夢喰いメリー 第8話「夢回廊」

BGMが神すぎて涙でた。それと吉野さん道化役ハマりすぎw


※当記事は、以前ブログへのアクセス権限を一時的に失効していた折に、別館のほうで更新した記事を、そのまま転載したものです。

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灯台や樹海といったキーパーソンの名前は挙がるが、かといってそれらの敵にどうアプローチすれば良いのか、その手段がまったく見当もつかない夢路とメリーにとって、現状ではいままで通りに日常の幸せを謳歌しながら、他の夢魔との偶発的な接触を待つしか出来ない。むしろ現時点では、エルクレスやミストルティンが着実にその目的を遂行しつつある様が、夢と現実を混同してしまいそうになる秀逸な画面設計の中でゾクゾクするような緊張感を伴いながら描かれている展開だ。今回はまた今まで以上に見応えのあるシーンやカットの連続で、つくづく惚れ惚れさせられる。


第1話から、少年漫画的な異能バトルを描く作品として、アクションパートには相当に気合いをいれていた作品ではあったけれど、個人的にはそれ以上に、何気ない日常パートを濃密かつ意味深に描きあげる虚構的な映像表現にただただ圧倒されてきたアニメだった。そして今回もまた、アクションをやらないからこそ、日常風景の描写力の質の高さがよく強調されていた回だったと思う。とくに今回は、不安や夢や決意に揺れ動く橘勇魚と、彼女に象徴される”夢路の大切な世界”が着実に悪者の手によって包囲されつつある状況の緊迫感を同時に醸し出していたり、あるいはエンギがメリーたちに協力的な態度を取るまでの前振りとして、姉の記憶や由衣との心の絆を、ただセリフによってではなくむしろ特異な映像表現によってこそ提示していたりと、作り手がどれだけの熱意をもって作品に取り組んでいるかがよく伝わって来る30分間だったのではないだろうか。


エンギと由衣の暖かい触れあいを描いたAパートラストの一連のシーンは、見ていてもう何も言葉が出て来ないくらい、感動してしまった。まずBGMがあまりにも素晴らしくて、そんなBGMにのせてエンギを慰め抱きしめる由衣の姿が、泣けるほど素敵なシーンだったなぁ。生真面目さんと不思議ちゃん、この異色の組み合わせがこんなに真摯な友情として描きだされるとは、正直思っても見なかった。どちらかと言えばかなり強引な口調でメリーのことを後押ししたり引っ張ってみせる夢路とはまた違って、由衣の場合は独特の言葉遣いで相手のハートを掴みながら、そっと寄り添って支えてあげる優しさを見せてくれた。


夢路と由衣はともに、幻界と現界が交錯している今の状況を打開するべく動いている正義の(?)夢魔のパートナーであり、そういう意味でも由衣は今作のもう一人の主人公と言えるのだろう。メリーとエンギ、夢路と由衣、それぞれが友として仲間として認めあい、共に戦ってゆくような展開になってくるのだろうか。




一方で、不安感をあおる演出が強調されていた勇魚の進路相談。やはりあのおにぎり先生は、エルクレス(もしくはその仲間)なのかな。前回、海で河浪千鶴が、勇魚の夢が誰かに打ち明けられていないかと心配していたけれど、他者に夢を知られることの危険性がどのようなカタチで現われるのかも分からないうちに、とうとう勇魚は先生に”本当の夢”を打ち明けてしまった。仮にこれがエルクレスに利用されるのだとして、具体的に何をされるのか。


ただ恐らく確かなことは、夢魔に取り憑かれるタイプの人間は、恐らく将来の夢や願望を、真剣に抱き続けている人々だ。勇魚の一つ前に進路指導を受けていた生徒が、動物が好きだからと言って安易に獣医の道を選ぶのは良くないと指導されていたけれど、先生が彼女の夢を考え直すように言い、勇魚の夢はそれを認めてくれたのは、それだけ勇魚が真剣に、自分の夢を目指しているからだ。思えばこれまでも、夢魔に器として選ばれた人々は皆、将来の夢や、なりたい自分の姿というものを、強く強く心に願っていた人々だった(今回のヤンキーは不明w)。獣医を目指していた女子生徒も、獣医への道がどのようなものかをもっと具体的に検討した上で、どうしても獣医にならなければならないと強く希望するに至った時に、初めて夢魔の標的とされるのかもしれない(そして先生は、そうなるように誘導している?)。


いずれにせよ今回、夢魔・ランズボローの口から、夢魔たちがどのような意図の下に現界にやってきているのか、恐らく首謀者の考えにより近いカタチで提示された。エルクレスが、現界を乗っ取ってここを夢魔たちの支配する楽園にしようとしている、という説明は、いまのところ最も説得力のある説だ。そしてそんな計画を、ランズボローたちがどれだけ喜んで受け入れているかというのは、彼らの楽しげな様子からよく伝わって来る。これまでに描かれてきた夢魔たちはそのほとんどが、現界で器を手に入れるという行為を、とても楽しげに遂行していた(器となるべき人間と心を通わせるか否かは別として)。もし仮に我々人間が、素敵な夢の世界に行けると言われれば、心躍らせる者は少なからずいるだろう。きっとエルクレスの指し示す光の道は、それと同じくらい甘美な響きを持って、夢魔たちに語られている希望なのだ。


もちろん、エルクレスが本当にそんな計画で行動しているのかどうかは分からない。だがまずは、そんな事態を食いとめるべくメリーや夢路が活躍する、という展開になりそうな布石をしっかりと築き上げてきた感はあって、そうした前提のもとにそのまま敵味方に分かれての戦いを描いて行くのか、それともその前提を突き崩すような新たな展開を迎えることになるのか、そのあたりの見極めが、次回あたりに行われそうだ。


原作が未完結である以上、どこまで作品設定に深く突っ込んだストーリーを見せてくれるかは分からないが、これだけ暗躍する飯島先生とは、何がしかの決着を付けてくれるだろうとは思う。その中で、メリーと夢路のヒロイックな活躍や心の絆を存分に描きながら、夢を見ることの大切さ・素晴らしさを真摯に訴える作品として、終盤のエピソードを楽しませて欲しい。




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それでは、今回は以上です。

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