魔法少女まどか★マギカ 第5話「後悔なんて、あるわけない」

食物連鎖とは、面白いことを言うなぁ。


それにしても戦闘パートの作画が相変わらず凄い。砕けた岩とかカッコよすぎ。戦い方までマミの影響を受けているさやかとか、槍がぐりんぐりん回るアクションとか、本当に毎回、見どころ満載で興奮しっ放しです。




・救われる望みなんてない


いよいよもって、魔法少女という存在そのものの意義が問われる展開になってきた今回。魔女が人間に危害を及ぼすから、という理由で戦う使命を負っているはずの魔法少女が、自らの口で、人間に対する危害を看過してでもグリーフシードを優先するのが当然だと、言ってのけた。暁美ほむらが、「魔法少女に救われる望みなんてない」と語っていたひとつの回答が、こうして提示された。


恐らくは魔力の唯一の収入源であるグリーフシード。これを狩らねば、魔法少女は自存することができない。もし美樹さやかが、すべての使い魔をことごとく倒して魔女の出現を未然に防いでいったら、必ず直面したであろう問題だ。人々を守るという使命を一時的には完璧に果たすことができても、すぐに自滅してしまっては、結果的により多くの被害を発生させてしまう。長い目で見れば、佐倉杏子のやり方が一番、被害の少ない方法だと言える。杏子が過去にどんな経験を積んだのかは知らないが、彼女くらいドライに魔女狩りに徹することができることが魔法少女にふさわしい資格であることは、ほむらも語る通りだ。これが分からない美樹さやかは、たしかに魔法少女になるべきではなかった。


すべては、ろくに何も説明してくれないキュゥべえが悪いってところに、落ち着く話だけれどね。大人のズルさを持つキュゥべえは、手を変え品を変え、まどか達と魔法少女の契約を取り付けようと躍起になっているけれど、そんな彼に比べれば今回の佐倉杏子のほうがよっぽど親切だろう。さやかは感情で反発しているけれど、杏子の論理に何の矛盾も無いことは恐らくよく分かっているだろう。しかしまどかや、契約を結ぶ前のさやかは、キュゥべえの言葉には論理的矛盾も感情の反発も一切感じていなかったところに、キュゥべえというキャラの抱える怖さみたいなものがある。今から第1話を見直したら、絶対に、キュゥべえを殺そうとするほむらを応援していたことだろうw


そして今回強調されていたのが、いちどこの契約に足を踏み入れてしまったら、もうすべてが手遅れになるということ。人間と魔女と魔法少女の食物連鎖は、それが食物連鎖である以上、絶対に生きて逃れる手立てはない。




・苦しみはいつ果てる?


ここで改めて疑問になってくるのが、魔法少女たちの戦いに終わりはやって来るのか、ということだ。ほむらが強調して何度も言及しているのが、魔法少女の抱える苦しみの永続性だ。「救われる望みなんてない」と断言するからには、魔法少女には救いが必要なほどの苦しみが付きまとい、その苦しみから中途で逃げ出す方途もなければ、努力によって使命を完遂して苦しみから解放されるという予見もまったく立っていないということだ。


これが他の作品だったら、魔女を生みだす悪の親玉がいて、その親玉を完全に撃破することが主人公たちの最大の目標となっていたはずである。だが「魔法少女まどか★マギカ」では、そんな存在についての言及は一切ない。むしろ、魔女がもたらす災厄は「不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみといった負の衝動」(公式サイトより)とされるが、こんなものは魔女など関係なく、人間の誰しもが持ち得る感情だ。となれば、人類の全てが聖人君子のような心を持たない限り、どこからでも魔女は湧いて出て、人々の心の隙間に巣食ってしまうことだろう。こんなのを相手にしていては、魔法少女はいつまでもその仕事から解放されるわけがない。


ただひとつだけ、第1話の冒頭において、魔法少女の解放に関するヒントがすでに提示されているかもしれない。暁美ほむらがたった一人で相手にしていた巨大な敵。あれが、すべての魔女を生みだす元凶だったとしたら、これを見つけ出して倒せば、魔法少女たちはその苦しみから解放されることになるのだろうか。もちろんまだ分からない。第1話冒頭の夢の世界が、この物語の決着点として用意されているものだとしても、それがどのような構図で描かれるのかは未知数である。しかし、一人の少女が、世界中の人々の負の感情を一手に引き受けて苦しみ続ける”というモティーフを、この作品はとても大事にしているような予感がある。仮にそうであれば、やはり問題となるのは、その少女の解放であり、救済であろう。




今回、キュゥべえが面白いことを言っていた。暁美ほむらは極めつけのイレギュラーであり、キュゥべえの予想や拘束力の決して及ばない存在。キュゥべえが契約したのかと問われれば、「そうとも言えるし、違うとも言える」。キュゥべえは決して嘘は吐かない(はず)だから、このようなはぐらかし方をしたのは、とても気になる光景だった。


想像をたくましくすれば、ほむらは、遥か大昔にキュゥべえ(あるいはその上司)と契約した、最初の魔法少女だったという考えができるかもしれない。それは元来たった一人で全人類に巣食う魔女を一掃する使命を背負わされた存在であり、言わば十字架に架けられた生贄のような魔法少女であったが、その細い両肩に課せられた使命は余りにも重すぎたので、仕方なくキュゥべえが下界に降り立ち、魔女のチカラを再利用して魔法少女を次々と誕生させて行った、とか。


いずれにしても、キュゥべえ以外に魔法少女のスカウトマンが見当たらない現状、そのキュゥべえがよく分からんと言ってしまった暁美ほむらは、本当に特別な謎設定を抱えているとしか判断しようがなく、彼女の抱えるブラックボックスが少しづつ明るみに出てくることが、物語の最終局面へと我々を導く布石となるのは間違いないだろう。できればそれと同時に、キュゥべえという存在の暗部も洗いざらい披歴して欲しいところだが、これはこのアニメシリーズではあえてぼかされるかな・・・。 ともあれ、暁美ほむら=薔薇の花嫁、キュゥべえ=世界の果て、という連想で視聴している現在の見立てが、どれほどの説得力を持ってくるものか、もう少し見守って行きたいと思う。




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それでは、今回は以上です。


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