ラストエグザイル―銀翼のファム― 第20話「Triple rook」

やっぱり素晴らしい空戦シーン。文字通り最後の戦いということで、新旧主要キャラそろい踏みでの白熱するバトルが展開!




もう今回は、アクションの面白さの一点に尽きる。広大な空間を埋め尽くす艦隊やグランエグザイルの姿と、飛び交う砲弾や戦闘機の密度、そして光線発射のたびに劇的に変化する天候が、まさにラスボス戦と言うにふさわしい煌びやかさを誇っている。艦隊戦の後に行われたヴァンシップ隊突入作戦は、これほど臨場感豊かな戦場描写がTVアニメで行われたことがあっただろうかと感嘆してしまうくらい迫真のシーン。狭い通路で久しぶりに本領発揮するジゼルの活躍が目覚ましく、また星型のギルド機を相手に立ちまわるディアンのインメルマンターンなど、これぞラストエグザイルの空戦だと叫びたくなる特徴的なシチュエーションが満載だった。まさにグランドフィナーレと言っていい圧巻の30分間だった。


だからこそ、今回のアクションを最高の盛り上がりで見せるストーリーの下地を敷いておくことができなかったのは、致命的ではあったかな・・・。いつの間にか最高司令官に座っているミリアなどは、彼女がどのようにして統合軍の支持と信頼を勝ち得て、ヴァサントの後釜としてこのトップに立ったのか。そこにはきっと様々な人々の利害や思惑が絡み、またトゥラン王としての使命に従うミリア自身の葛藤もあったはずで、さらにこれ以前の戦闘でミリアが艦隊指揮官としての実力を十分に見せつけていたという背景も当然あったに違いなく、それらの重厚なドラマがほとんど描かれることのないまま、視聴者の想像に委ねられてしまったのは痛い。あるいはアナトレー艦隊の出現タイミングや、まさか(ホントにまさか!)のソルーシュ復活など、このへんの都合の良さはさすがに擁護できないよ?w 


今回嬉しかったのは、グランエグザイルに何やら異変というか、不可解な部分があるらしいと、ジゼルやセシリーが気づいていくシーンがあったところだ。普段は地味な知性派キャラたちがグランエグザイルに秘められた重大な謎に迫る胸熱のエピソードで、とくにセシリーはグランエグザイルへの突入口をいち早く発見する大手柄。しかもさらになにか異変を察知しているようで、この軍団の中で一番の活躍だったのではないか。思えば彼女は、シルヴィウスが第一艦隊の包囲を突破した第8話以来、たぶんほとんどマトモな出番がなかったはずで、今回の大事な場面でこのような活躍の場が与えられたのは予想外の幸運だったと言えるだろう。




一方でグランエグザイルのほうは、未完成のまま放置されていた兵器ということで、これを持ち出したルスキニアの真意はまだ明かされていない。いくら高出力の光線砲だからといって、使ったら装甲ごとはがれて落ちていくなんて欠陥品も良いところで、また触手の数も質も他のエグザイルに比べると少なからず劣っているような印象も受ける。星型戦闘機をあれだけ搭載していたということは明らかにギルド関連の兵器であり、おそらくアデスの皇帝はギルド直系の子孫としてこの星に留まっていた人々となんとか生きながらえてきたのだろう。グランエグザイルが星間航行を可能な船として建造される予定だったことはたぶん間違いないだろうけれど、他のエグザイルのように完全に避難や移民のための居住衛星だったのではなく、地球から逃亡していった人々も含めた全人類の盟主たるべく、持てる技術と資源のすべてを注ぎ込んだのに違いない。それが未完に終わったというところが、科学技術に頼ることで人類が万物の霊長であることを証明しようとした人々の、哀れな末路を想像させる。


ルスキニアが、この未完成の遺物を使って言葉通りに平和をもたらすことができると考えていたとは、やはりどうしても思えない。このあたりは最終回で明らかにされることであろうが、もし彼が、グランレイク周辺からあらゆる戦争技術を根こそぎ滅ぼし、なおかつギリギリのところで敗北して命を絶つことで、残された人々が本当に協調して平和を歩むための道を切り拓こうと考えているのなら、いままさにそんなシナリオが進行しつつあるわけで、万事がルスキニアの思惑通りに進んでいるのかもしれない。この最終決戦、統合軍側はあまりにも情熱的に攻撃をかけているのに対して、戦っている相手の側が落ち着き払っているのが特徴的だ。それはグランエグザイルがルスキニア一人によって動かされており、その兵器もすべて無人で表情の無いものであるからなのだが、ルスキニアに自発的に従っているサドリもとっくに敗北を覚悟しているような印象で、ただ壮絶な殲滅戦を、文字通りすべての戦力をすり潰し使い果たすまで、淡々と戦っているように見える。その背景には、ルスキニアやサドリが、この戦闘がただ両軍の勝敗を決めるという以上の意義と目的を持っていることを、よく理解しているからだろう。


次回は、いよいよ最終回。ルスキニアによって示される今作なりの平和のカタチがいかなるものになるのか、またミリアやファムなりの平和の意志がどのように宣言されるのか、心してその幕引きを見届けたいと思う。



----


それでは、今回は以上です。


面白いと思ったら、ぜひ下の方にある拍手ボタン(ブログ気持ち玉)をクリックしてください^^



にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 12

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック