ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第7話「蝉時雨・精霊流シ」

やはりどうしても、漫画版ナウシカを想起させずにはおかない「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。こういう話、見たかったんですよねぇ。




・前の大戦と旧時代の兵


いつかの軍事教練かと思いきや、本当に実戦だったフィリシアの回想。普段は肝っ玉母さんといったふうの彼女が、じつは凄惨な戦火をくぐり抜けてきた過去を持っていたことが、初めて明らかにされる。一緒に戦っていた女性たちは以前から言及のあった“先輩”で、乗っていたのは現在修復中のタケミカヅチなのだろうか?


悲惨な戦争、深く問われる人間の尊厳、その中で明かされる世界の宿命。。。こういった展開は、まさに漫画版「風の谷のナウシカ」を連想させる。醜い屍骸が語りかけてくる様子など、まさに「ナウシカ」的発想だろう。おそらくスタッフは当然、「ナウシカ」を念頭に置いて制作していると思うのだけど、問題はもちろん、”そこで何が語られるか”ということだ。


世界は、緩やかに終焉しつつあるということ。シリーズ序盤からすでに、この作品の世界観がナウシカに通じているという点から想像はついていた設定ではあったが、あらためて提示されるとさすがに重たい。すでに滅亡が決まってしまっている小さな箱庭の中で、それでも生きようともがく人間の決意を、フィリシアに代弁させた今回のエピソードは、はたして今作の中心テーマになり得るのか。「ナウシカ」が、あの大作の中で深く深く掘り下げていったテーマだけに、それに匹敵するだけのメッセージ性を獲得しうるのか、ちょっと心許ない。


「ナウシカ」では、旧世界を滅ぼしたのは巨神兵である。これは映画版では生物兵器か何かのように描かれていたが、漫画版では戦慄すべきいくつかの設定が付け加えられていて、人間のあり方を深く問いかける存在になっていた。では「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」で、旧時代の兵が戦った相手が何者なのか。おそらく伝承にある翼をもった怪物なのだろうけれど、まさか宇宙から飛来したとも思えないので、恐らく人間の深い業が生み出したものなのかもしれない。そのあたりの経緯を絡めてじっくりと取り組んでくれれば、文学的に極めて価値のある作品に仕上げることも可能だろうと思うので、本当にそんな方向性のアニメになるのかは謎だが、いちおうの期待は抱いておこうと思う。




・精霊流しとラッパ吹き


フィリシアの回想でふたたび登場したラッパ吹きの女性。ここでカナタとリオだけでなくフィリシアも、この女性を接点にして結びついていることが明らかになったわけだが、彼女の正体に関して重大な単語が飛び出したのには驚かされた。”皇女殿下”という呼び名、リオが母と並んで「姉さま」と呼んだ人物の存在、リオを見たときの司祭の表情。それらから導き出される結論はひとつしかないのだが、まぁ慌てずに今後の描写を待つとしたい。仮にリオのやんごとない血筋が明かされたからといって、それがどう物語に絡んでくるのか、分からないわけで。


でも、リオの口ぶりからすると明らかに死んでますよねぇ、あの人。何があったんでしょうか。


それから気になったのは、ノエルが精霊流しに加わらなかったこと。彼女の身の上はほとんど明かされていないが、送る人がいないということは、物心ついた頃から天涯孤独だったのだろうか。フィリシアが体験したあの戦場をノエルも知っているという話だったが、あれが何年前なのか分からないものの、少なくとも10歳を少し越えたくらいの(ヘタすると10にもなっていない)女の子があの戦場にいたというのは、なんとも恐ろしい。




・次回もシリアスか?


シリーズ当初からみんなずっと気になっていたであろう黒電話が、次回はついにスポットを当てられるらしい。問題は、電話が本当に繋がるのかどうかという点だw


しかし、仮にも緊急事態を宣言するというくらいなのだから、もしかしたらまたシリアスな話をやるのかもしれない。ドタバタコメディの可能性もあるけど。何にせよ、7話でこれだけ重たいエピソードを見せてくれたということに、今作に対して一層、期待が膨らんできた。次週以降も楽しみにしたい。




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