STAR DRIVER 輝きのタクト 第18話「ケイトの朝と夜」

ここでまた謎な設定がぁぁ。ケイトさん何やってるの!?




・馬鹿騒ぎこそ、青春の輝き


今回はまた全体的にコミカルなシーンのオンパレードで、とても楽しげなエピソードだった。久々に登場のゴウダ・テツヤやホンダ・ジョージらとベニオの「フィラメント」隊員が、タクトに呼ばれた劇団「夜間飛行」の面々とともにBBQと花火を楽しむシーンからスタートしたが、招かれざる客ケイ・マドカとアタリ・コウが登場してから事態は一変。たちまち綺羅星十字団内部抗争における代理戦争の様相を呈したロケット花火の応酬が、本来なら停学処分でもおかしくない火事騒ぎにまで発展した。


こういう、どう見ても幼稚な発想の遊びを、大人の行動力で全力で楽しめるのが、青春のひとつの特徴なわけで。クールで高慢そうに見えるケイ・マドカ達も含めて、一歩間違えればただでは済まされない危険な遊びにやすやすと足を踏み入れてしまうというのは、確かに”青春の輝き”の欠片には違いない。このロケット花火戦争には、かつてタクトとその幼馴染が人力飛行機に挑戦していたのと同じ匂いがある。それに、高校生ならやるでしょう、ロケット花火の撃ち合いw 自分も経験があるけど、今振り返れば、とんでもなくDQNな蛮行だったなぁと反省しつつも、あのような幼稚な遊びに後先考えず盛り上がることの出来た人生最後の経験として、胸に焼き付いている。


このロケット花火戦争が、脚本上だけでなく映像上たいへん楽しげに、そして煌びやかに描き出されていたのには、きっと、作り手の経験や憧憬が多分に反映されているのではないかなと、妄想を膨らませたくなってくる。絶対に真似をしてはいけないし、中高生にはくれぐれもこんな罰当たりな遊びはやらないで欲しいのだけど、でも確かにこれもまたひとつの青春の輝きとして、『輝きのタクト』という作品を象徴するシーンだった。


また、火事のおかげで強制的に部屋を追いだされ、それまでのプライベート空間を離れて作中の最重要キャラの住居に居候する、という展開は、まんま『少女革命ウテナ』の第3章にあたる鳳暁生編と同様のシチュエーションだ。ラストシーンのニチ・ケイトの脱衣の仕方といい『ウテナ』的モティーフを随所に感じさせる部分が多いが、ミズノを中心とした日死の巫女編が『ウテナ』黒薔薇編を連想させる個所が散見されたのと同様に、ウテナファンなら色々と気付く描写やセリフが今後も出てくると思われるので、楽しみにしておきたいところ。もちろん、メインストーリーにどれほど過去作品が絡んでくるかは分からないし、何より『ウテナ』と『タクト』では青春の捉え方が大きく異なっているようだから、あくまで参考程度に思っておくのが良いだろう。




・ケイトの裏の顔


今回は、いままでも縦横無尽の活躍を見せてきたニチ・ケイトの、昼間と夜の二つの顔に、思っても見なかった裏が隠されていたことが明らかになった。


まず昼間の顔、というか女子生徒としてのニチ・ケイトのキャラクターについては、これまでは冷徹で無感動を装っているが内に熱い想いを秘めた眠れる獅子、みたいな印象があったが、なんと彼女はカラオケ店の娘(笑)で、毎日のようにふりふりと歌い踊っているらしい。ワコのことを、いまだに歌手なんか目指していて馬鹿みたいだ、などと言った直後に、『かんなぎ』もびっくりのイケイケな振り付けでの熱唱を聞かされた日には、本当にどうしようかと思ったw しかもお母様には全部バレてるし。ギャップ萌えとは良く言ったもので、タクトの突然の乱入に思考停止したケイトの姿は、今作に登場してきたどんなキャラよりも魅力的に輝いていたなぁ。


しかしそんなアイドルへの憧れが、じつはスガタへの切ない想いに裏打ちされた夢なのではないかとタクトが想像していたけれど、そうでもなければ、島から出られない巫女がいまだにアイドルの真似ごとをしているなんて、哀しすぎる。ケイトは、巫女としての運命や綺羅星十字団員としての使命に実直になろうとするあまり、普段の生活の楽しさ(青春の謳歌)を諦めているような節があったが、じつは子供の頃の思い出を大切に大切に、その胸の中に抱えているような人だった。ほとんどのスタードライバーたちが、リビドーとも輝きの欠片とも称される熱いパッションを全身に体現しようとしている中、やはり巫女の4人だけは、ある決定的な絶望の影をどこかに感じさせる。ニチ・ケイトもまた、彼女の大切にしている感情がこうして明るみに出れば出るほど、彼女が頭で納得しようとしている自分の宿命の哀しさが、いっそう痛感されるキャラクターである。


そのケイトが、夜に見せたもう一つの顔、もう一つの”仕事”。ヘッドが頼んだわけではないが、しかしヘッドの意に沿うこととして容認しているらしい仕事であり、タイガーとジャガーが絡んでいるということは巫女の務めであるかもしれず、しかも本人はどこか嬉しそうに励んでいるその仕事。ぐっすり寝入っているスガタのところに裸で忍び込んで、いったい何をやっているのか。現時点では情報が少なすぎて何も分からないが、王のスタードライバーであるスガタが巫女の一人であるワコと許嫁の契りを結ぶ必要があったことと、ケイトの夜のお忍びには、何か関係があるのかもしれない。子孫を確実に残すために王が複数の女性と結婚する事例は世界中にいくらでもあるが、そこまで生々しい話なのか、もっと象徴的な儀式なのか、全ては今後の展開待ちか。




・綺羅星十字団内部の勢力図に注目?


このニチ・ケイトの動きについて、ヘッドの命令で動いているわけではないという点は、ケイトとヘッドの関係を考えるひとつのヒントになりそうだ。


これまでケイトは積極的に十字団員の”表の顔”を暴き、綺羅星の総会だけでなく、学園生活においても各人各隊の動きを監視したり牽制したりしてきた。しかもその動きはしばしばヘッドの意向と連動して行われているようにも見え、第3隊ブーゲンビリアの代表としてよりも、ヘッドの懐刀のような印象を受けていた。


ところが今回のヘッドの発言では、ケイトの行動に対してヘッドが命令を出したのではなく、たまたま利害関係が一致していたという点を強調していたように聞こえた。つまりヘッドとしては、ケイトをバニシングエージの手駒であると認識して欲しくは無く、あくまで協力であり同盟関係としての立場を守ろうとしているように見える。ヘッドはケイトが東の巫女であることを知っているのだから、そのことも含めて、ケイトとの距離感や立場を計っているのだろう。微妙なバランス感覚の上に置かれているヘッドとケイトの関係性が今後どのように動くのか、要注目か。




それに加えて、バニシングエージに主導権を握られて焦っているであろうワタナベ・カナコが、いよいよもってタクトに近づこうとしているように見えるのが、非常に気になる。プロフェッサー・グリーンが危惧していたように、バニシングエージの連中はどうにも過激派で行動的な性格が目に付き、とくにケイ・マドカとアタリ・コウが加入したことでその危険性がいよいよ強まっている。この二人はこれまではカナコがしっかり管理してきたから良かったものの、ヘッドの後ろ盾を得て自由に動き回れる立場になったことが、十字団の内外にさまざまな亀裂を発生させている。


恐らくカナコは、この状況がまったく面白くないはずで、ひょっとしたら今後、移籍したダイ・タカシと再びコンタクトを取ったり、他の部隊を巻き込んだりして、バニシングエージを牽制する動きを見せる可能性も十分にある。そうした中で、もしバニシングエージがスガタに接触を試みるならば、それを見越してカナコがタクトに接近し取りこもうとする動きを見せても、何も不思議ではない。


サイバディを使ってヘッドの目指している計画がどんなものなのか、まだまだ明らかになっていないので分からないが、今作の真の主役である綺羅星十字団の勢力図の変遷がこれからの物語の重要なキーのひとつとなる可能性もあると思うので、よく注目しておきたい。




----


それでは、今回は以上です。


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村
↑ランキングに参加中です。拍手の代わりですので、読んで良かったとちょっとでも思ったら、クリックしてもらえると嬉しいです^^

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック