バクマン。 第18話「嫉妬と愛」
見吉やっぱうぜぇぇぇぇ!ww
今回は、新妻エイジのもとでようやく自分達の新たな可能性のありかを探り当てたサイコーが、信頼と不信、愛と嫉妬の狭間で揺れ動くエピソード。こんなにシリアスに展開されたのって初めてじゃないか。
原点というものはやはり漫画家にとっても大切なもののようで、それはたった一つの作品との出会いとして経験されることもあるし、数々の小さな出会いの積み重ねが原点になることもある。サイコーにとって、漫画家の存在を初めて意識した「ヒーロー伝説」という作品があり、またそれに感化されて見よう見まねで描いていた落書き紛いの作品群が、そのまま彼の原点となり得るだけの蓄積として、大切に保管されていた。
シュージンに誘われて以降に身に付けた技術は、汗と努力の結晶として確かに貴重なものだが、言って見ればそれは小手先の技術に過ぎず、いくら技術が良くても面白い作品が作れないのは中井さんを見れば明らかだ。だが、原点を持つ者は強い。それを学んだのが、新妻エイジのもとでのアシスタント生活だった。
以前から疑問に思っていたのだが、サイコーもシュージンも、漫画を描くという行為そのものよりも、有名になって恋人をゲットする、という目的のために夢を追いかけている節があった。たまたま彼らの持っていたスキルが漫画向きだっただけであって、これが他の手段でもさほど問題があるようには思えなかったのが、これまでの我らが主人公たちの姿だった。けれどやはり夢を持ち、あえて困難な道に踏み込むのだから、ただ人気になりたいというだけでなく、自分だけの漫画を世に問うのだ、という強い気概を見せて欲しいと思っていた。週刊誌の人気投票やアニメ化するかしないかを、成功のすべての判断基準に設定してしまうような夢の持ち方は、とても現代の勝ち組至上主義に毒されたスタンスに見えて、不健全だ。だから、別に1位にならなくても良いから邪道で面白いモノを描けば良いだろうに(そのほうが早くアニメ化できるかもしれないのに)、と思って見ていたのだった。
しかし、少なくともサイコーはようやく、漫画を描きたくて仕方が無かった自分の原点を振り返り、そこに創作のアイディアと情熱の由来を求めることで、彼自身を土台とした、彼だけにしか描けない漫画道というものを模索し始めてくれた。子供の頃の自分が読みたかったり描きたかったりした漫画のアイディア、それは、王道で、なおかつ自分にしか作れない漫画作品に直結するものだろうし、それを武器にして戦うことは、彼の夢がただ人気になって良い奥さんを迎え入れるための準備などではなく、ただサイコー自身と、サイコーの漫画を読みたい・演じたいと言ってくれた亜豆のためだけに、創作に立ち向かえるということだろう。
この意識の変化は、非常に大きいと思う。作品のもたらす結果よりもその中身を重視することになるその姿勢は、少なくとも『バクマン。』という作品における主人公の立ち位置がより健全になって、今まで以上に熱い想いが込み上げながらドラマを楽しめるようになったと思う。もちろん、やるからには結果が全て、という厳しい勝負の世界であることも忘れられてはいないから、原点に立ち返った漫画への情熱と、読者へのウケを冷静に分析する打算と、そして亜豆との約束を果たすべく焦りながら邁進するその前傾姿勢とが、劇的な化学反応を起こしてくれるのではないかと期待したくなる展開だ。
あとは、ここで急速に溝が深まり始めたシュージンとの仲がどう修繕されるか。せっかく電話したのだから、ネームの中身について相談すれば良かったのに、感情的になってそれどころではなかったのが、とても痛々しかった。以前、見吉がズカズカと二人の間に割り込んで来たときに感じた不安が、予想以上に悪いカタチで的中してしまった印象。これだから、女は男の敵なのだ。男の抱える使命の重要性をろくに考慮してくれないし、男の生活を無意味に束縛しようとするし、かまってちゃんで、我がままで、巨乳で可愛くて煩悩に直接訴えかけてくる魔性の持ち主で、それに何より良くないのが、意図するとせざるとに関わらず、男同士の友情を簡単に引き裂いてしまう悪魔の手先だ。見吉のような、夢に向かう男を堕落させる要素しか感じられない女性は、分相応に平凡な幸福を望んでいる男性とくっつけば良いんであって、サイコーとシュージンに関わって良い人物ではなかったのだ。・・・とか、なんか半分くらいは根拠の無い言いがかりみたいな不平不満を見吉にぶつけたくなってしまうが、それでもサイコーとシュージンなら、こんな些細な障害を簡単に乗り越えて、見吉との交際さえがんがんプラス要素に変換して見せるだけのスマートさとパッションを見せつけてくれると信じている。次回、王道漫画のネームを仕上げるまでにどのようなドラマがあるのか、大いに楽しみにしたい。
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それでは、今回は以上です。

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今回は、新妻エイジのもとでようやく自分達の新たな可能性のありかを探り当てたサイコーが、信頼と不信、愛と嫉妬の狭間で揺れ動くエピソード。こんなにシリアスに展開されたのって初めてじゃないか。
原点というものはやはり漫画家にとっても大切なもののようで、それはたった一つの作品との出会いとして経験されることもあるし、数々の小さな出会いの積み重ねが原点になることもある。サイコーにとって、漫画家の存在を初めて意識した「ヒーロー伝説」という作品があり、またそれに感化されて見よう見まねで描いていた落書き紛いの作品群が、そのまま彼の原点となり得るだけの蓄積として、大切に保管されていた。
シュージンに誘われて以降に身に付けた技術は、汗と努力の結晶として確かに貴重なものだが、言って見ればそれは小手先の技術に過ぎず、いくら技術が良くても面白い作品が作れないのは中井さんを見れば明らかだ。だが、原点を持つ者は強い。それを学んだのが、新妻エイジのもとでのアシスタント生活だった。
以前から疑問に思っていたのだが、サイコーもシュージンも、漫画を描くという行為そのものよりも、有名になって恋人をゲットする、という目的のために夢を追いかけている節があった。たまたま彼らの持っていたスキルが漫画向きだっただけであって、これが他の手段でもさほど問題があるようには思えなかったのが、これまでの我らが主人公たちの姿だった。けれどやはり夢を持ち、あえて困難な道に踏み込むのだから、ただ人気になりたいというだけでなく、自分だけの漫画を世に問うのだ、という強い気概を見せて欲しいと思っていた。週刊誌の人気投票やアニメ化するかしないかを、成功のすべての判断基準に設定してしまうような夢の持ち方は、とても現代の勝ち組至上主義に毒されたスタンスに見えて、不健全だ。だから、別に1位にならなくても良いから邪道で面白いモノを描けば良いだろうに(そのほうが早くアニメ化できるかもしれないのに)、と思って見ていたのだった。
しかし、少なくともサイコーはようやく、漫画を描きたくて仕方が無かった自分の原点を振り返り、そこに創作のアイディアと情熱の由来を求めることで、彼自身を土台とした、彼だけにしか描けない漫画道というものを模索し始めてくれた。子供の頃の自分が読みたかったり描きたかったりした漫画のアイディア、それは、王道で、なおかつ自分にしか作れない漫画作品に直結するものだろうし、それを武器にして戦うことは、彼の夢がただ人気になって良い奥さんを迎え入れるための準備などではなく、ただサイコー自身と、サイコーの漫画を読みたい・演じたいと言ってくれた亜豆のためだけに、創作に立ち向かえるということだろう。
この意識の変化は、非常に大きいと思う。作品のもたらす結果よりもその中身を重視することになるその姿勢は、少なくとも『バクマン。』という作品における主人公の立ち位置がより健全になって、今まで以上に熱い想いが込み上げながらドラマを楽しめるようになったと思う。もちろん、やるからには結果が全て、という厳しい勝負の世界であることも忘れられてはいないから、原点に立ち返った漫画への情熱と、読者へのウケを冷静に分析する打算と、そして亜豆との約束を果たすべく焦りながら邁進するその前傾姿勢とが、劇的な化学反応を起こしてくれるのではないかと期待したくなる展開だ。
あとは、ここで急速に溝が深まり始めたシュージンとの仲がどう修繕されるか。せっかく電話したのだから、ネームの中身について相談すれば良かったのに、感情的になってそれどころではなかったのが、とても痛々しかった。以前、見吉がズカズカと二人の間に割り込んで来たときに感じた不安が、予想以上に悪いカタチで的中してしまった印象。これだから、女は男の敵なのだ。男の抱える使命の重要性をろくに考慮してくれないし、男の生活を無意味に束縛しようとするし、かまってちゃんで、我がままで、巨乳で可愛くて煩悩に直接訴えかけてくる魔性の持ち主で、それに何より良くないのが、意図するとせざるとに関わらず、男同士の友情を簡単に引き裂いてしまう悪魔の手先だ。見吉のような、夢に向かう男を堕落させる要素しか感じられない女性は、分相応に平凡な幸福を望んでいる男性とくっつけば良いんであって、サイコーとシュージンに関わって良い人物ではなかったのだ。・・・とか、なんか半分くらいは根拠の無い言いがかりみたいな不平不満を見吉にぶつけたくなってしまうが、それでもサイコーとシュージンなら、こんな些細な障害を簡単に乗り越えて、見吉との交際さえがんがんプラス要素に変換して見せるだけのスマートさとパッションを見せつけてくれると信じている。次回、王道漫画のネームを仕上げるまでにどのようなドラマがあるのか、大いに楽しみにしたい。
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この記事へのコメント
回復されたようで、よかったです。
でも、インフルは予後が大事だそうなので、ムリせずに、ゆっくり更新してくださいね♪
どうもありがとうございます。まだ全快ではないので深夜アニメのリアルタイム視聴はしばらく避けますが、いい加減アニメ見たり感想書いたりしないと、別の病気になってしまいそうだったのでw
お気遣い、どうもありがとうございます。
今までも熱いシーンはいくつか有りながらも、厳しい現実や主人公達のミもフタもない冷静さなどが印象的だった為か、今回は胸が熱くなった・・・笑
そして見吉は確かにうぜぇぇwと。
ただ男の戦いが熱くなるのに反比例してヒロインの影が薄くなるのが少年漫画の悲しい定石だと思っていたので、こうして出張ってくる彼女に肩入れしたい天邪鬼な気持ちもあります。
いやー、バクマン面白いです。胸熱ですねー。いまだに、彼ら自身の作品よりも、「いかに売れるか」が問題の焦点になっているのが気になりますが、でもそういう、創作者というよりはスポーツマン的な側面も含めてのドラマ性なのでしょう。
少年漫画にあまり馴染みの無い自分には、影の薄くなるヒロイン、というパターンはあまりピンと来ないのですが、近年のアニメの傾向から見ても、やはり独自性のあるキャラクター性が光る作品ですね。