あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第1話「超平和バスターズ」

今期最大の注目作!? 切なくて見るのがつらいアニメになりそうだw




いやぁー、ずるい。ノイタミナはまじでずるい。こんなに良い作品(『あの花』だけでなく、その前の『C』も含めて)を持ってくるなんて、激戦区の木曜日に置いて明らかに、他の局より数段レベルの違いを見せつけてくるなぁ。


もちろん前期もその前もそうだった。そもそもが非オタ向けかつ女性層を取り込もうと言う枠だということだけれど、最近はもうそんな限定的なスタンスではなく、総合的にクオリティが高いうえに作り手の意欲がびんびん伝わってくるようなラインナップを、取り揃えているように見える。ノイタミナという存在が、現在のアニメ界に果たす役割は、年々増大しているような印象を受ける。


これだけ他のクリエイターの創作意欲を掻き立てそうな作品が毎クールごとに発表されるということ、そしてそれらの作品の多くがエンターテイメントとしての品質もかなり高いレベルを維持しているということは、売上げ以上に、作り手・受け手双方に与える影響の大きさを想像させる。『C』と『あの花』という作品を見て、ますますその感慨が大きくなってきた。




さて、『あの花』についてであるが、今年は本当に事前情報を仕入れてこなかっただけに、OPを見て長井龍雪の名前があってびっくりしてしまった。そういえば、『とらドラ!』メインスタッフの作品が近々放送されると耳にはさんではいたけれど、なるほどこの作品だったわけか。パっと見たところ、監督、脚本、キャラデザ、音響監督が一緒ということで(他にも共通点があるのかな?)、まさに『とらドラ!』という作品の根幹を支えたスタッフがそのままタッグを組んで制作にあたっている(しかも原作無しのオリジナルで!)。なるほど、たしかにこれは注目度が高くなるのはよく分かる。大いに期待させて頂きたい。


本編に関しては、まずいきなり、主人公・じんたんとヒロイン(?)のめんまが、違和感たっぷりのシチュエーションコントを繰り広げていて、ぐいぐいと引き込まれていった。この世のすべてに不平不満を持っていそうなじんたんと、この世のすべてを信頼しきっているかのような天然幼女系キャラのめんま。この絶妙なアンバランスさ加減の組み合わせにくすくす笑いを抑えられなかったのもつかの間、じんたんの家族の登場で、背筋がゾクっとする違和感を突き付けられる。


めんまというキャラの存在にまつわる設定は、視聴者にとってはあえて謎にされておきながら、この第1話の30分間で徐々に解き明かされていくことになる。最初は頭の弱い幼馴染か押しかけ女房に見えた彼女が、どうやら幻覚のような存在であるらしいと判明するのが序盤。続いてめんまは幼少時にはじんたんもはっきりと”見えていた”ということから、めんまは座敷童なんじゃないかと想像しはじめる。それだけならでも、まだ救いのある、ちょっと切ないけど暖かみのあるドラマになりそうだと考えるところなのだけど、じんたんの言動に暗く鬱屈としたものが徐々に表れ始め、また彼の「トラウマ」というキーワードが繰り返されるたびに、開けてはならない扉が少しづつ開かれていくような不気味さを感じるようになっていった。


座敷童だと思っていためんまが、実は過去に生存していた人物の幽霊らしいというのが明らかになったのは、じんたんがその劣等感を強烈に意識させられることになる、ゆきあつ&つることの邂逅シーンだ。その前に何度も挿入されていた幼少時の幸福な思い出を念頭に置いていた視聴者は、ゆきあつの余りにも嘲笑的な態度に一気に血を沸騰させ、またつるこの冷淡な態度にさっと血の気の失せるような思いをすることになる。じんたんの、様々な感情が複雑に絡み合った文字通りのコンプレックスをまざまざと見せつけられると同時に、無邪気にも仲間の絆を信じ続けていためんまがどんなショックを受けたろうかと、その悲痛な胸の内を自分のことのように共感させられることになり、それが、めんまはすでに死んでいる、という厳然たる事実のもたらした衝撃とも相まって、大きなインパクトを残すことになった。


めんまが自宅へ戻ったシーンは、もう涙無しでは見られない。めんまがじんたんに願ったことは何だったのだろうか、そんな約束のことなんてすっかり頭から抜け落ちてしまいそうな、家族との哀しい一幕。「めんま、どこにかえればいいんだろ……」というセリフが、ED終了後の、次回予告に相当する場面で語られたけれど、あの天真爛漫なめんまにそうまで言わせてしまう、”今”という時間の残酷さ。思えば、幼少時の幸せな時間を誰よりも強烈に繰り返し思い返しているじんたんのところに、過去をまるまる背負ったまま、現在に居場所をみつけられないでいるめんまが訪れたのは、必然だったのかもしれない。


しかし、かすかだが希望はあった。目の前のめんまを幻覚だと思い込もうとしていたじんたんが、ついにめんまのために行動を起こしたこと。そんなじんたんを、あなるが見かけよりずっと真摯に向き合おうと努力してくれるかもしれないこと。そして超平和バスターズの秘密基地に、ぽっぽが昔のままの暢気さで出入りしていたこと。このわずかな希望から、じんたんが何とかして道を切り拓き、めんまとの約束を思い出して皆との絆をもう一度構築してくれることを期待したい。




それにしても岡田磨里さん、飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことだw 『花咲くいろは』といい今作といい、地味そうな舞台をじつに楽しみな作品に仕立て上げてくれていて、脱帽させられる。最終話まで見終わったときに大きな拍手を送ることができるよう、ぜひとも楽しみにさせていただこう。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

あるるかん
2011年04月15日 09:19
主人公にしか見えない幽霊少女、だなんて八九寺みたいですね。明るく賑やかしい幽霊少女は洒落にならない背景があるから、展開の高低差はキツいですね。
あなるは主人公に酷い言われようだけど、意外にイイ奴のようですね。もう一人のヒロインってところですかね?
おパゲーヌス
2011年04月15日 14:29
>あるるかんさん
>明るく賑やかしい幽霊少女は洒落にならない背景がある

ああ、まさにその通りかもしれません。心しておかないといけないなw あの天然っぷりについうっかり騙されてしまいそうでした。思えば、少なくとも二人の少年の心に、深い傷を負わせた事件だったらしいですからね。

あなるは今後の活躍に大いに期待です。個人的には、子どもたちがどのタイミングで「あなる」という呼び名の恥ずかしさに気付いたのか、その最初のきっかけを映像化してほしいですw

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