、綺羅星十字団側が持ち出したサイバディは、以前から何度も言及のあったアインゴット。これが復元されれば十字団は第3フェーズへ移行してしまうということで、物語の展開を大きく動かすタイミングをつかさどる、ある意味ではタイムリミッター的な存在として扱われてきたサイバディだ。しかし復活させてみたらトンデモない奴だったということで、結局はタウバーンに倒されてしまった。


今回のサイバディ戦は、十分な尺を割いてがっつりと描いてくれた印象で、とても見応えがあった。相手がコントロールの利かない怪獣のような状態で、観戦者にまで被害が及ぶかもしれないという緊迫感があったのと、あとはアインゴットのデザインが文句なくカッコよかったのもポイントが高い。見るからに怖ろしい風貌な上に、搭乗者のマリノに襲いかかり喰らいつく謎の怪物の姿や、サイバディの眼が覚醒していく際の演出も良かった。スガタの第1フェーズ発動も、動機やタイミングは完璧。いままで少し焦りんぼだったからなぁw 一方でタクトはタクトで、相変わらずかっちょいい王子様の役を見事に体現していて、見るからに清々しい。これは惚れても仕方が無い!


それにしてもこのアインゴット、どうしてこんな禍々しいサイバディだったのか、現時点では謎だらけ。アインゴットだけが握りつぶされていたワケを考えるべきだったとか、復元した後に言われてもと思ってしまうが、タクトたちだけでなく綺羅星の面々でさえ戸惑ってしまうほど、邪悪なオーラを発していたということだろう。しかしその邪悪さがどうしてアインゴットに備わっているのか。巫女の位置を特定するという重要な能力に対する代償なのか、それとももっと他の理由があるのだろうか。


”視る”という行為は、極めて呪術的な要素が色濃く反映されるものだ。洋の東西を問わず、視るという行為や、あるいは眼という器官そのものに、人は大きなチカラの発現を感じてきた。アインゴットはもしかしたら、そんな人間の本能的な恐怖を体現したサイバディなのかもしれない。アインゴットだけが王のサイバディによって破壊されていたという事実は、かつて仏教徒の国々を征服したイスラム教徒たちが、仏像や壁画の”眼”をまっさきに破壊して回った事例を、どこか彷彿とさせる。彼らは偶像崇拝を禁ずるイスラム法に従ったと言うよりは、土着の神々に”視られる”ことを恐れたのだろう。それと同じように、かつてザメクに乗った王のスタードライバーは、アインゴットの危険性をどうにかするよりも、自分や巫女が”視られる”ことを恐怖し嫌悪したからこそ、あのように無残な形で握りつぶしたのかもしれない。




アインゴットがコントロール不能に陥ったとはいえ、それでも確かに、マンティコールは四方の巫女を見た。この事実にまつわる劇中の描写も色々と奇妙で、張り巡らされた伏線に戸惑わされる。


まずマリノは、巫女の中に自分の姿が無いことを訝しがっていた。これはいったいどういうことだろう? 恐らくあり得るのは、双子であるなら自分もまた日死の巫女の役目や能力や背負っているに違いないと考え、自分が生贄となることで、妹を守ろうとしたのだという話。でもそれが正解だとして、ではどうしてマリノはそんな可能性が成り立つと考えたのか。今までもずっと彼女は、妹こそが日死の巫女だと認識していて、自分が巫女だなどと考えていたようには見えなかった。それとももう一度見返してみれば、彼女の意図がより今回の展開に即したカタチで読みとれるようになっているのだろうか? 


また一方で、日死の巫女はこの世に存在していない、などという苦しい言い訳を繰り広げながら、ヒガシの巫女が誰であるかを理解し、さらにそれをヘッドやイヴローニュに悟られてしまうという大失態を犯した。マリノにしてみればこのような事態は完全に想定外だったから責められないとして、しかし驚くべきはヘッドやイヴローニュの周到さだ。この二人は、ヒガシの巫女が誰であるかを知っていて、また日死の巫女も確かに存在していると確信した上で、マンティコールを試し、彼女の隠そうとしている事の真相をやすやすと見抜いてしまった。このあたりの推理や騙し合いの駆け引きは、じつにうまい。


しかし、日死の巫女の正体をヘッドたちが嗅ぎつけたのと同じように、スガタもまた、ヘッドがじつに怪しい人物であると知ることになった。こうなると、スガタとヘッドの今後の接し方にはこれまで以上に興味がそそられる。恐らくヘッドは、自分の正体がバレることは折り込み済みだったのだろうし、二人目の巫女の封印を解く足掛かりをつかめたこのタイミングでバニシングエージに復帰した。「二番目のお祭り」だの、「世界を作る重圧と喜び」だのと、着実に彼の計画が進行している様子が窺えるが、では具体的にどのような手段を講じることになるのか。それにバニシングエージの時代とはいったい何なのか? 


十字団の目標がワコから日死の巫女に移ったことで、タクトは戦闘パート以外は物語の外縁部に退いたような格好になっていたが、本格的に活動を始めるヘッドにスガタが関わりを持ってしまっていることで、主人公サイドのメンバーが再び、ドラマの中心部に引き寄せられつつあるようにも見える。佳境に突入するであろう日死の巫女編の展開を、大いに楽しみにしておきたい。





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それでは、今回は以上です。


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