ギルティクラウン 第6話「檻 :leukocytes」

なるほど、タイトルの意味はそういうことか。うん、好きなテーマですよ。




あの大爆発を喰らっても、やっぱりガイはぴんぴんしていた!w まぁ予定通りとはいえ、周りの惨状を見るに、ひとりだけ「かすり傷」で済むワケがないと言いたくもなる。仲間がかばってくれたにしてもちょっと都合のよすぎる状況なので、ガイ自身に何か特殊な能力があるとかそういう設定が欲しいところ。この作品の場合、まだ語られていない作中設定がたくさんあるようなので、ひょっとしたらそのうち描いてくれるかもしれない。


さらに今回のクライマックスで描かれた、落下中の人工衛星を撃ち落とすという作戦。これは本当にすごい。なにがすごいって、こんなツッコミどころ満載の作戦を実行に移しちゃう作り手の判断がすごい。理科も数学も分からない自分にだって、コレがめちゃめちゃ難易度の高いことだってくらいは分かる。たった0.1ミリでも照準がズレれば、あるいはたった0.1秒でもタイミングがズレれば失敗する作戦で、たぶんコンピュータにやらせたってうまくはいかないモノを、人間のアバウトな感覚に頼って成功させようだなんて、無茶にもほどがある。なまじ合理的な作戦描写をやろうとしてしまっている分、かえって視聴者にツッコミどころを提供してしまっているようなもので、ちょっとどうかと思ってしまった。


けれどうまいなぁと思ったのが、最終的には結局、シュウの放った光線で(計算に基づく砲撃ではなく謎の奇跡パワーによって)作戦を成功させてみせた点。これのおかげで、劇としてはイイ感じにまとまったし、もしあのままガイの計画でやっていたら絶対失敗するのが見え見えだったからこそ、シュウが助けに入って初めて対等の握手を交わす仲になることができたことを、強く強く印象付けた。


この作品は、かなり強引ではあるけれど、それでも一応はSFとして、科学的な理屈を前提とした世界観なりアクションなりを描いている。またそうした縛りにほぼすべてのキャラクターが組み込まれており、それはガイとて同じだ。けれどいまのところ唯一の例外であるシュウの、その異能のちからのすさまじさをこれでもかと描ききっているために、戦闘シーンのもっとも重要な個所はSFではなく魔法モノのファンタジーへと転換されてしまうわけだ。ここが、『ギルティクラウン』という作品が、ははなはだ荒唐無稽に見えはするが、しかしそれでいて心からうっとりとさせる不思議な魅力を備えている所以なのかもしれない。科学から魔法へのバトンタッチと、その魔法を科学的枠組みのアクションに組み込み支配しようとする努力。ガイとシュウ、二人の主人公の関係は、そうした科学と魔法の相克の場として作用していると言えるのではないだろうか。

(もちろんこの場合の”科学と魔法”ってのは、SF説明が付随するか否かという観点で区別するために、便宜上そう呼んでみただけで、『とある魔術の~』の場合とは違う。劇に働きかける作用としての話。)


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さて今回のお話は、シュウがやっと自分の判断でガイの生き様に共鳴し、彼の仲間になることを選択したエピソードとなった。目的のためには手段を択ばない、独善的でエラソーで女の子にモテる、とにかく気に食わないヤツ、みたいなガイの印象が、がらっと崩れ去ったシーンが印象的だった。


もっとも、ガイの弱みを知っただけでたちまち心変わりしてしまうあたり、シュウもなかなか俗物っぽくてかわいい。高校生くらいの根暗な男の子が、すごいチカラと素敵な女の子をセットで手に入れてしまったときの複雑な心境を、非常に鮮明に描き出していて見事だ。口では不安だとか迷惑だとか言いながら、そして半分くらいはそうした自分の発言を信じながらも、チカラへの野望や、物語の主役になったような興奮と期待は、否応なくシュウの体を駆け巡る。しかし次第に、期待したほど自分の状況(とくに自身の内面や評価)は変わることなく、逆にヒロインはすでに他の男とデキていたらしいと知って、現実の壁を前にうなだれたり、嫉妬の炎を燃やしてみせたりして。どちらにせよ少年らしい特性を痛々しく発揮してアップダウンを一通り経験したうえで、ようやく現実と向き合う準備を終え、運命を変える戦いの、そのスタートラインに立った。これから先が、桜満集というキャラクターの真価を見せなければならない時だ。


シュウが価値の如何を問われるのは、彼がガイの苦悩をどう共有し結論付けるかという点になりそうだ。今回ガイは、王(リーダー)たるものの背負うべき罪を前に、恐れおののいていた。大義や目的のためには仲間の命を踏み台にしなければならない罪。敵とはいえ数多くの人の命を自らの手で奪い、また部下たちにも同じような殺戮を命じなければならない罪。では彼の大義とは、目的とは何かといえば、言ってみればそれは彼や彼に賛同する一部の人間たちのエゴでしかないのかもしれない。果たしてそんなモノのために、これだけ大きな罪を背負う(背負わせる)意味があるのだろうか。鈍感になりたくないと決意するガイは、四六時中、結論の出ない葛藤や苦悩を繰り返してきたのだろう。そして一人の人間の死を目にするたびに、彼はそこで奪われた命の重みを、深く深く心に刻むのだ。罪によって彩られた王冠を手にする者の苦悩、それが、今作の大きなテーマになるのだろう。


王の能力を手に入れただけでなく、王たらんとして苦悩するガイの手を取ったことで、シュウもまた、この葛藤に真正面から取り組まなければならなくなった。ただの英雄譚でもなく、奇術ずくめの手品劇場でもない、本当の意味での戦士たちのドラマに、大いに期待をかけたくなってくるところだ。



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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

ぽんず
2011年11月19日 00:46
こんにちは
実はこの度アニメ感想ブログを始めることにしたのですが、右も左もわからない身なのでちょっとルールが把握できないでいます。
トラックバックするに当たって、マナーを調べると相手の記事の言及リンクを自分の記事に載せなければならないと書いてありました。
しかし、他の感想ブログを見る限りでは皆さんリンクを載せずに自由にトラックバックしているように見えます。ブログの説明で指定がない限り言及リンクを載せる必要はない、ということで問題ないでしょうか?
記事に関係ない上にしょうもない質問で恐縮なのですが、よろしければ教えてください。
おパゲーヌス
2011年11月19日 01:20
>ぽんずさん
おお、ブログ始めるのですか! どんな記事を書かれるのか楽しみです。頑張ってください。

トラックバックは、FC2を中心としたアニメ感想ブログ界隈の人たちは、本来の役割やマナーとは異なる、かなり特殊な使い方をしています。基本的には、同じ作品(話数)の記事には断りなくTB飛ばしており、飛ばされた方も同じ記事のTBを送り返すのが、なんとなく慣習になっている感じですね。もともとはたぶん、TB飛ばすことで「あなたの記事を拝読しましたよ」というメッセージになっていたと想像しているのですが、人によってはやたらめっぽうTB飛ばしまくる人もいますし、自分なんかは最近はろくにTB返しも出来ていませんが、まぁブロガー同士の挨拶代わりや、アクセス数を分けてもらおうという手段なので、あまり厳格なルールとかマナーは無いはずです。もちろん人によってはTBマナーを気にされて、注意書き等で言及なしのTBお断りと表記している人もいますが、そうでなければ、目についた感想ブログには一通りTB飛ばしてしまうのは手っ取り早く自己アピールできる手段のひとつですね。

(一方で、はてなダイアリーに多い批評考察系のブログは、引用や言及の場合にのみTBを飛ばす、本来の用い方をしている方が多いようです)

ブログによっては、デフォルトで、記事中にURL言及がないとTB受け付けないという設定になっているものがあります。上記のような使い方をしたいのならその設定は解除しておいたほうがいいでしょう。またそもそもTB機能自体が無かったり、ブログ会社同士の相性の問題でTBが反映されなかったりもするので、TB送信用の別館を作っている人も多いです。

ブロガー同士のつながりを作りたいのなら、TBよりも相互リンクやツイッターでの交流が有意義でしょうね。
2011年11月19日 18:01
回答ありがとうございます!

やっぱり独自の慣習があったのですね。さっそくこの記事にトラックバックをさせていただきました。

まだちゃんと続くかどうかも分かりませんが、よかったら見に来て下さい。
おパゲーヌス
2011年11月19日 18:50
>ぽんずさん
早速拝見しましたよ。まだ今週の話数を見てないUNGOとのセットだったのでちと焦りましたがw 自分なんかが言える義理ではないかもしれませんが、継続は力なりの精神で頑張ってください!

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