偽物語 第4話「かれんビー 其ノ肆」

ゴルチョが好きとは、この幼女はなかなかよく分かってる。でもキミは知るまい、まだ客に出すことができない、揚げたて熱々のオールドファッションのうまさを!


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今回から登場の二人が異様な空気をまといすぎていて、戦場ヶ原がかわいく見える。羽川さん登場はうれしかった! でもなんかまんまるくなってるー!?(←顔が)


うーん、眼鏡スキーとしてははなはだ残念なイメチェンだけど、外界と自分の心とをつなぐルートにいちど眼鏡の障壁を設けておかないと気が済まなかった少女が、阿良々木たちとの出会いを通じて大きな変化を迎えようとしているのなら、その決意だけでも、彼女の人生にとって大きな価値を持っているのだろう。


でもそのおかげで、優等生発言ばかりしていた以前と比べると、セリフの選択そのものはそんなに変わっていないハズなのに、そこに悪意やら諧謔やら欲望やらの黒い感情がはっきりと表れてきているのが怖い。これではブラックならぬダーク羽川さんだ。


いまの羽川翼を見ていると、なんだかあまりにも楽しそうで、それが逆に、以前の羽川翼がどれだけつらそうだったかということを強く意識させる。前作を見ていたころは、彼女のポーカーフェイスが鉄壁だっただけに、一部の作為的なシーンを除けばそれほど、つらいとか不幸せだとかいう印象は受けなかった気がするのだけど。でもいまの羽川を見てから前作を思い返すと、びっくりするほど異なる表情をしていたことに気づかされる。当時はいったいどれほどの鬱憤を溜め込んでいたのだろうか。


こういうところで、この作品のスゴさを改めて理解する。直接の言葉や演出には表れてこない人物像、セリフや演技の裏の裏で繰り広げられていた秘かな葛藤やドラマ。それがちゃんと表現されているのだから。それも、「ここがこうだからこう解釈できる」という明確な方程式が提示されるわけでもなく、ただ漠然とした印象だけで、登場人物の心境の重要な部分をさらりと伝えてしまう妙技。おそらく原作の時点から意図して行われていることを、アニメではさらに独自の手法を駆使しながら映像化しているのだろう。このシリーズが多くの読者や視聴者に受け入れられる理由には、ただクセの強いキャラクター像や会話劇だけでなく、直接的な表現法では絶対に描き出すことのできない微妙なこころの揺れ動きを、間接的な印象操作を積み重ねることで、見事に提示することができているからではないのかと思う。ストーリー展開の派手さで引っ張っていくのではなく、むしろストーリー進行はどちらかといえばゆっくりとしたテンポでだらだら、じわじわと進んでいくこの物語が、しかしこれだけ面白く興奮に満ちたものに見えるのは、高度な漫才やダジャレのセンスのみに由来するのでないことは確かだ。


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火憐ちゃんが具体的にどんな目にあってどうしたらよいのか、その具体的な話に突入しないまま、後半部ではなんと忍野忍が唐突に出現(なので結局今回も物語はそんなに進んでないw)。これには正直、びっくりさせられたなぁ。もちろんこの吸血鬼がいきなり出てきたことにもびっくりしたのだけれど、その後にあんなに饒舌に会話を繰り広げたうえ、阿良々木の寿命の話まで持ち出したことでひょっとしたら忍こそが本当の意味でのヒロインであり恋人なのではないかと思わせる話の内容に、思わず茫然としてしまった。


永遠の命を持つとされる吸血鬼には、限られた寿命の人間たちとの絆の儚さや、同じ時間を生きられる仲間(もしくは想い人)の存在というのは、定番中の定番なテーマと言える。言えるのだけど、それが阿良々木に向けられるとはまったく想定していなかった。指摘されて初めて、どうしていままで想定していなかったのかが不思議でならなくなるくらい。いまいちピンと来ていなかった忍の存在感が、まさかこんなにクローズアップされるとは。


月火ちゃんが風呂場にやってきて、仲睦まじそうに裸の付き合いをしている兄と謎の幼女を目撃するというシチュエーションは、他の作品だったらそれこそ1話まるまる費やしてドタバタコメディ繰り広げてもいいレベル。月火ちゃんが包丁とお鍋のフタで武装してきたことでそんな雰囲気をうまく取り入れつつ、しかしちゃっかり誤魔化してこれ以上の騒動にならないところが、今作の特徴でもある。これだけたくさんの個性的すぎるヒロインが揃っている一方で、それぞれのヒロインがお互いにお互いの領域へあまり深く足を突っ込まないように、バランスを取っている。ちょっと醒めた姿勢のもと、ヒロイン同士の「合従」ではなく、あくまでヒロイン一人ひとりと阿良々木暦の「連衡」の関係性を維持し続けていると言える。このバランスをいつまで保ち続けるかは分からないが、戦場ヶ原がしっかりと恋人アピールすればするほど、他のヒロインも阿良々木との関係を(主に危うい方向へ)深めていくわけで、それぞれのヒロインを平等に引き立てていく巧いやり方なのかもそれない。




さて、火憐ちゃんが病気であることが判明し、いよいよ事件が本番に差し掛かろうとしている展開。たぶん「かれんビー」としてのエピソードはあと2話で完結するのではないかと思うが、いったいどんなクライマックスが用意されているのか、楽しみだ。



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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

あるるかん
2012年01月30日 23:59
忍野は自称古風な男なんで、オールドファッションが好物ですよ。


>これではブラックならぬダーク羽川さんだ。
いえいえ、羽川は真っ白なホワイト羽川さんですよ。ネタバレにはなりませんが、『化物語』で忍野が羽川を正し過ぎて、真っ白過ぎるのが気持ち悪いと評したりしてましたが(アニメではカットされてたかな?)、そこが問題なんですよ。
まあ羽川さんについて『偽物語』ではあまり掘り下げられないのが残念。ファイアーシスターズと偽物がテーマだから仕方ありませんね。
とりあえず、羽川さんは憑き物を落とした状態なんで、割とすっきりはしてますけどね。


暦と忍の関係性は複雑で余人には理解し難いものがあります。互いに殺したいほど憎いのに、同じくらい好きなんですから。だからこそ、あの二人はあんなにも仲良くいられるんですよ。それは今回の話でもよく、表現出来ていたなと感嘆しました。


余談ですが月火にとって、包丁・千枚通し・バールは標準装備ですよ。包丁だけだったのは彼女なりの仏心です。
月火もブラコンですから、敬愛する兄を殺して解(ばら)して並べて晒す程度にするつもりだったのでしょう。



忍野忍は真綾さんでしたか、私はゆかなさんがよかったと思いました。忍完全体は妖艶な美女なんで(笑)。それに今回の忍の幼女体や『傷物語』に登場する中間体などの演じ分けもゆかなさんならできるとも、思いました。
でも真綾さんもなかなか悪くなかったのでよかったです。
おパゲーヌス
2012年01月31日 19:23
>あるるかんさん
>、『化物語』で忍野が羽川を正し過ぎて、真っ白過ぎるのが気持ち悪いと評したりしてましたが(アニメではカットされてたかな?)、そこが問題なんですよ
うーんと、だから、「憑き物がついた状態」で気持ち悪いとされていたホワイト羽川が、いまはその気持ち悪いくらいの白さを捨てて、ようやく自分のやりたいようにふるまい始めている(=ダークになって楽しんでいる)、という状態ではないのですか? 

忍の声優は、じつはドラマCDの平野綾がとても良い味だしていたのでそのままがいいなぁとか思っていたのですが、大人の事情は置いておいても、今回見せたしゃべり方なら声優交代したのはポジティブに考えることができて良かったです。
あるるかん
2012年01月31日 20:22
今後また続編があるかも知れませんからネタバレは避けますが、一応『偽物語』での羽川はきもちわるいホワイト羽川なままです。憑き物が落ちたので、やや変化はありましたが、白いままですよ。
彼女の白さは憑き物ではありません。だから落とせないんです。とりあえず、『偽物語』ではホワイト羽川なままですよ。
おパゲーヌス
2012年01月31日 22:58
>あるるかんさん
ということは、今後大きな変化が訪れることになるのですね。まぁもし続編があるならそちらを楽しみにしておきます^^ 

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