妄想詩人の手記

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zoom RSS 輪るピングドラム 第24話(最終回)「愛してる」

<<   作成日時 : 2011/12/24 23:01   >>

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とうとう迎えた最終回。冠葉と昌馬の選択は!? 陽毬の命は!? 運命の乗り換えは成功できるのか!?


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じつは前回の話数、怖くてずっと視聴できていなかった。忙しくて更新止まってたのは半分は本当だけど、どうしてもピンドラの再生ボタンを押すことが出来ずに、他の作品の録画ばかり見ていた。なんというか、生半可な気持ちでこの作品に向き合ったらあっという間に飲み込まれてしまうんじゃないかという恐れがあった。そして実際に、今日、恐れていたことが現実になった。


理解できたかどうかとか、感動したかどうかとか、面白かったかどうかとか、そんなの、この作品においては本当にどうでもいいと思う。もちろん作り手は全力で僕らを楽しませようとしてくれているし、あるいはこの物語で表現したかったもの、伝えたかったものがたくさん込められているのは確かなのだから、だから素直に楽しんだり理解しようと努めたりすべきだ。そして実際、心の底から楽しかった。楽しいと言っても他の作品で味わえるような楽しさとはまったく異質の、『ピングドラム』でしか味わえない感動や笑いや涙があった。ほんのちょっとの理解できたトコロと、大部分の理解できなかったトコロがあって、それをあーだこーだと推理や空想する楽しみも、TV放送が終わってしまった今でもたくさん残されている(これについてはBDを購入して改めて見直していることがとても役に立つだろう)。


あるいはこの作品に込められたメッセージ、「95」やら「運命の果実」やらいろんな動物たちやら、たくさんの象徴的なモチーフやセリフによって直接間接に発信されてきた作り手の言葉を、なんとかして解明し抽出しようと試みることも、この作品を受容する重要なやり方だ。これは作品の内側だけでなく、その外側で語られたり表現されたりする種々の言葉を拾い集めて考察していくことで、なんとかそれらしいカタチを提示することはできるだろうし、それを社会問題だとか思想だとかに絡めて論じることも可能なわけで、そういうのは楽しいからどんどんやるべきだと思う。


でもそれはそれ。そうした表面的な楽しさとはまったく別種の感慨があったことは、たぶんみんな感じているんじゃないだろうか。ストーリーもセリフも映像演出も音響効果も、あらゆる点できわめて精密に、細部まで綿密な設計の下に制作されている大作志向の今作だが、そうした計算され尽くした技巧とは裏腹に、実際に画面から伝わってくる表現ははるかに混沌としてグロテスクだ。まるでそこには、作り手の骨身まで晒して取り組んで見せた熱意の結晶がむき出しのまま提示されているかのように感じる。音楽で例えるなら、完成された豊饒で精緻な音色を響かせるクラシックの交響曲と、汗や唾や吐息まですべて注ぎ込んで魂の音を吹き鳴らすジャズの即興演奏が、ひとつの作品の中にイメージとして同居しているかのようだ。しかも、そのふたつの姿勢が対立し合うのではなく、完全に同調して、一個の、不可分の表現として確立されている。


アニメでしかできない表現を追求しようとしたのは確かだろう。しかしそれは、表現のための表現とは断じて違う。なんとかして表現したくて仕方がない切実な欲求を、アニメという媒体の特性を最大限に活用してたどり着いたもの、それが、『輪るピングドラム』という結果だったのではないかと思うし、そうした熱意がびんびん伝わってくる全24話だった。


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個人的にこの作品、とくに最後の2話で描かれたエピソードにおいては、眞悧というキャラに込められた寂しさや怖れ、憎しみの感情に、強く心を揺さぶられた。


『ピングドラム』で描かれている”運命”の姿は、無機質で無表情な、ただ理由も無くそこに存在しているシステムとしてのイメージで語られていると思う(※電車を自分で運転することはできない。ただ選んで乗り換えるだけ)。物語上のラスボス役はいちおう眞悧ということになっていたけれど、高倉剣山たちが憤慨し、冠葉や昌馬や陽毬たちが翻弄された社会の残酷な仕組みは、眞悧という人物とはまったく無関係に存在している。むしろ眞悧は、そんな社会のいびつさに憤り、それを変えようと試みた人物だった。


果たして彼は間違っていたのだろうか? たしかに方法は間違っていたのだろう。思想だって間違っていたのかもしれない。けれど彼を否定しそのたくらみを阻止する主人公たちの行為と、運命によって定められているこの世界の残酷さ・理不尽さを打開することとは、まったく結びついていない。ゲームの世界の魔王ではないけれど、運命の乗り換えに成功しても、眞悧はその存在を消滅させたわけではなく、きっとまた別の機会を狙って、自分の望む方向へ列車の進行方向を捻じ曲げてゆこうとするだろう。大局的な視点に立てば、だからこの物語は何も終わっていない。何も変わらず、いや変えることができずに、世界の姿は相変わらず理不尽に歪んだまま、たくさんの人々が、子どもたちが、いわれのない不運を背負い込んで苦しんでいる。もちろん、すべての人間が完全に幸福になれる理想的なキモチワルイ世界像などを今作は志向してなどいなかったけれども、せめてこの世界のあり方に一石を投じて奇跡を垣間見せようというようなおとぎ話的な希望は、その片鱗すら見せなかった。もっと単純に、ごく狭小な意味で、冠葉と昌馬の二人の少年が、愛する人を守り抜いたお話。あるいは他のすべてのキャラクターたちが自分たちなりのやりかたで愛を貫こうと試みたお話であった。その中で、眞悧は一人だけあさっての方向を向いていたわけだ。


眞悧が高倉兄弟にしてきた様々な謀略は、たぶん、彼自身が考える「運命の女神さま」の役割を代行して演じていたのではないだろうか。もちろんそれは自分の目的を達成するためであり、その目的とはこの社会をどうこうしようなどという崇高な理念は欠片も無くて、たんに箱の中から抜け出したいという願望だけだ。自分という存在がこの世界にとって異質であると実感したときに(そうした実感を抱く人間というものはいつの世も一定数いるらしい)、その異質さを気色が悪いと感じ、その嫌な違和感を完全に払拭したいと願った。そうして彼は、この世界そのものを破壊し、周囲の人々をみんな箱から解き放つことがもっとも有効な解決策だと考えた。その解決策は彼のエゴでしかないけれども、しかしながら彼もまた、彼なりのやり方で、運命に抗おうと戦っていたのだと思う。そしてその戦いは、冠葉や昌馬たちによっていったんは頓挫したけれど、まだ彼の中では続いている。続けなければならないのだ。


眞悧が桃果にかけた呪いは、すなわち、眞悧がこの世界そのもの、運命そのものに対して抱いていた呪いでもあったのだろうと思う。桃果の正義は、安定と幸福のための正義だ。この世界に生まれ落ちた誰もが、一握りのささやかな幸福を手にすることができる世界。自分が生まれてきた運命を恨んだり呪ったりしないで済む世界。生きることを諦めないでいられる、愛し愛されることを諦めないでいられる世界。それが、桃果の正義だ。しかし眞悧の正義は、自分が自由になれる世界、自分を窮屈に歪めることなく、自由に振る舞うことで後ろ指を指されることのない、自分が王や神でいることの出来る世界。その世界を実現することが眞悧の正義であり、そのただでさえ困難な願望を強制的に阻止しようとしてくる箱のような世界を、彼はどんなにか恐れ、呪ったことだろう。彼が桃果にかけた呪い、それは日記の呪文によっても防ぐことのできない不可避の呪いであった。苹果が背負うことになるはずだった炎は代わりに昌馬が引き受けたけれど、結局、冠葉・昌馬・陽毬・苹果の全員が揃って無事でいられ、家族になる願いは果たされることがなかった。その点に関しては、眞悧の呪いが勝ったのである。


うがった見方をするなら、眞悧と桃果は、作り手(というか幾原監督)の中に共存し相争っているふたつの価値観がカタチを与えられたものだったのではないだろうか。眞悧を完全に滅ぼすのではなく、桃果の勝利を完全に約束したわけでもなく、今回は桃果の正義に分があったが次は分からない、という幕引きを見たこの物語には、この世界において自分をどのような立場に立たせたらよいのかと迷う、作り手の葛藤が投影されているように感じてしまう。どちらの正義を信奉すべきか、あるいはどちらの正義をフィクションの場で訴えるべきか、その答えが見出せないまま、しかし誰かを愛するという気持ちや行為だけは真実であるとし、しかも移ろいやすい人の心にもし真実があるとすればそれはこういったカタチをしているのだと宣言する意味を込めて「ピングドラム」を用意した、そんな心理状態を垣間見た気がするのは、しかし僕の妄想に過ぎないのだろうか。


それでも、高倉剣山の息子であることを選択した二人の少年が、その罪を一手に引き受けて業火の中に取り残されていったのは印象的だった。いったい彼らの罪とはなんだったのだろうか、その答えは明確ではない。ただただ思い出されるのは、禁じられた果実を食して楽園から追放された人間たちの原罪を、すべて我が身に背負って磔刑に処された、偉大な聖者の姿である。あるいはそれに加えて、「ほんとうに人間の誰もが、すべての人、すべてのものに対して罪がある」のだと切実に訴えた、かの文学作品も一緒に挙げてもいいだろう。けれどもちろん、そこまで大げさな次元にまで話を飛躍させたい意図はこの作品にはないだろう。そんな絵空事ではなく、もっと地に足を付けたところに、今作のもっとも重要な価値があるのかもしれない。(ただ、こんなことを言っては何だけれど、どの場面からどんな結論を導き出すかは、結局のところ受け手側の興味の問題に過ぎない)


ともあれ、どうにもならない理不尽がまかり通るこの世界・この人生において、眞悧が、桃果が、冠葉・昌馬や苹果たちが示してくれた運命との向き合い方を、作り手側がこうして全力でぶっつけてきた以上、われわれ受け手としても真摯に受け止めておくべきなのは確かだ。フィクションは現実とは違うけれど、フィクションだからこそ描き得ると信じて訴えかけられたその想いは紛れもない現実であるのだから。生きている中でいったい何に価値を見出したら良いのかがまったく分からなくなっている今、『輪るピングドラム』という作品がどのような意味を持っているのか、それを解き明かすのに1年や2年で事足りると言うことはたぶん無いだろう。



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それでは、今回は以上です。


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今年の冬コミ(C81)にて頒布予定の同人誌『別冊アニプレッション 2011冬号』にて、私おパゲーヌスは『輪るピングドラム』を題材に取った記事を寄稿しています。

タイトルは

「機械仕掛けの城」から「こどもブロイラー」へ  幾原流運命論の変遷を探る

です!

もちろん執筆したのはこの最終回を迎える1か月も前なので、ただでさえいろいろと不備や不足があるだろうのに、さらに最終回を視聴した今となっては小っ恥ずかしくなるような言説をぶちまけているかもしれませんが(笑)、しかしこのブログで書き綴ってきた自分の『ピンドラ』観をさらに補強する内容となっていますので、冬コミ3日目にお越しの際はぜひ「東P-21b アニプレッション」ブースへ足をお運びくださいませ! 


くわしくはこちら↓
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ひそかにささやかにアニメ等を応援している...
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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりです。
私生活で非情なバースト具合をみている私ですが、
なんというか、やられてしまった、という感じが非常に強かったです。
いや、本放送まで気合い入れて起きて観たのですが、
魂魄が口からフラフラと飛び出して帰ってこなかった。

実は、ウテナのTV版は半分くらいまでしか見れていなくて、ちゃんと「観た」と言えるのは劇場版くらいなのですが、初めて劇場版ウテナを見た時と同じような虚脱感を得てしまいました。
全く別の意味合いにおける魂魄飛ばしを「ジャイアントロボthe animation‐地球が静止する日‐」で味わいましたが、
今回「輪わるピングドラム」ではそれら二つの意味合いを重ねた二重の意味合いでの魂魄吹き飛ばし感を得ました。
一回見ただけでは理解できない。
多分、2〜3回見ても理解は難しい。
どころか、初めから見直さないとだめっぽくもある。
あと、なぜか17話とか、良い所で録画できていなかったので、どうしたものかしらんという。

整理がつかないのです。

(長くなってしまったので2つに分けます。ごめんなさい)
しずく
2011/12/25 00:53
二段目です。

以前、GAのようなアニメばかりだったら簡単に破産してしまうとかいった記憶がありますが、ピングドラムのような煌めく一作が創られ、そして続いているからこそアニメの世界から足抜けできないのですよね。
ヘタな文学作品よりよっぽど胸を打って鳴り響く。
文学は文字情報を基幹として人間の想像力と思考力に働きかける物だけど、アニメは音楽と絵画、そこに物語としての流れを同時に表現することによる多面情報を提供してくれる。どちらが上とか下とかそういうのはないけれど、多分、単純な表現としてはアニメに分があるような気がする。
それと観念的な何かを映像として表現しようとした時、実写がアニメの上をいくことはほとんどないと思う。
――だからこそ未だにアニメなのだし。


途中からピングドラム関係ありませんでした。
すみません。

追記
フィクションは、その受け手が如何に自分の中でそれを咀嚼し、どのようにそれを取り込めるかが重要なのは今も昔も変わらないような気がします。
そして、人間的なドラマを描かせたら実写に分があると思いますし、人間そのものを描こうとした場合も実写に分がある気がしますけど、こと観念的な物語をそのまま描こうとした場合アニメの方に分がある気がします。
少なくとも、ピングドラムやウテナを人間が演じるのは無理だと思いますし。
相当に痛い事になりそうだ。
まあ、やったら観るでしょうけど。
しずく
2011/12/25 01:17
>しずくさん
ジャイアントロボは見たことないですが、そんなにすごい作品だったのですか。二重の意味で魂が飛びかけるというのがどういう心境なのか、興味ありますねw 

17話は多蕗とゆりの物語においては非常に重要でしたね。なので高倉家のお話に関しては、録画失敗はまだ他の話数に比べたらダメージは少ないかとw いやでも後半部はずっと重要な回ばかりだったので痛いですね。

ヘタな文学作品ってのが何を指しているかはちょっと分かりませんけれど、小説には出来ないやり方で、古典文学が扱おうとしていたのと同じレベルにまで掘り下げることができているという点で、『ウテナ』も『ピンドラ』も、アニメ史上の白眉だと思います。

実写とアニメのどちらが優れているかも難しい問題ですけれど。とくにアニメの場合は、実写映画・ドラマと比較するだけでなく、舞台演劇からの影響も考えたいところで、『ウテナ』などはアニメ作品自体が演劇的だっただけでなく、実際にミュージカルとして上演されました(見たことないけどw)。それぞれの媒体の長所短所はあると思いますし、あとはやっぱり作り手の能力や熱意も違ったりするでしょうから、どちらに分があるかというより、その媒体で何をやろうとしたかが重要なのかも。

自分が実写ドラマに興味持てないのは、たぶん製作・制作側の熱意が感じられるかどうかって部分かな。実写映画なら面白いと思えるので。でもピンドラとかはやって欲しくないですww
おパゲーヌス
2011/12/25 10:26
どうも、お久しぶりです。

やってくれましたねー。この作品とはむしろここから、長い付き合いになりそうです。

終盤の怒涛の展開から「この作品はウテナを超えるかもしれない」と思って見てたんですが、いざ最終話を見せられるとそんなことはどうでも良くなりました。

サネトシは世界を呪いながら、実は自分自身をも呪っているような気がします。自分を呪いのメタファーと称しちゃうあたりがちょっとせつないです。

桃果の完全勝利という形にしなかったのは、やはり現実の世界でああいう呪いは消えることはないし、光がある所には必ず影があるものですから、最初からそこを否定するつもりはなかったんじゃないでしょうか。

なんか言語化しようとするとどうしても陳腐に聞こえてしまいそうなので苦労してます。
だからこそ表現能力の向上に繋がると思ってブログ始めたんですけどね。

今年はお世話になりました。私もブログを続けられるように頑張りたいと思います。
ぽんず
2011/12/25 11:21
「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-」
大概のTUTAYAにDVD全三巻で置いてあります。
こちらは物語性云々ではなくフィルムから伝わってくる熱量という意味で他作品を圧倒している感じです。「ロボットアニメはちょっとなあ」という人にとってはどうかわかりませんが単純な「アニメーション」という動きの文化にあっては最高峰に列挙されるべき作品の一つだと思います。
観たことがないのはちょっと勿体ないかもです。
オール手描きアニメの最後期の作品です。
http://v.youku.com/v_show/id_XMTM2MzUzMzA0.html
↑これとか見ると観たくなるかも。(違法かもですが、録画してなきゃ見れず、パッケージ化もされていないので、こうでもしなきゃ知らない人は見れないですよね)
アニメーターがこれでもかと言うほど頑張った事が分かる作品です。そうですね、OVA版ヘルシングを全部手描きにして原作を一切合財削らず、どころかアクション面を特盛り仕様に仕様変更かけるとああなるかなレベルでしょうか。あと『重さ』がきちんと表現されていました。
デジタルアニメでは未だに見たことがない『質量』が感じられる作品です。
いや、デジタルアニメも好きですよ、綺麗ですし。でも、重さが足りないように思うんですよ。アニメの画面はちょっとくらい汚くて鮮明でないくらいの方が個人的には好みです。(あんまり理解されないんですけどね…)

あと、ヘタな文学作品云々については、
ちと言い過ぎました。単に私の趣味でした。
「坊っちゃん」とか、明治時代におけるラノベだよねと思うんですが、多分あれは原作よりも映像化された作品の方が受けはいいと思う。作り方にもよるでしょうけど。

では、そのような感じで。
また来年もよろしくお願いいたします。

しずく
しずく
2011/12/25 17:06
一つ、重大な事を忘れておりました。

メリークリスマス!
しずく
2011/12/25 17:08
>ぽんずさん
どっちが上とか、どっちが面白いとか、そういう即物的な比較の範疇外に駆け抜けていった作品になりましたね。「なんか言語化しようとするとどうしても陳腐に聞こえ」る、っていうのは、『ピンドラ』だけでなくあらゆる作品の感想に当てはまっちゃうので、そのあたりは今後ブログを続けていくうえで嫌と言うほど実感すると思いますよw でも最初のクールでこんな難題に取り組んだ、その経験はきっととても大きいと思います。自分のブログは、最初に全話感想書ききったクールは『化物語』のときでした。あれもすさまじい体験でしたけど、ピンドラはそれ以上ですからねw この作品自分の言葉で語ろうと努力されていたぽんずさんの、今後のご活躍がじつに楽しみです。

眞悧は、まさかこんなに切ないキャラになるとは思っても見ませんでした。というか、彼をこういう風に見てしまうような人間に、自分がなってしまったということなのかなw 光と闇の一方ではなく双方を引き立たせる描き方は、やはり幾原監督だなぁと思わされました。
おパゲーヌス
2011/12/25 20:46
>しずくさん
なるほど。こんど機会があればぜひ手に取ってみようと思います。(申し訳ないですがその怪しげなサイトは見るのを控えておきますよw)

デジタルの、とくにロボットものは重さが足りないというのは、いまだに抜け出ることができていない印象は強いですよね。90年代のメカやらモンスターやらの迫力や重量感は、ロストテクノロジーになってしまったのでしょうか。ガンダムが立ち上がったっていうだけで興奮できるのはすごい!とか思いますよw 

汚くて不鮮明なくらいのほうが好み、というのは分かる気がします。ただでも、技術的に不可能なものを努力と工夫で乗り越えていた時代のやり方を、技術が進んだ今に持ち込むのは不可能なのでしょうね。今の技術でビートルズが生まれるかといえば100%あり得ないわけで。ファンからすれば、風化されないように語り継ぐというくらいしかできないでしょうけれど、だからこそ『ピンドラ』のように、風化の力学に真っ向勝負を挑む作品がまれに産み落とされるのかもしれません。

小説では、たまに「この小説は映像化不可能」とか言われてるラノベやら現代小説がありますが、そんならこれは映像化できるのかよ、と言いたくなる偉大な作品が山ほどありますからねw 小説は小説、アニメはアニメで、何が表現できるのかを見極めていきたいところです。

>メリークリスマス!
アンド ハッピーニューイヤー!
おパゲーヌス
2011/12/25 20:59
おパゲーヌスさんこんばんは
年末年始の企画を本年も開催しました。
よろしかったらまたご参加いただけますようご検討下さい。
記事と関係ない宣伝失礼しました
おちゃつ
URL
2011/12/25 21:11
>おちゃつさん
毎年ご苦労様です。また今年もお誘いいただきどうもありがとうございます。時間がとれればぜひ参加させて頂きたいと思っています。
おパゲーヌス
2011/12/25 21:55
はじめまして。
江楠(えくす)と申します。
以前から拝読させていただいております。

『輪るピングドラム』、
最初は奇天烈な実験作くらいにしか捉えていなかったのですが、次第に明らかになる作品の中核、登場人物達の切実なドラマ、そして彼らを描く作り手の想いにいつの間にか完全にノックアウトされてしまいました。

本当に、技巧が本作の本質じゃないんだけど、この技巧じゃなきゃ伝わらない感動でしたね。

サネトシ先生からは、何故だか『千と千尋の神隠し』のカオナシを連想してしまいました。

あと、おパゲーヌスさんがご覧になっていたかは分からないですが、本作『ピンドラ』はアニメ『鋼の錬金術師』(2003年版+劇場版)の物語テーマと根深いところで呼応しているように感じました。興味がありましたら、是非鑑賞をお薦めします。

長文失礼しました。
江楠
URL
2011/12/27 19:36
>江楠さん
はじめまして、コメントどうもありがとうございます。

申し訳ないですがハガレンシリーズは漫画もアニメもさっぱりなのですよねw 色んなところで話を聞くのできっと面白いし良い作品なのだろうとは思うのですが、いまから取り組むにはちょっとボリュームがありすぎて。機会があればぜひ手に取ってみたいですけどね。とくにピンドラとのテーマの呼応というのは非常に興味深いです。

>本当に、技巧が本作の本質じゃないんだけど、この技巧じゃなきゃ伝わらない感動でしたね。

仰る通りというか、これ以外になんと言えばいいのかっていう感じがありますねw だから、我々視聴者がこの感動を言葉にしようと思っても、「これ以外にない」というやり方で語られているものをどうやって表現したら良いのか分からない。見終わってから感想書き始めるまでにしばらく悶々としてました。

眞悧がカオナシという発想は無かったですね。似てるかな・・・? うーん、ちょっとよく分からないかもですw

おパゲーヌス
2011/12/27 21:48
 連コメ失礼します。
 お返事ありがとうございました。

 そうですね、ハガレン、長いし重厚だしで、一から追いかけるのは大変ですもんね。面白さは保証しますので、まあ、いずれ機会があれば。

 ピンドラとハガレンの呼応というのは、うーん、上手く言えないのですが、「罪」とか「自己犠牲の愛」とか「別離」とか、よく見ると様々な要素が共通していて、全体で語られるテーマも通じる節があるように思えたので・・・。

サネトシ=カオナシは直感で、もっと説明しにくいのですが、

 いや、ほんと言葉じゃ語れない作品ですねw
 ひとに薦める時には「とにかく観て!」としか。

 今の時代、今年にこそ現れるべくして現れた、それこそ「運命」の作品だと思います。

 では、良いお年を。
江楠
URL
2011/12/28 00:41
追伸

すいません、ちょっとミスりました。

サネトシ=カオナシは直感で〜のところは、やっぱり全然言語化できなかったので、忘れてくださいw

あと、本作『ピンドラ』、そう、言葉だけじゃ絶対語りきれないんですけど、でもこの作品から受け取った想いを自分のところに留めておきたくない、とにかく誰かに何とか伝えて共有したい、そんな衝動に駆られます。
それこそ、作中で彼らがピングドラムを分け合ったように。
 だから結局は私達視聴者は言葉で語るしかないのかも・・・

 ちょっと自分でも何書いてるか分からなくなっちゃいました。すみませんw
江楠
2011/12/28 00:53
>江楠さん
言葉で満足に語れないのはあらゆる作品においてもそうだと思います。ピンドラはとくにそれを痛感させてくれたというだけで、分かりやすいストーリーや一見くだらないことばかりやっているような作品でも、それを視聴者がどうやって受け入れ、飲み込んで、言葉に変換していくかという段階になると、途端に絶望的な困難さに直面します。そうじゃなければ、わざわざアニメを作る意味が無いですし、こんなにたくさん感想ブログは要りませんw 作り手自身だって分かってないことが、作品の中にはたくさん詰まっていると思うので、それを作品に触れた人が皆で、いろんな方向から掘り下げ発見していくことができればいいですね。『ピンドラ』は、そういう楽しみをわざわざ視聴者に教えてくれているという点でも優れていたと思います。

眞悧をなぜカオナシと結びつけたのか、江楠さんが満足にそれを理解し発信できる日を心待ちにしています^^ 
おパゲーヌス
2011/12/28 22:15

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