花咲くいろは 第10話「微熱」

柚子小町サイダー!!


今回は緒花が風邪でダウンしてしまうお話。風邪をひいたときの一種独特な浮遊感みたいなものを表現しようと、様々な工夫を凝らしていた秀逸な回だった。現時点で、このシリーズ中でもっとも好きなエピソードになったくらい。色んな意味で面白い回だったなぁ。断片的なシーンのパッチワークのような構成や、意味のあるのか無いのか分からない謎を振りまいていくキャラクターたち。今後の物語への伏線もありつつ、映像演出の面でも細かいところまで遊び心をちりばめて、かなり凝ったエピソード。


というか、菜子が部屋を出ていくときにわざわざテレビを点けていくのが、理由を聞かされないウチはなんかもうホント可笑しくて、今回はシリアスとナンセンスギャグの配合が絶妙すぎると感心しっぱなしだったw Aパートからずっと可笑しなシーンの連続で、今回は膝を叩いたり腹を抱えたりして、大笑いしながら楽しませてもらうことができました。無駄にエロティックに演出される緒花の顔とか、最高だった! 似合わない・オブ・ジ・イヤーですね。


それと個人的に嬉しかったのは、自分がゴールデンウィークに金沢・能登へ旅行したときに堪能した絶品ご当地サイダー「柚子小町サイダー」が、はっきりと画面に映ったこと。

画像

↑これですね。ちょっとビンのサイズとかラベルのデザインが違うけどw いまは能登の海岸の砂利が入ってます

これと、もうひとつ「塩サイダー」というのがあって、これが予想以上においしいのだ! 石川県へ渡航する際にはぜひ味見していただきたい、というかむしろこれ作ってるメーカーさんにはぜひ全国展開してもらって東京のコンビニでも買えるようにしてほしいw 石川は、たった3日間の旅行でも両手の指では数えきれないくらいに美味しいご当地グルメがあって、本当に良いところだったなぁ。うちの家族では早くも、夏休みを利用してもう一度行こうという話になってたり。




ヒロインが風邪で寝込んだ一日を描写するというのは、印象深いところで『かみちゅ』あたりを連想するところ。『かみちゅ』も『いろは』も、自分という存在が他の人からどう思われているかが気になって、ついつい意識をベッドの外へ向けてしまう健気な女の子の姿が描かれた。もちろん緒花の場合は、ゆりえ様のように幽体離脱するわけにはいかないが、代わりに何かと布団から這い出てきて仕事着まで用意する、とても始末の悪い病人だ。もちろんそれだけ彼女が仕事に愛着を持っているというか、仕事が生活の一部になっているということで、真剣に悩み始めた本人には悪いけれど、緒花の涙も含めて、とても微笑ましい光景だったと言える。


「輝きたい!」という漠然とした目標を持って仕事に生活に打ち込む緒花。彼女の目には、女将や巴さんたちのような仕事に精を出す人々がとても眩しく映ったのだろうが、その輝きの大きな要因のひとつに、”誰かに必要とされている”という点を見出しているようだ。


思えば、フワフワと平凡な暮らしをしていた都会での生活から脱却しようとしていた緒花にとって、ひとつのコミュニティに対する帰属意識というのは、憧れや目標としてぴったりのテーマだったのだろう。緒花の母親はライターという仕事を通じて、自分自身がやりたいように生きる、という意味での輝きを放っていたハズだが、ずっと母親のそばにいた緒花には独立不羈の輝きを大して有難がらなかった。代わりに見出したのは、誰かに頼られ、必要とされて、その責任や使命を全うすることに全力を挙げる祖母の姿だった。第8話・第9話のエピソードを通して緒花は、社会の重要な構成要素として生きることの楽しさや生き甲斐を知り、女将的生き方に強く共鳴や憧れを覚えたのに違いない。


しかし、灯台下暗しという。緒花の母である皐月さんは、子育てを放棄するようなトンデモない親だが、しかし皐月さんには彼女なりの生き様、かっこよさ、輝きがある。いままではそれに気づかなかった緒花だが、喜翆荘での生活を十分に味わった今の緒花なら、母親の生き様に対してまた異なる見方をするようになるかもしれない。


もちろん、いきなり母親の生き様を「それもアリかな」みたいに肯定することは無いだろう。いま喜翆荘での生活に大いに生き甲斐を感じている緒花にとって、皐月さんの姿は、女将が娘を見やるのと同じようなネガティブイメージが付きまとうかもしれない。しかし、なんだか両極端なこの母娘のどちらとも一緒に暮らしたことで、緒花はより多角的に自分の身の振り方を考えることができると思う。そこで、緒花が自分の人生にどのような決断を下すのか、それが今後の大きなテーマになってくるかもしれない。


岡田磨理はそのあたりの人生観の対決を物語に埋め込むのが巧い人で、ひょっとしたら何か岡田さんなりの信念めいたものがあったりするのではと思っている。もちろんアニメ作品のストーリーをシリーズ構成一人が決定するわけではないとは思うが、かつて『ture tears』があり、今は『いろは』『あの花』というオリジナル作品が放映されているということで、この脚本家の、技巧面ではなく創作姿勢を云々する時期がやってきているのではないかと思うので、そのあたりにも注目しながら今後の展開を楽しみたい。


ちなみに今回の脚本は西村ジュンジ氏が担当ということで、過去作品で岡田磨理と濃い仕事をされた方がこうやって参加し、優れたエピソードを作り上げているというあたり、今作の制作環境の豪華さや幸運さが垣間見れる気がする。もちろんしっかりとした信頼関係のもとに作られているはずだが、そのうえで、脚本においても映像面においても、実力派が結集して高レベルのつばぜり合いを行っている、とてもエキサイティングな現場なのではないだろうか。



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それでは、今回は以上です。


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