Angel Beats! 第1話「Departure」

何が何だかまだまだ分からないが、予想以上に面白そうだというのは分かった。




・今期1番の注目作


麻枝准の原作・脚本、P.A.WORKSのアニメーション制作ということで、「けいおん!!」と並んで最も注目されていた話題作。自分は鍵は比較的どうでもいいのだけど、ピーエーのアニメが見れるということと、あとはやはりこれだけ注目される話題性というのは興味深くて、そういう点で期待をかけていました。PVもチラっとだけ見たけど、作画の良さだけでも注目に値する。


しかしこれだけ注目されて、制作者側はすごいプレッシャーだろうなぁと思ったのだけど、1話の滑り出しは上々。複雑怪奇な世界観を逐一説明しなければならない段階であるが、Aパートは適度に漫才と殺人シーン(笑)を挟んで冗長にならなかったし、ツカミであるBパートのライブ&戦闘シーンは見事の一言に尽きる。


それと、後述するが、今作のテーマ設定はかなり興味を惹かれる。自分は宗教哲学の話が大好きなので、その方面からどこまで突っ込んだ話を展開してくれるのか、ちょっと注目していようと思う。


そんなわけで、面白いだろうと予想はしていたが、その予想を越えて”見るべきものが多い”かもしれないと、期待に胸を膨らませた第1話だった。




・わりと手堅かったAパート


まずは今回の感想から。繰り返しになるが、この複雑な世界観設定を視聴者に理解してもらわなければならなかったのが、今回の課題であった。


主人公の音無を記憶喪失であると設定して、不条理な状況に戸惑う様を描写しながら、視聴者の視線を彼に近づけようというのは、手法としては無難(辛口に聞こえるかもしれない)。今回だけに限って言えば、作品世界にインパクトを持たせるという点に関しては、主人公がわりと冷静な分、あまりうまくは行っていないように見える。かなりライトな雰囲気で進めていったのは個人的にはあまり好きではなくて、せっかく面白い設定なんだからもっと迫真の展開にしたほうが面白かったのではとか、そんな無粋なことを考えてしまった。


でもこのライトでポップな雰囲気を持たせたのはそういう方向性にしようという意図があるのかもしれないし、主人公の記憶喪失設定がただ作劇手法として妥当だと判断しただけでなく、ストーリーの根幹にかかわる重要な設定であるかもしれない。このあたりの手法の良し悪しはもっと後になってから判断するのが良さそうだ。


Aパートではキャラの演技もちょっと固かったかなぁー。ピーエーにしては、という枕詞付きですが。「true tears」や「CANAAN」で見せた見事な芝居と比べると、少々見劣りがする印象。銃だとか大鎌だとか派手な仕掛けや血糊の描写でそれなりにインパクトはあったけれど、第1話なんだからもっと飛ばして良かったと思う。ここもやはり、ドラマの展開が手堅かったので、作画演出も窮屈になっていたのではないかと思ってしまう。




・Bパートは怒涛の展開


今回の本領発揮はもちろんBパート。それは、バンドのライブと戦闘シーンを並列で見せた映像面については当然のことながら、脚本的にも、ここが今回の肝であったと言える。あの壮絶なドンパチが食堂で飯を食うためにあったという、すごいんだか地味なんだかよく分からないミッション。またそれを通して主人公が感じる違和感と日常の平和を、非常に巧く演出してくれたと思う。食堂で仲良く食事をするシーンが、今作のあり方を象徴する場面として結実していてすごく良かった。


映像的には、いきなりこれを見せますか、という嬉しい驚き。PVでライブシーンは少しだけ見ていたが(あまり事前に情報を溜めこみたくないので中途で切った)、どういうカタチで挿入してくるのかなと予想がつかなかっただけに、”陽動作戦”としてさっそく見せてくれたのは良い意味で予測を裏切ってくれた。


一方でこちらは当然あるだろうと期待していた戦闘シーンも、美麗なエフェクトで非常にカッコイイ仕上がり。遠景から弾丸の飛び散る様子を見せるトコとか、見事だったと思う。それに、自称・生徒会長の不気味さもいい感じで演出できていた。ここはあまりホラーな感じにせず、怖いんだけどあまり怖くない、不気味なんだけど敵意も感じないという、恐らく主人公が強く感じているであろう違和感を、巧みに描き切ったと思った。


しかし、あれだけ怖い思いをして肉うどんとは、なんとも情けなくて笑える。ヘタに日替わり定食とかの”嬉しい成果”ではなく、地味で、苦労や恐怖とはあまりにも不釣り合いな食券というのが巧い演出だなぁ。自分だったら、「これじゃ嫌だ!」と叫んで大慌てで別の食券を探していたかもしれないw




・キャラクターについて


まだまだ顔見せ程度のキャラばかりなので追々書いて行こうとは思うが、雑感だけ。


ヒロインがハルヒみたいだなぁというのは、キャラデが発表された時からみんな言っていたけど、動いてしゃべってるところを見たら余計そう感じたのは、みんな同じだったんじゃないでしょうか。ハルヒよりはまだ良心的っぽいけど。可愛いし頼り甲斐があるので、ヒロインの印象としてはかなり上出来の見せ方ができていた。


主人公は、ギャルゲーによく出てきそうな典型的な性格設定かと。というかAパートは映像もまんま、ゲームをアニメ化しましたよという印象だったので、それも手伝っての評価なわけですが。いまはまだまだ巻き込まれ型&モラトリアムな主人公で、透明な分あまり感情移入は出来ない。ゲームと違ってアニメは、自己主張しまくる主人公のほうがハマと思う。いや、ゲームだって能動的な主人公像のほうが、個人的には好きなんですけどね。まだまだ素の自分を出せていない音無くんには、今後の大きな飛躍を期待したい。


フジツボ絶滅保護戦線(だっけ?w)の他のメンバーについては、今回は女子より男子のほうが多かったのが、意外と言えば意外だった。モブに毛が生えたような奴ではなく、ちゃんとそれぞれ個性を発揮してくれそうなキャラだったので、好印象。女子は、ゆりっぺと天使以外はこれから徐々に増えていくのでしょう。この作品に恋愛要素があるかどうかは知らないが、サブヒロインをだんだん増やしていくのは、ギャルゲのセオリー。見た目はどうせ可愛いんだろうけど、中身が魅力的なキャラが増えてくれると、ありがたい。




・神は、あるか


最後にテーマ設定について。公式サイトの紹介によると、今作のテーマは”人生”らしい。人生というか、人生賛歌が根幹テーマなのだろう。しかしそのテーマを、神の秩序とそれに対する反抗というカタチで描こうとしているらしい部分は、大いに注目に値する。自分がもっとも興味を惹かれたのはやはりこの部分だ。


神は、あるか、ないか。現代の日本人には馴染みの薄い(というか関心の薄い)論題だと思う。宗教と詐欺がほとんど同義になってしまった日本において、生と死、神仏による救いの有無、生きるとは何かといったテーマに、正面から挑む人間は非常に少ない。




私の持論を言わせてもらえば、神や宗教について真面目に考えることは、人の生において根本的に重要で有意義なことだ。神やそれに類する存在を肯定するにせよ否定するにせよ、それについて真剣に頭を悩ませることは、決して無駄ではない(私はいま、非常に消極的な言い方をしている)。


神がいるかいないかという問題は、単にその存在を観念として認めるかどうかという話ではない。はっきり言って、神がいようがいまいが、そんなことはどうでもいい。問題は、宗教や哲学の説く人生論と救済を認めるか否か、という話である。


宗教によって説かれる方法論を実践するのも、またそれを否定するのも、「どうしてそう考えるか」が重要だ。何も考えないでただ感覚の話で神の有無を語るのは、人生の価値と意味とを放棄することであると思う。もし宗教を信じるなら、どうして信じるのか、また信じてどうなりたいのかを考えるべきだし、宗教を否定するなら、では自分はどう生きるのかを、真剣に自問しなければならない。




その意味で、今作が取り組む「人生」と「神」のテーマを、どう描いてくれるかということに興味が湧いた。絶対やって欲しくないのは、思考の放棄であり、思想の否定である。神の秩序を否定するのはいいが、では否定した先に何を見出すのかを、真剣に取り組んで欲しい。


何かと戦ったり何かに入れ込んだりする姿を描いて、「これが人生だ」と宣言するのもまぁいいんだけど、そんな世俗的なお話は五万とあるわけで、いまさら描かなくてもいいと個人的には思う。そうではない何かを、そろそろアニメーションに求めたい。私の勝手な理想論である。




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それでは、今回は以上です。


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