DARKER THAN BLACK 流星の双子 第12話「星の方舟」&シリーズ感想

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かつて黒がそれを望み、アンバーが目指そうとした未来。


異様に難解な最終回だったが、ひとまずコレ(↑)が、今作の結論部分だったのだろう、と思う。




や、とにかく難しいの一言だった。何が行われているのか、非常に理解に苦しんだ。


視聴者を置いてけぼりにするような超展開に魅力を感じるのも事実だし、見ごたえ十分だった黒と葉月の戦闘、まさかの裏切りモノだった鎮目への驚きと、それ以上にじつは黒幕ではなくむしろ霧原の味方だったゴルゴに対する驚き、ここぞとばかりに挿入してくる蘇芳とジュライの萌えシーン、そしてどう形容したらいいのか分からない謎の感動を呼ぶラストの霧原未咲の独白とか、、、


そんな表層のコトなんかどうでもいいんじゃぁぁー!








・・・なーんて叫びたくなるほど、チンプンカンプンだったwww





こで、原点に立ち返って、分かりやすくキーポイントとして提示されていた「三鷹文書」を、検討してみようと思う。


まず、アンバーの陰謀(?)によって霧原未咲が手に入れた三鷹文書の文言はこちら↓


イザナギは偽りの水底を眺め イザナミを待てり

イザナミは水底を渡り来たりて やがて二人出会えり

されば天地はふたつに裂かれ 地獄の門はそこへと開かん

門より出し者 誰ぞや知れず

ただ争いが果つることなく続くのみ


ここまでが、未咲さんの調べた文書。彼女は「天地」を「あまつち」、「誰」を「だれ」と読んでいるが、たぶん「あめつち」「たれ」と読むのが正しい。いや、そんな揚げ足取りはどーでもいいっすねw


そして前回、ゴルゴ小林が付けくわえた部分がこれ↓

その兆し 沈むことなく昇る弓張り月にあり

そはやがて満ち満ちて イザナミの臨月(うみづき)となる


「うみづき」という単語を「臨月」と当てたけど、「産み月」かもしれない。どちらも同じ意味です。


て、未咲たちはこの文書を、未来に降りかかる災厄だと捉えて行動していた。


未咲の調べた部分に「天地が裂かれ」「地獄の門が開く」「争い果てること無し」などと書いてあったら、確かにそう捉えるのも当然だろう。ゴルゴの付けくわえた部分は、事象そのものに言及しているわけではなく、それがいつ起こるかを解説しているに過ぎないのだから。


というのも、弓張り月とは弓を張ったような月で、つまりは半月のこと。半月は満ちて行く途中の上弦と、欠けて行く最中の下弦とがあるが、「やがて満つ」と言っているくらいだから上弦の月を指しているのであって、実際に劇中で描かれていた月(三日月とかがありましたね)は、ちゃんと右側が膨らんでいた。上弦の月がだんだん膨らんでいって満月となったとき、その予言は完成するという”時”を指し示す言葉だったと思われる。


「イザナミの臨月(産み月)」という表現がさっぱり謎で、さくっと調べても何の事だか分からなかった。もし造語だとすれば、それは事(災厄?)が起こることを指していると、考えてよさそうだ。




原未咲も我々視聴者も、当然、この文書は世界の破滅を予言するものであると認識してきた。そして、イザナギとイザナミが出会ってしまったという事態に、戦慄を覚えざるを得なかったわけですね。


しかし、実際はそうはならなかった。イザナギが眺める「偽りの水底」とはコピーされた地球のことであったし、天地が裂かれたというのも、2つ目の地球が作られ離れて行ったという事実を指したものだった。地獄の門、すなわちヘルズゲートがその舞台であり階(きざはし)となったということで、別にモンスターが湧いて出てきたわけでもない。ゲートから消えた人々はどこへ行ったのか、残された者には分からないし、以前の世界がそのまま継続しているということで、人間と契約者たちによる滑稽だが活力のある生存と闘争は依然として続いている。


つまりは、何も変わらなかった。それが、予言の導いた未来であった。


では、結局のところ未咲たちも我々も、予言の解釈を読み違え、それに踊らされていただけではないか。契約者たる紫苑が、全然契約者らしくなく蘇芳たち家族を愛し、その幸福を願った物語。契約者という存在を通して人間の何たるかを見つめることはできたが、つまることろ感傷的なだけで何も解決していない投げっぱなしの結末だった。3期や劇場版への布石でなければ、もったいないなぁという感想で終わらせてしまいそうな、よくある1クールアニメの枠内から、出ることはなかった。なんて、




そんなことを考えたら、それは大間違いだ。




こで、さりげなく語られていた非常に重要なセリフがふたつあったということを、指摘しておきたい。


まずひとつは、今回マダム・オレイユが語っていた「紫苑の計画に夢を賭けた」という言葉。


もうひとつは第9話、未咲が三鷹文書にたどり着いたあたりでの、アンバーの「教えてあげて。そこへ至る道のりを、誰もが誤らぬようにするために」という言葉。


考えて欲しい。このふたつのセリフと、予言の示した今作の結末とを照らし合わせると、一体、何が見えてくるだろう?三鷹文書の導いた今回の結末は、ひどく人為的な臭いがしないだろうか?




もそも予言とは何か。ノストラダムスしかり、マヤ暦しかり、デルポイの神託や黙示録や北欧神話、その他あまたの予言の書物や言葉、あるいは胡散臭い宗教家や占い師どもすべてに、共通の要素がある。それは、未来のことを語るに際して、具体的なことをなにひとつ指摘しない、ということだ。


三鷹文書もまさにその類だ。抽象的な単語が羅列され、それをどう解釈すべきかが議論の的になる。誰もが信じた解釈と、ただ一人の狂人が信じた解釈と、そのどちらが正しくてどちらが誤りであるのか、誰一人として確実なことは言えない。それが予言というものだ。


浅はかな人間は、予言を前にしたとき、「正しい解釈はどれか?」ということを問題にする。しかし、それは有益な作業であろうか?誰も正解の分からない、否、そもそも正解など存在しない虚ろな言葉に、何かを求めることほど愚かしく、滑稽なことはあるまい。


そうではなく、予言をどのように実現してみせるか、それが問題なのだ。




とつの予言が、人間に与えられた。そこに人類の破滅を見出し信じれば、まさに来るべきは破滅である。そこに大いなる歓喜を見出し信じれば、そのように実現されるであろう。その結末を導くのは、ことごとく人の意志と行動である。


三鷹文書を前にして、アンバーは何を願ったか。紫苑が何を決意したのか。その意図を解明する糸口はそこにある。


恐らく三鷹文書は、間違いなく世界の混乱と破滅を予言するものであったろう。だが、その結末を拒否し、予言にまったく異なる解釈を与えようとした。それが、アンバーの願いをもとに、紫苑が立て、マダム・オレイユやパブリチェンコ博士が夢を託した計画のすべてであった。そうして勝ち取った結末、それを描いたのが、「DARKER THAN BLACK 流星の双子」という作品であった。




が、問題はまだ残っている。紫苑たちが周到な用意と実行力によって掴み取ったこの結末に、いったいどんな願いが込められているのか。それは、作中でははっきりと語られていない。我々視聴者が、想像し考えなければならないものである。そしてまさにその問題こそ、今作の最も重要な主題と、メッセージが込められている。


たしかなヒントがあるとすれば、それは第1期の結末に置いて描かれた、の選択である。未来を見ることのできたアンバー、未来を決定することのできた銀、未来を生みだす鍵であった蘇芳。それぞれが皆、という男と、かつて彼の選んだ選択を軸に回転している。そこに想いを馳せるなら、この結末によって描きたかった作り手のメッセージに、少しでも近付くことができるだろう。


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