ギルティクラウン 第３話「顕出 - void-sampling -」
いのりさんが自宅に乗り込んできたときは、とうとう我慢しきれずに「ですよねー」とつぶやいてしまったｗ
楽しい学園生活のはじまりはじまり？ ということで、ふたたびドラマの舞台は日常に回帰しながらも、以前とは決定的に異なる新たな人生の幕開けを告げるかのようなエピソードとなった今回。第３話というタイミングにおいてこの手の話を持ってくるのは定番中の定番とも言え、またAパートの展開もことごとく”鉄板”なシチュエーションをつぎ込んでくる。世界観設定が少々ややこしい分、物語の進行はたぶんわざと、オーソドックスに作っているような印象だ。
それでも、いのりはシュウとの関係云々以前に若者の間で人気のアイドルであったということ、また彼女のお人形気質の性格設定のためもあって、”主人公と顔見知りの美少女が転入してきた”という設定だけをただ持ってきても、学園コメディとしてはもうひとつ盛り上がりきらないあたり、やはり今作はかなりシリアス寄りの作風であることを改めて実感させられる。今回のコメディとしての見せ場は学園モノとしてのシチュエーションではなく、シュウがいろんな人のヴォイドを取り出すという非日常的な描写として作られていた。そのことから見ても、今作でもっとベタベタな学園モノをやるのは早計だと、作り手側が妥当な判断を下したのではないかと想像させる。同じ脚本家陣でも、『コードギアス』が学園モノとしても十分な魅力を持っていたのと比べると、今作の学生キャラはみんなカタくて地味だ。今回サービスシーンに使われたメガネ委員長あたりがもっと出しゃばってくれるなら、ラブコメ路線に走っても成り立たなくはないとは思うけれど、まぁ当面はロボット＆異能バトルものとして、シリアスなSF路線で良さそうだ。
そういう意味では、まだまだ日常のぬるま湯に未練を持った主人公がかりそめの平和を守ろうと勇気を出し、その結果として最悪のカタチで裏切られてしまうという流れは、なかなか良かった。彼が大切にしたがっている（と本人は思っている）日常の平和が、じつはとっくに堕落し不正義に蝕まれているのだということを、谷尋といういかにも平和的な友人によって象徴される。その友人の罪を受け入れ、秘密の約束事を交わして彼を守ろうとしたシュウの姿は、一見すると人間としての正しさを信じようとする彼の優しさにも見えるし、そんな姿にいのりは心を動かされていたようだが、現実は、彼の抱いていた幻想をいともたやすく打ち砕いてしまった。シュウの認識の甘さを突き付け、この作中世界がいかに歪んだ姿をしているかということを提示するのには、いかにも効果的なシチュエーションだ。ガイはきっとここまで計算したうえで、今回のミッションをシュウに遂行させたのだろう。
それでも、この悲劇的な展開にどこかリアリティを感じないのは、シュウが本心から平和な日常を望んでいたようにはあまり見えないからだ。第１話において、彼は自分自身を変わっている、感覚がズレていると言っていた。では何がどうズレているのか、劇中の描写からはまだはっきりとしたものは見えてこない。このモヤモヤとした違和感が解決されない限りは、ビジュアルの良さやアクションのかっこよさに魅せられることはあっても、主人公の生きているドラマに心からのめり込むことは難しいと思う。一見するとありがちな無気力主人公に見えるけれども、きっと後々語られることになる重大な秘密を抱えているのだろうから、その辺りは楽しみにしておきたい。
それから、シュウの母親がGHQで働いており、それもかなりエライ人たちと直接顔を合わせるような重要なポストに就いているらしいのは、今後のドラマの盛り上がり方を大いに期待させる要素だ。どうやら研究者のようだが、もし母と息子で両陣営に分かれて戦うことになったら、この手の作品ではちょっと珍しい光景になるかもしれない。あのお母さんが実際にロボット動かしたりすると燃えるんだけど、さすがにそういう展開はないよねｗ
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それでは、今回は以上です。
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楽しい学園生活のはじまりはじまり？ ということで、ふたたびドラマの舞台は日常に回帰しながらも、以前とは決定的に異なる新たな人生の幕開けを告げるかのようなエピソードとなった今回。第３話というタイミングにおいてこの手の話を持ってくるのは定番中の定番とも言え、またAパートの展開もことごとく”鉄板”なシチュエーションをつぎ込んでくる。世界観設定が少々ややこしい分、物語の進行はたぶんわざと、オーソドックスに作っているような印象だ。
それでも、いのりはシュウとの関係云々以前に若者の間で人気のアイドルであったということ、また彼女のお人形気質の性格設定のためもあって、”主人公と顔見知りの美少女が転入してきた”という設定だけをただ持ってきても、学園コメディとしてはもうひとつ盛り上がりきらないあたり、やはり今作はかなりシリアス寄りの作風であることを改めて実感させられる。今回のコメディとしての見せ場は学園モノとしてのシチュエーションではなく、シュウがいろんな人のヴォイドを取り出すという非日常的な描写として作られていた。そのことから見ても、今作でもっとベタベタな学園モノをやるのは早計だと、作り手側が妥当な判断を下したのではないかと想像させる。同じ脚本家陣でも、『コードギアス』が学園モノとしても十分な魅力を持っていたのと比べると、今作の学生キャラはみんなカタくて地味だ。今回サービスシーンに使われたメガネ委員長あたりがもっと出しゃばってくれるなら、ラブコメ路線に走っても成り立たなくはないとは思うけれど、まぁ当面はロボット＆異能バトルものとして、シリアスなSF路線で良さそうだ。
そういう意味では、まだまだ日常のぬるま湯に未練を持った主人公がかりそめの平和を守ろうと勇気を出し、その結果として最悪のカタチで裏切られてしまうという流れは、なかなか良かった。彼が大切にしたがっている（と本人は思っている）日常の平和が、じつはとっくに堕落し不正義に蝕まれているのだということを、谷尋といういかにも平和的な友人によって象徴される。その友人の罪を受け入れ、秘密の約束事を交わして彼を守ろうとしたシュウの姿は、一見すると人間としての正しさを信じようとする彼の優しさにも見えるし、そんな姿にいのりは心を動かされていたようだが、現実は、彼の抱いていた幻想をいともたやすく打ち砕いてしまった。シュウの認識の甘さを突き付け、この作中世界がいかに歪んだ姿をしているかということを提示するのには、いかにも効果的なシチュエーションだ。ガイはきっとここまで計算したうえで、今回のミッションをシュウに遂行させたのだろう。
それでも、この悲劇的な展開にどこかリアリティを感じないのは、シュウが本心から平和な日常を望んでいたようにはあまり見えないからだ。第１話において、彼は自分自身を変わっている、感覚がズレていると言っていた。では何がどうズレているのか、劇中の描写からはまだはっきりとしたものは見えてこない。このモヤモヤとした違和感が解決されない限りは、ビジュアルの良さやアクションのかっこよさに魅せられることはあっても、主人公の生きているドラマに心からのめり込むことは難しいと思う。一見するとありがちな無気力主人公に見えるけれども、きっと後々語られることになる重大な秘密を抱えているのだろうから、その辺りは楽しみにしておきたい。
それから、シュウの母親がGHQで働いており、それもかなりエライ人たちと直接顔を合わせるような重要なポストに就いているらしいのは、今後のドラマの盛り上がり方を大いに期待させる要素だ。どうやら研究者のようだが、もし母と息子で両陣営に分かれて戦うことになったら、この手の作品ではちょっと珍しい光景になるかもしれない。あのお母さんが実際にロボット動かしたりすると燃えるんだけど、さすがにそういう展開はないよねｗ
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この記事へのコメント
まあ秘匿のためとは言え、ずいぶん能動的なのはいかにもな感じですよね。もっと嫌がってたりする描写が欲しかったかな。
まぁ現状、主人公のヘタレっぷりで笑いを取るよりも、ドラマのスリリングさを重視した感じにはなってますよね。ギルクラはキャラのビジュアルは抜群に良いですが、内面描写はまだあまりうまく行ってない（というかたぶんワザとフラットに描いてる）ので、いきなりキャラ押しになっても戸惑うかもしれませんｗ
ロボットで戦ってくれれば自分はもう満足です＾＾