フリージング 第7話「Sanction」
バトルがカッコよすぎ! まるで009のようではないか!(まともに見たことないケド)
今回は、3年生の中でもトップレベルの使い手達がサテライザー制裁のために襲来するエピソード。とうとうサテラの接触禁止たる所以も語られ、ヒロインの”戦う理由”が明らかになって来ると同時に、物語も後半へ向けての新たな方向性を見据えて、胎動を始めた様子だ。
とにかく今回は、サテラによる、サテラ自身の意志の表明をする回であったと言えるだろう。本編開始早々にカズヤを気絶させて舞台から退場してもらい、また2対2ではあるがあくまで連携を見せずに個々の戦いに終始させることで、サテライザーが自分の戦いを全力で戦い抜くエピソードとなった。3年生の3人やラナも十分に活躍するが、しかしあくまで今回のドラマは、サテライザー=エル=ブリジットの一人舞台だった。
サテラが他者の接触を頑なに拒絶するのは、1年前にリミッター候補を手ひどく痛めつけた件にまつわるトラウマだと思っていたのだけど、じつはもっと以前から抱えていた心の傷であった。そしてその傷は、ただ単に彼女が他者と触れあうのを恐れ拒む理由になっているだけではなく、彼女が先輩や学園の風紀に対してことさら敵対的な態度を取り、わざわざ無用なトラブルまで呼び込んでいるかのように見える、不可解なまでのプライドの高さをも決定づける記憶だった。
他者からの接触を拒むのは、大きく分けてふたつの方法があるという。ひとつは、自分の存在感をなるべく小さくして、空気のような存在になって周囲に溶け込んでしまうこと。そしてもうひとつは、誰も手を出そうと思わないほどに孤高の存在に、自分を演出して見せることだ。
サテライザーは、何の迷いも無く後者の手段を選択しているが、これは本来の臆病で引っ込み思案な彼女の本質にはまるで合わない方法論だ。彼女のような人物であれば、見た目の美人さだけファッションセンスでなんとか誤魔化すことができれば、ほとんど目立たない生徒として自分を隠すほうが簡単で、それなのにわざわざ孤高の花を演じているのは、不器用にもほどがある。しかも彼女の場合は、2年生の身で学園一近寄りがたい生徒になることを目指しているが、そんな姿勢がこの学園の因習に真っ向から反していることは、当初から何度も描かれてきたことだ。戦闘力がすべてを物語るヒエラルキーの中で、あくまで「2年生にしては非常識」なレベルの戦闘力しか持たないサテラが孤高の花を演じるのは、身の程知らずと言われても仕方が無い。そんな非合理的なキャラクターとして、今作のヒロインは設定されている。
しかしそんな非合理性が、ただ彼女のプライドや不器用さに起因しているのではなく、亡き母の言いつけを守って必死に耐えて演じ続けているというのが明かされたことで、”ヒロインだから”の一言で片づけられていた彼女の特異なキャラ設定が、やっと納得のいくカタチで視聴者の前に提示された。これまで、まだるっこしいと言って良いくらいに何度も何度も描いてきた彼女の孤高主義が、他者からの肉体的接触を生理的に嫌悪する性格ともどもに、一点に収束されて理解されるようになったのは、折り返し地点として良い作劇だったと思う。
また一方で、サテラの回想シーン以外ではほとんどがバトルに費やされた今回。ヒロイン側に立ってもやはりどこかちょっと悪女っぽい顔を見せるラナは相変わらず魅力的で、またアーネットとクレオも3年生上位ランクとしての強さを存分に見せつける活躍で、大変見応えがあった。各人が得意にしているスキルを、戦闘中に解説しながらカッコよく見せる、王道のバトルシチュエーション。
スキル制の戦闘システムの面白さは以前にも書いたことだが、そのスキルが、それぞれのキャラの固有技になっているわけではなく、学科で習得する技らしくスキルツリーを形成しているらしいことが、ネーミングや効果によって理解できるようになっているのが、個人的にはとてもツボだ。このスキルツリー制によって、2年生の上を行く3年生、というシチュエーションや、それをさらに戦闘の中で習得し上回ってみせるサテラとラナ、というパラメータの上積みが、かなり直感的に理解されるようになっている。
で、それらを圧倒する生徒会長・シフォン=フェアチャイルドが、とうとうその真価の一部を見せてくれた。これは非常に注目に値する。もちろんその以前に、覚醒したヒロインたちにボコられて、普通ならここで決着がついてお終いになるかと思いきや、アーネットとクレオがふたたび立ちあがって、さぁこれから本番の決闘が始まるのだという展開を見せてくれたのが、両者ともにすさまじい根性で戦っているのだというのがよく伝わって来る。そしてその上で、あの糸目キャラが本領を発揮し、部下のティシーともども、一瞬だが大きなインパクトを残す姿を見せてくれた。
でもシフォン会長は、必ずしもヒロインの味方というわけではなく、むしろサテラいじめの黒幕に近い考え方の存在であるらしい。ED映像で影が怖い顔を見せているが、表面上は聞き分けの良い生徒会長を演じている彼女が今後どんな本性を見せてくれるのか、じつに楽しみだ。また、いよいよ学園内のゴタゴタだけでは収まりそうにない物語の方向性も示唆されたことで、後半戦への期待が膨らんでくる。
ところでED曲が好きすぎるのだけど、発売日が近いそうで。買おうかなぁ。このED曲だけで、『フリージング』という作品自体に大きなプラス要素となっていると思う。今期は他にも女の子が熱いバトルを繰り広げる作品があるが、ED曲を聞いて、内容に関わらず「今週も見て良かった!」と思えるというのは、とても強い。まぁ、自分だけの感性かもしれませんが。
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それでは、今回は以上です。

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今回は、3年生の中でもトップレベルの使い手達がサテライザー制裁のために襲来するエピソード。とうとうサテラの接触禁止たる所以も語られ、ヒロインの”戦う理由”が明らかになって来ると同時に、物語も後半へ向けての新たな方向性を見据えて、胎動を始めた様子だ。
とにかく今回は、サテラによる、サテラ自身の意志の表明をする回であったと言えるだろう。本編開始早々にカズヤを気絶させて舞台から退場してもらい、また2対2ではあるがあくまで連携を見せずに個々の戦いに終始させることで、サテライザーが自分の戦いを全力で戦い抜くエピソードとなった。3年生の3人やラナも十分に活躍するが、しかしあくまで今回のドラマは、サテライザー=エル=ブリジットの一人舞台だった。
サテラが他者の接触を頑なに拒絶するのは、1年前にリミッター候補を手ひどく痛めつけた件にまつわるトラウマだと思っていたのだけど、じつはもっと以前から抱えていた心の傷であった。そしてその傷は、ただ単に彼女が他者と触れあうのを恐れ拒む理由になっているだけではなく、彼女が先輩や学園の風紀に対してことさら敵対的な態度を取り、わざわざ無用なトラブルまで呼び込んでいるかのように見える、不可解なまでのプライドの高さをも決定づける記憶だった。
他者からの接触を拒むのは、大きく分けてふたつの方法があるという。ひとつは、自分の存在感をなるべく小さくして、空気のような存在になって周囲に溶け込んでしまうこと。そしてもうひとつは、誰も手を出そうと思わないほどに孤高の存在に、自分を演出して見せることだ。
サテライザーは、何の迷いも無く後者の手段を選択しているが、これは本来の臆病で引っ込み思案な彼女の本質にはまるで合わない方法論だ。彼女のような人物であれば、見た目の美人さだけファッションセンスでなんとか誤魔化すことができれば、ほとんど目立たない生徒として自分を隠すほうが簡単で、それなのにわざわざ孤高の花を演じているのは、不器用にもほどがある。しかも彼女の場合は、2年生の身で学園一近寄りがたい生徒になることを目指しているが、そんな姿勢がこの学園の因習に真っ向から反していることは、当初から何度も描かれてきたことだ。戦闘力がすべてを物語るヒエラルキーの中で、あくまで「2年生にしては非常識」なレベルの戦闘力しか持たないサテラが孤高の花を演じるのは、身の程知らずと言われても仕方が無い。そんな非合理的なキャラクターとして、今作のヒロインは設定されている。
しかしそんな非合理性が、ただ彼女のプライドや不器用さに起因しているのではなく、亡き母の言いつけを守って必死に耐えて演じ続けているというのが明かされたことで、”ヒロインだから”の一言で片づけられていた彼女の特異なキャラ設定が、やっと納得のいくカタチで視聴者の前に提示された。これまで、まだるっこしいと言って良いくらいに何度も何度も描いてきた彼女の孤高主義が、他者からの肉体的接触を生理的に嫌悪する性格ともどもに、一点に収束されて理解されるようになったのは、折り返し地点として良い作劇だったと思う。
また一方で、サテラの回想シーン以外ではほとんどがバトルに費やされた今回。ヒロイン側に立ってもやはりどこかちょっと悪女っぽい顔を見せるラナは相変わらず魅力的で、またアーネットとクレオも3年生上位ランクとしての強さを存分に見せつける活躍で、大変見応えがあった。各人が得意にしているスキルを、戦闘中に解説しながらカッコよく見せる、王道のバトルシチュエーション。
スキル制の戦闘システムの面白さは以前にも書いたことだが、そのスキルが、それぞれのキャラの固有技になっているわけではなく、学科で習得する技らしくスキルツリーを形成しているらしいことが、ネーミングや効果によって理解できるようになっているのが、個人的にはとてもツボだ。このスキルツリー制によって、2年生の上を行く3年生、というシチュエーションや、それをさらに戦闘の中で習得し上回ってみせるサテラとラナ、というパラメータの上積みが、かなり直感的に理解されるようになっている。
で、それらを圧倒する生徒会長・シフォン=フェアチャイルドが、とうとうその真価の一部を見せてくれた。これは非常に注目に値する。もちろんその以前に、覚醒したヒロインたちにボコられて、普通ならここで決着がついてお終いになるかと思いきや、アーネットとクレオがふたたび立ちあがって、さぁこれから本番の決闘が始まるのだという展開を見せてくれたのが、両者ともにすさまじい根性で戦っているのだというのがよく伝わって来る。そしてその上で、あの糸目キャラが本領を発揮し、部下のティシーともども、一瞬だが大きなインパクトを残す姿を見せてくれた。
でもシフォン会長は、必ずしもヒロインの味方というわけではなく、むしろサテラいじめの黒幕に近い考え方の存在であるらしい。ED映像で影が怖い顔を見せているが、表面上は聞き分けの良い生徒会長を演じている彼女が今後どんな本性を見せてくれるのか、じつに楽しみだ。また、いよいよ学園内のゴタゴタだけでは収まりそうにない物語の方向性も示唆されたことで、後半戦への期待が膨らんでくる。
ところでED曲が好きすぎるのだけど、発売日が近いそうで。買おうかなぁ。このED曲だけで、『フリージング』という作品自体に大きなプラス要素となっていると思う。今期は他にも女の子が熱いバトルを繰り広げる作品があるが、ED曲を聞いて、内容に関わらず「今週も見て良かった!」と思えるというのは、とても強い。まぁ、自分だけの感性かもしれませんが。
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この記事へのコメント
会長にはどうせなら木原数多並の強大さと狂気を見せて欲しいです。
アーネットは割と好きなので今後も期待したいです。しかし三年生組が真庭虫組っぽくなってましたね。噛ませ犬で敵のスキルアップ要員。まあ噛ませ犬に関してはまにわにの右に出るものはガネッサ以外に居ませんけとね!!
サテラの過去を知って今までの疑問が解明されましたが、酷いですね。良いことなし人生でも、不器用でも健気に生きていて泣ける。つーかあの義弟を殴りたい、釘バット!
ED良いですよね!歌も良いし絵も好きです。私も買おうか検討中です!
でも怪物との戦いがOPでしか流れないとなると、三年生とのいざこざでサテラが会長を倒して学園一位になって終わりかも知れませんね。
開眼したら魅力半減です!w たとえ目が開くことが”設定”としてあるとしても、実際に劇中でそれを見せるのは良くないですね。まぁよほどのことがあれば別ですが、昔と違って現代の1クールアニメでは、その「よほどのこと」を起こしづらいですよね。
ガネッサはまにわにの右に出るのですかw まぁ、かなり分かりやすいキャラの動かし方をしてくれているのは事実ですね。キャラの性格分析の楽しみが少なくなる一方で、主役の出番を猛プッシュすることが出来るというメリットを選択しているのかもしれません。ガネッサは、噛ませ犬を返上するためにラブコメ要員になってくれると、面白いんですけどねw
EDは今期のアニメでもトップクラスに好きです。本編BGMとOP・ED、それに能登さんのセクシーボイス。これらの”音”が楽しみで、この作品を見続けている感さえあります。
現在、管理人のミスにより、「妄想詩人の手記」本館の管理画面にログインできない状態となっております。この状態が数日~1週間(下手したらもっと?)かかりそうなので、その間は大変ご迷惑をおかけしますが、別館(http://coffeemonster1224.blog47.fc2.com/)のほうで、感想レビューを更新させて頂きます。ご了承ください。
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お手数おかけしますが、何卒ご理解ください。今後とも当ブログとおパゲーヌスを、よろしくお願いいたします。