中二病でも恋がしたい! 第9話「混沌の・・・ 初恋煩」

こいつは・・・ルート確定かな?



前回はまだ無自覚でささやかな感情に過ぎないと思っていたのに、今週の六花の変わり様はどうだろう。全然フツーの女の子に見える!!


まぁそれもそのはずで、勇太に勝負を挑んで邪王真眼を発動?させようとしても、六花の魔法、もとい妄想力は何の効果も発揮することが無かった。いつもなら一瞬にして周囲の空間を異世界に叩き込んでしまう彼女の能力は、恋の病によって完全に封じ込められてしまったわけだ。


魔法使いの女の子が、初恋によってそのチカラを失ってしまう。この展開はそのまんま『魔女の宅急便』を連想させる。というより、少女漫画などではわりとおなじみのシチュエーションなのかもしれない。どういう理屈かは男の自分にはよくわからないけれど、恋というものは、ある時期の女の子の心と体の能力を極度に低下させてしまうらしく、食欲も思考力もパワーやスタミナも魔法力も、以前とは比べるべくもないものになってしまうようだ。


男の子だったら、恋の真っ最中はむしろ元気もやる気も向上する傾向が強いんじゃないかと思う。自分や周りの友人たちを見ていても、恋をして意気消沈するような男子はあまり知らない。今作中でも、一色は(方向性はアレとして)くみん先輩に惚れ込んでからはいっそう活発になった印象があるし。逆に漫画やアニメで、恋をして気力が減退する男性キャラといえば、やはり少女向け作品に登場するキャラクターが多いのではないだろうか。そういう見方をするなら、今回六花が惚けたようになってしまったのは、彼女が正しく「少女」としてのキャラクター性を獲得したと評することができるかもしれない。いままでが奇人変人とか、よくて愛玩動物扱いだったと思うので、ストーリーが恋愛方面にぐっと踏み出していくうえで大胆な変化を見せた六花の存在は大きい。


勇太は自分で気付かないうちにフラグを立てていたということになるのだが、今回のエピソードでは、どこまでも無自覚な勇太に対して逆に六花からアプローチをかけることになり、あたかも六花が勇太との恋愛フラグを立てて彼を攻略する、乙女ゲーのような展開にシフトしていったのは面白かった。これまではずっと「勇太から見た六花」を描いてきたが、今回は逆に「六花から見た勇太」を描く場面が中心となっていた。この視点の転換は、十花と勇太の相談がまったく実りのない空振りに終わり、この二人の関心事である六花の家族の物語がひとまず放置されることになった点などにもよく象徴されている。


そしてここにきて、六花にとっての新たなる「理解者」が登場するというわけだ。「中二病」の理解者である勇太に対して、「恋」の理解者である丹生谷。この二人がそれぞれの着眼点から六花を支えていく構図が、ひょっとしたら今後のスタンダードとして定着していくのかもしれない。




ところで丹生谷のファンとしては、彼女がもう完全に勇太と六花のカップリングを支援する立場に納まっているのが、なんだか寂しくはあるw 彼女自身が恋愛ドラマの主役になる日は来ないのかなぁ。


丹生谷とてまともな恋愛経験などないだろうに、ここ1年弱くらいの間に仕入れたであろう恋のハウツーに関する知識を得意げに披瀝して、六花の恋を後押し(というか、実験?w)する展開でもあった今回。いつ丹生谷プロデュースのほころびが表面化するかなと思ってたら、吊り橋作戦に関しては予想外にうまくいったようで、結果オーライだ。


ただ勇太と六花が抱き合っていたシーン、これを両想いになったと考えるのはもちろん時期尚早で、恐らく勇太は危険に晒されたのが六花でなくても、たとえばアレが一色だったとしても、同じように全力で助けに走っただろう。彼としてはあくまで人として当然のことをやったというだけの話で、六花が泣きながら抱き着いてきたのも、ただ恐怖から逃れ得た安心感からの行為だと考える可能性が高い。今回の吊り橋作戦は、二人の距離を近づけたというよりも、六花自身に自分の恋をちゃんと自覚させたという点での成功であった。二人の恋路に関しては、むしろこれからの展開のほうがずっと重要になってくる。


もし今回の件で六花がはっきりと自分の感情を理解し、素直に勇太へアプローチをかけていく気になるのなら、六花は現実の勇太の存在に気を取られて妄想世界が色褪せたものに感じられるようになるだろうし、少なくともより真摯な態度で現実世界と向き合おうとするはずだ。また他人の恋を見るのが楽しくてたまらないといった感の丹生谷としても、文化祭等のイベントを活用してさらなるおせっかいを焼こうと画策するかもしれない。さてそうなると、中二病にこだわり続ける人物は凸守ただ一人ということになってしまうが、彼女は遊び相手をなくしたら一体どうするんだろうか。


もっとも、同級生から慕われている彼女の姿には、中二病設定をただの遊びと割り切って二つの顔を違和感なく使い分ける、凸守の意外に大人な性格が垣間見られた。このシーンなどもまた、今作の主眼が中二病そのものから徐々に離れつつあることを示唆しているように感じられてならない。六花が妄想力を発動できなくなってきた時点で、彼らの中に正真正銘の中二病患者というものはすでにいなくなっていたわけだ。こうして彼らは大人になっていくのだろうなと、感傷的になってしまいたくなるような展開。


しかし、ここからさらにもう一度、中二病からの巻き返しがあるのではないかという期待や予感もなくはない。『魔女宅』のキキが一度は魔法を失いながらも再びホウキで空を飛ぶことができたように、われらの小さな魔法使いもまた、恋を知ったうえでなお彼女自身の才能である豊かな想像力を取り戻し、現実世界と不可視境界線との間を自由に行き来しながら暮らせる日がやってくるのではないか。最終的に今作がどのようなメッセージを孕んだ結末を迎えるのか、そろそろ注目し始めても良い頃だろう。




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それでは、今回は以上です。


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